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No.849 ♪みどりの台地 草燃えて

大分県速見郡山香町立東山香小学校は、われわれ1953年(昭和28年)生まれの者が在籍していた頃は、全学年二クラスずつでしたが、一組・二組でも、クラス担任の名前を掲げた○○学級でもなく、「松組」と「竹組」という泣く子も笑うようなクラス名でした。
毎年クラス分けが行われ、クラス担任も変わりました(もっとも、私は、3年・5年・6年と同じ担任でした)。
 
いつ頃の話だったか、カミさんから、
「あなたは、どっちのクラスだったの?」
と聞かれたことがあります。
「なぜか、ずっと竹組だった!」
と答えると、
「やっぱりね…。」
と歯に物の挟まった物言いです。
 
何が「やっぱり」なのかと尋ねたら、
「お寿司でも松竹梅とあるように、『松』にはなれなかったということでしょう?」
と勝ち誇ったような顔つきでのたまう。
 
「ぬかしたな、このタコ!」
と言ってやりたかったが、そこは紳士の私です。グッとこらえておくびにも出しません。言えば不毛の舌戦地獄と化し、愛犬チョコが二人のはざまでウロウロするのは目に見えているからです。いや、むしろ、カミさんの奇抜な発想に妙に感心したからでもあります。すっ、鋭い!
 
冗談とはわかっているものの、言われてみれば思い当たる節(竹だけに?)がないわけでもありません。しかし、竹組を自負していたからか、雨後の筍のように身長だけはスクスク伸びました。今は腹囲ばかりが伸びており、往年の姿は見る影もありません。
 
そんな「松組」「竹組」で子どもたちを育んだ東山香小学校は、2016年(平成28年)4月から山香小学校に統合されることになり、卒業生たちに惜しまれながら106年の歴史に幕を引きました。統廃合という時代の波に、田舎の小学校がのみ込まれました。母校の校歌は、卒業生だけが口ずさむものとなってしまいました。いい歌詞・いい曲でした。
 
1.みどりの台地 草萌えて 
  白雲遠く わきたつところ  
  希望はるかに ひとみは澄んで  
  東山香の学窓に 
  われらは学ぶ 明るくさとく
2.鹿鳴越山の 空晴れて 
  八坂の流れ ささやくところ  
  大志を胸に 足並み揃え  
  東山香の校庭に 
  われらは育つ 正しく強く
3.歴史を語る 松の色 
  かしわの徽章 輝くところ  
  気品豊かに 歌声高く  
  東山香の学園に 
  われらは伸びる すなおに清く


※画像は、クリエイター・HULKさんの、タイトル「過去写真2」をかたじけなくしました。「明治村 小学校」の説明がついていましたが、私の田舎の小学校1年生の時(1960年)の教室は、正にこんな感じでした。懐かしい1葉です。お礼を申し上げます。