真夜中の救急隊からの電話
当クリニックは24時間対応です。
ただしこれまで書いてきたように、訪問診療を行っている患者さんのみに対してのことです。
何でも感でも電話かければつながると思って、グルタチオンの相談とか、シェディングの相談とかで、休日・夜間に電話をかけてこないでください。
そもそも平日でも電話での相談は一切受け付けておりませんので。
それはさておき、先日夜中の0時50分に突然クリニックの携帯電話が鳴りました。
こんな夜中に電話がくるってことは、滅多にありませんし、夜中にかかってくるということはそれだけ重大なことが起きたことが予想されます。
一気に緊張状態に入ります。
で、電話に出てみると、札幌市の東救急隊から。
(名前出してやりました)
まぁ、担当患者さんなり施設が、先に救急車呼んでしまい、それから救急隊から電話かかってくることがあるので、そのパターンかと思いました。
しかし、救急隊から出てくる名前は知らない名前。
何言っているのかわからない。
で、説明を受けてようやく分かりました。
来年3月から診察予定だった患者さんのことだったらしいのです。
おいおいおい、まだ自分は1回も診察したことないし。
救急隊曰く、家族に頼まれて電話かけてきたとか。
それで「受け入れ可能でしょうか?」だって。
はっっ?????
こちらはただの診療所です。
しかもこんな夜中に開いておりません。
この救急隊、何言ってんの??
瞬間湯沸かし器のように瞬時にブチ切れてしまいました。
たまたまブログ書いていて起きていたから良かったようなものの、寝ていたらもっとひどいことになっていたぞ、東救急。
いや、起きていましたが、そのとんちんかんな対応に相当キレましたが。
で、救急隊、家族に電話代わりやがるの。
その患者さん、今現在別の訪問診療のクリニックが入っていて担当の先生がいるのですね。
そのクリニックから切り替えたいとのことでこちらに依頼があり、来年3月からという話でした。
真冬はただでさえ雪で時間が読めないため、通常の担当患者さんでも予定通り回れず、キャンセルいただくこともあるくらいですから。
で、そのご家族曰く、今の担当医師がお酒飲んでしまって対応してくれないと。
はっっ?????
それで何でオレ?
しかもこんな夜中に。
そのクリニックもその先生にも会ったことないし話したこともないし、何の縁も義理もありません。
何で自分が尻拭いしなきゃならんの???
救急病院でもないのに、なぜに知らん人をこんな夜中に対応しなきゃならんの???
救急隊にしろあまりにも非常識すぎます。
大体、家族のいうことによると、その医院は24時間の契約をされているようです。
訪問診療ですから。
なのに対応しないということは、診療報酬の不正請求じゃないですか。
最後救急隊に電話を代わってもらい、電話をかけてきた主はただの隊員だったらしく、隊長に電話を代わってもらい、さらにブチ切れ。
救急患者を、ただのちっぽけなクリニックに運んで何ができるっちゅうの?
家族に頼まれたから電話したというが、家族に頼まれたら何でもするんかい。
考えたらおかしいことくらいわかるだろ。
夜中にハッスルしちゃったもんだから眠れなくなるし、仕方ないから静かに外の雪かきしました。
札幌は前の晩から相当雪が降っていたので。
こういうところにも、常識がわからない人が増えてきているなと実感します。
実は、11月にも救急隊ブチ切れ事件起こしているんですよね…。
そのときは自分の担当患者さんでした。
新型コロナにかかってしまい入院したのですが、結構早く退院されてきました。
しかし入院中に睡眠薬を飲まされていたこともあって、退院後もあまりパッとしない調子だったのですね。
そうこうしているうちに、発熱も認めた。
意識朦朧状態で誤嚥を起こした可能性もあると思って抗生剤など処方していました。
またこの患者さんは以前い心不全増悪の既往もあるので、肺が悪くなれば心不全もまた増悪する可能性が高まります。
で、とある日曜日、心不全が増悪した徴候によりいよいよ状態があまりよろしくないと思われ、救急要請をしてもらうこととしました。
それまでこまめに電話で状態を聞いていましたし、その日曜日は特に診察はしておらず、しかし状況的に急ぐ必要があると思い、すぐに救急車を呼んでもらいました。
しかし時間は日曜の夜。
受け入れ先を探すには一番条件が悪い状況です。
そんな中、担当した清田救急から電話がかかってきました。
(常軌を逸しているところはどんどん名前出しちゃいます。)
「往診したんですか?」
「往診お願いします。」
とのこと。
はっっっ???
救急隊から往診依頼されるなんて初めてだわ。
というか、これまで経過を診ているし、電話でも確認して、急ぐと判断したから救急要請したのです。
で、バイタルを隊員に聞くと、酸素濃度であるSpO2は90%。
酸素7リットル投与で、93~94%。
それって、どう考えても救急搬送の適応でしょ。
それをのんきに往診を待つ???
自分が今行ったところで、「救急搬送してください」って言うだけでしょ。
このときも救急隊にブチ切れましたね。
それでも収まらなかった自分。
なんと現場に向かってやりました。
腹立ったから。
救急車はまだそこにいました。
患者さんは苦しそうで顔色も蒼白で、意識もなんとか受け答えはするけどもうろう状態。
なぜ往診を待つ?
往診呼ぶだけその時間無駄だろ?
救急車内でまたブチ切れ。
なぜわざわざ呼んだ?
そう問い詰めると、隊長の一言にびっくり。
「病院探しをして欲しかった」
はっっっ?????
それ、救急隊の仕事だろうが。
なぜオレがわざわざ現場までやってきて病院探ししなきゃなんないの???
どうもそれまで20件断られていたようです。
自分の連携病院にも断られたようですから、それ以外にこのちんけな開業医があたったところで何もかわらんだろ。
自分の一声があればすぐに対応してくれるほど、自分は札幌で偉大でもないし有名人でもない。鶴の一声で動くとなると、市長や知事クラス、大富豪じゃないと無理でしょ。
とにかく
「病院探しをして欲しかった」
の一言にもまたブチ切れです。
目の前の患者さんをみたらどう考えたって、大きな施設に搬送して対処しなければなりません。
設備のあるところじゃないと対応できません。
素人がみてもぱっと見で分かるくらいだったのですから。
救急隊ならそれくらい分かるだろうに。
それを往診依頼して、しかも病院探し依頼をするとは。
救急隊の仕事放棄してるじゃん。
確かにコロナの影響でなおさら高齢者の空きベッドは減っています。
隊長曰く、50件断られたケースもあるとか。
だからってしらんがな。冷たい言い方だけど。
こっちに病院探しさせに現場に呼びつけるとか、あり得ない。
それは札幌市の問題であり、札幌市の救急医療体制の問題。
在宅医療では在宅でできるところまではするけど、それにも限界があります。
限界を飛び越えてしまったときには救急体制に頼るしかありません。
だからまったく札幌市の医療体制に関わりがないとは言えませんが、でも救急で対応できないからといってこっちにすべてを押しつけられたって困る。
自宅ででることは限られているのです。
というか、救急隊の思考回路が分からん。
理解できません。
あの状況で、往診以来とか、病院探し依頼のために呼び寄せるとか。
自分の往診待っている間に急変する可能性だって十分ありうる状況でしたから。
本当、救急隊のレベルが知れます。
結局患者さんは三次救急扱いで搬送先を探してもらい、すんなり対応病院がみつかりました。
あっ、以前も書きましたけど、すべての救急隊がおかしいってことじゃないですよ。
厚別救急は対応も本当素晴らしい。
患者さんに対してもとても優しく接しています。
付きそう家族に対してもです。
今のところ厚別救急ではハズレは見たことありませんね。
大体、コロナの補助金制度のせいで、コロナのためという名目でベッドを確保しておけば、空床にしていてもそれだけでお金もらえるんですから。
そりゃ日曜夜に手のかかりそうな面倒な患者を受け入れてくれるところなんてそうそうありませんよ。
三次救急以外は。
その辺の救急対応をうたっている病院とかだって、ただのバイト医を当直として雇っているだけってこともありますからね。
よっぽど志のある病院でない限り、適当に
「満床です」
「他の救急患者さんを対応中なので難しいです」
と言って断ります。
ちなみに、「満床」なんてことまずないですからね。
そういう事情だって救急隊なら当たり前の常識でしょ。
それをたくさん断られたといってこっちに振ってくるのもね。
まあ札幌市の救急医療体制というより、コロナ政策の影響も多大にあるでしょうね。
早く補助金打ち切れって。不正受給ばっかなんだから。
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常識に欠如した札幌の救急隊の話でした。
ほとんどが愚痴なので、かなりお下品な言葉がたくさん出てきましたがご了承ください。
ちなみに上記の救急隊の件、札幌市消防局に報告済みです。
24時間対応しているといろんなことが起こります。
それで気づくこともあるし、悪いことばかりじゃないと前向きに考えます。
でもこれら救急隊の対応には辟易しますね。
昨日の「受け入れ可能ですか」の真夜中の救急隊からの電話、
「すみません、満床なんです」
って断れば良かったかな。
(うちは無床診療所ですけどね)
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