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No.640 もう一つのAKB?

「退職してからの十年は黄金時代とか金の時代とか言われている様です。」
と四半世紀以上も前の卒業生のお母さんからお便りを頂いたのは、私が定年退職をした9年前のことです。
 
1947年(昭和22年)から1949年(昭和24年)にかけて生まれた人々は、出生数では約806万人だったそうです。作家の堺屋太一(2019年、83歳没)は、小説『団塊の世代』で、その前後の世代とは全く異なる経験と性格を持つ、巨大な人口の塊を指して「団塊の世代」と呼びましたが、今年2022年から順番に75歳を迎えます。
 
総務省の「国勢調査」(令和2年)によると、団塊の世代(調査した時は、71〜73歳)に相当する人々は、全国で約596万人でした。それは、総人口の4,7%(日本人の約20人に1人)という割合だそうで、今も大きなウェイトを示しており、老人世代の中核をなしています。
 
睡眠不足に悩まされ奮闘しながらも、「エコノミックアニマル」と世界から揶揄され、家族と社会と日本のために格闘してきた第一次ベビーブームの申し子たち。その彼らが、長年の責務から解放されストレスなく自分好みの時間を過ごせるようになったのならまことに慶賀なことですが、現実はどうなのでしょう。21世紀は、団塊の世代に報恩の時代なのでしょうか。
 
私は、最後の団塊の世代よりも4年遅れて生まれましたが、新たな生き方が問われ、新たな時代に即した自分なりの「いのちいき」をせねばならない季節を迎えています。
 
それが人生の「金の時代」の言葉に相当するものか否か分かりませんが、他力本願せずに、「去年よりも今年、今年よりも来年」の心意気で「一生に一度の第3ステージ」をしみじみと味わっています。

「A(明るく)K(清き)B(馬鹿爺)」を合言葉に、毎日が新しく、毎日が初めての出会いであることに敬意をもっていきたいと思っています。

※画像はクリエイター・つめだ えんさんの「演」です。お礼申し上げます。