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No.1108 笑い納めて、明日への希望に。

数日前のことです。親切さんから大根と人参を頂戴しました。寒い日だったので、粕汁を作ろうと買い物に出かけました。酒粕は、有り難いことに畏友が持参してくれていました。
 
年末のこととて気が大きくなった私は、財布の中身も気にせず、
「具だくさんの粕汁にしよう!」
と、カミさんの笑顔を脳裏に思い浮かべながら、ゴボウでしょ、豚肉でしょ、コンニャクでしょ、シイタケでしょ、豆腐でしょ、里芋でしょ、…でしょと、あれこれ買いました。
 
「1,380円になります。3番のお支払い機でお願いいたします!」
と、イイ感じにお年を召したレジ係りの女性から言われました。今や、対面での支払いではなく、対マシーンでのお支払いです。人間と違って、愛想の一つもありませんが、間違えないのが何よりの強みです。
「御意!」
と心で小さく答えて3番機さんの前に立ちました。
 
画面タッチパネルの「ポイントカード使用」に触れると、カードの読み取り部分にカードを挟み矢印方面にゆっくり引くように指示が出ます。
「今日も又 勝手知ったる 君ならん!」
などと口にすることもなく、カードを挟んで縦に引きますが、3番さんは何やらご機嫌斜めです。何度か試みるのですが、私の顔が気に食わないのか、カードに不具合があるのか、爺さんは眼中にないのか、加齢臭を察知したのか、やり直しのご沙汰これありです。

見かねた件のレジの女性が、
「あっ、そこじゃなくて、ここです!」
と指先で教えてくれました。2㎜ほどの溝のカードの読み取り部分を固定している板枠があるのですが、そっちの隙間に何度もカードをスライドさせていたのでした。紛らわしや…。でも、一挙に氷解しました。
「あらま、そうでしたか!」
私も彼女も大笑いです。2人の笑いの意味は、違っていたようですが…。

歳を取ると、お金をかけて寄席に行かなくても、無料でこんな体験型の大笑いができるのですから、もうタマリマセン!そりゃあ、楽しゅうございますよ。早くお仲間に!

散歩や外出時に首にかけて一緒に行ったネームホルダーのチョコ(5月8日没)の画像は、
「父ちゃん、ガンバ!」
と言ってくれているように見えました。

明日は、昨日と違う今日がやってきます。去年とは違う今年がやってきます。そんな日に、そんな年に期待もしているのです。
「山茶花や 七十路街道 いざ行かん」