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No.966 カツ代さんの言葉。

「購入したばかりの卵を割ってみたら血が混ざっていましたが、品質に問題はありませんか。」
そんな問いに、農林水産省のホームページでは、以下のような回答をしてありました。

「血が混ざった卵は、鶏に何らかのストレス(大きな音など、鶏が驚くようなこと)が一時的に加わった場合に、卵巣や輸卵管の毛細血管が破れ、そこから流れ出たごく少量の血液が卵黄膜に付着してできるものです。
食用として血の部分を除いて生食しても問題はありませんが、そのままで生食するのは気持ち悪いようでしたら加熱して食べてください。」

農林水産HP

料理研究家でエッセイストでもあった小林カツ代さん(1937年~2014年)が、その昔、こんな話をしていたとカミさんから聞いたことがあります。

「卵を割ると、中に血の混じっているものもあり、嫌だなあと思っていたものでした。ところが、人からもらった鶏が卵を産むようになり、その姿を見ると、目を白黒させて、トサカが白くなるくらいに力んで、それこそ一生懸命になって生むんですよ。若鶏だからかと思っていたけれど、成長しても卵を産むときは必死の風情なんです。そんな思いをして、ようやく産み落とした卵なんです。少しくらいの血で文句を言っていたなんてねえ。」

とのことでした。実家の床下で飼っていた鶏の新鮮な卵のことを思い出しました。

ヨード卵・光のオフィシャルサイト「教えて!たまご先生」(2018年1月26日)には、

「卵を産み始めた産卵生理の整わない若いニワトリや、外気の急激な変化や大きな物音のようなストレスを一時的に受けることによって、卵巣もしくは輸卵管の毛細血管が切れてしまいます。これが卵の形成時に混じってしまい、血斑となってしまうことがあります。
農場での管理には特に気を配りますが、生理現象であるがゆえにどうしても血斑はできてしまいます。
そのため、GPセンターでは血玉検知器を用いるなどして除外しています。
なお、食べること自体に問題はありませんが、気になる場合は取り除いてからお食べ下さい。
また、卵白全体に血液が多量に混入している場合(血玉卵と言います)は、食用をお控えください。」

ヨード卵・光オフィシャルサイト「教えて!たまご先生」

いずれも懇切丁寧な回答で、とても参考になりました。私は、カツ代さん派でした。


※画像は、クリエイター・あうる【グルメエッセイ、食べ歩きレポート等】さんの、卵かけご飯の1葉をかたじけなくしました。生卵2個がけは、人生で一度もした事のない贅沢です。黄身が輝いて見えます。お礼申し上げます。