見出し画像

No.884  あなたのお名前で折句を!

皆さんは、ご自分と同姓同名の方の数をご存知ですか?
例えば、「鈴木一郎」さんというお名前は、全国に約1,900人もおられるそうですが、それでも全国順位は174位でした。ヘーボタンです!

そこで、上位5人のお名前を拝見すると、
  1位は「田中実」さん 約5,300人
  2位は「佐藤清」さん 約4,900人
  3位は「佐藤正」さん 約4,800人
  4位は「佐藤進」さん 約4,700人
  5位は「高橋清」さん 約4,600人
だということを知りました。瑞祥の意味がお名前に込められています。

ところで、苗字ランキングベスト10には諸説あるらしいのですが、そのうちの一つ佐久間英氏によれば、
  1位 鈴木さん 約200万人
  2位 佐藤さん 約190万人
  3位 田中さん 約130万人
  4位 山本さん 約 90万人
  5位 渡辺さん 約 85万人
  6位 高橋さん 約 80万人
  7位 小林さん 約 75万人
  8位 中村さん 約 70万人
  9位 伊藤さん 約 70万人
10位 斎藤さん 約 60万人
とありました、

私は、芝尾と言いますが、苗字ランキングによれば1,163位で、全国に約600人ほどだと言います。少数派の部類でしょうか?さらに、「芝尾仁 同姓同名」で検索したところ「およそ3人」と出ましたが、その全国順位は「-」(不明?)のマークでした。恐らく数万番の順位でしょう。まだ、捜しあてられずにいますが、どのような方なのか興味がないと言ったら嘘になります。同姓同名なだけに、ゆかしさが増します。

今から30年も前の事ですが、クラスの子供たちに、私の名前を入れて「折句」(おりく)を作ってもらったことがあります。「折句」とは和歌や俳句や川柳などで、各句の頭に物の名などを一字ずつ置いて詠んだものを言います。例えば「かきつばた」を詠みこんだ『伊勢物語』第9段の歌は、
「か ら衣
 き つなれにし
 つ ましあれば
 は るばる来ぬる
 た びをしぞ思ふ」

また、『古今和歌集』巻10、物名(もののな)、439番の紀貫之の歌は、「をみなへし」を詠みこんでいます。洒落た技巧の一つです。
「を 倉山
 み ね立ちならし
 な く鹿の
 へ にけむ秋を
 し る人ぞなき」

では、私の名を詠みこんだ「折句」の生徒2作品をご覧いただきましょう。
「し んけんにやって
 は いたいしたのなら
 お い目をもつことなんてない
 ひ たいで汗して皆で頑張ったなら
 ど んな結果でもいいじゃないか
 し んけんやったんだから」

「し みったれたこと
 ば かり言いやがって
 お 前はそれでも俺の子か
 ひ とりで何でもやってみろ
 と うさんはお前のことを
 し ょうがい見守っているぞ」

短歌に詠みこむのは難しかったらしく、「折句」というより「言葉合わせ」となってしまったようです。彼らは、行の最初に文字を当てれば「折句」になると解釈したようです。共に男子の作品のようですが、ちょっぴり哲学や疑似親心が感じられて嬉しく思いました。

その彼らは、今年47歳~48歳です。まさに父親として檄を飛ばしている頃かも知れません。それにしても、心がこもっており、なにか伝わってきます。当時15歳~16歳だったとは言え、なかなかに心ニクイ作品でした。ご自分のお名前で「折句」なんていかがですか?


※画像は、クリエイター・カズマさんの、タイトル「初プロ野球観戦がシアトルだった件(2018年5月)」をかたじけなくしました。イチロー選手は、今も少しも色あせない日本人の矜持です。お礼を申し上げます。