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No.1115 明日の地図

定年退職後のことですが、中学5期生だった子どもたちが、成人式を迎えました。その祝いの会に招待状をもらい、嬉しくって出かけました。私の話が短くて済むようにと「乾杯の音頭」を指名されました。何て賢い幹事さんたちでしょう!

 「壁ドンでズボンの履き替えやっと出来」
今年4月から前期高齢者の仲間入りをするSです。招待して頂き有り難う!
 「明日の地図」を持っていますか?私が、みんなに願うのは、ただ一つ。よく言われることですが「昨日までの自分を乗り越えてほしい」ということだけ。それを続けていれば、「明日の地図」の輪郭も線も鮮やかに浮かび上がって来ると思います。
 在職中、私の人生に彩を添えてくれたみなさんに感謝し、大きな景色の大人になってくれることを心より祈って、乾杯!
 
そんなお話をさせて頂き、喉を潤しました。
20歳になった若者たちは頭の回転が速く、高校卒業後に久しぶりに再会した者もおり、話したいことが多いからか思い余って早口になるようです。私には、2倍速のマシンガントークのように思われ、うまく聴き取れません。
 
「えっ?今、何て言ったの?」
と、何度聞き返したことでしょう。私は、去年3,5回目の成人式を迎えましたが、スローライフ・スロースピーチ・スローテンポの「3スロー」なので、まさに別次元の会話を体験しました。
 
「世の中は、恐ろしいスピードで回っている。」
そんな強い印象を受けました。「明日の地図」の心配をしなくてはならないのは、むしろ私の方でした。
 
とは言え、若く熱気ある会場と目の回るようなマシンガントークのおかげで、その夜は珍しくトイレに立つこともなく熟睡することができました。
 
「君たちの福良雀よ成人祭」
 岡井省二(1925年~2001年)


※画像は、クリエイター「古いタイプの顔。」さんの「二十歳のポーズをとった成人式の前撮り写真」の1葉をかたじけなくしました。おしゃれなポーズですね!お礼申し上げます。