見出し画像

支援事例「度数下がった古酒商品化したい」

◆ 企業名 国泉酒造合名会社
◆ 業 種 泡盛製造業
◆ 所在地 与那国町
◆ 資本金 2700万円
◆ 創 業 1958年
◆ 従業員 3人


【相談】
主力商品である「花酒どなん60度」のアルコール度数が1度下がってしまい、充填することなく17年間寝かせてきた。この古酒を商品化し販売していきたい。どのように売り出すか、パッケージや販売方法などについてアドバイスが欲しい。

【回答】
同社は島でとれるクバの葉を使ったクバ巻きボトル「どなん」で知られる日本最西端の与那国島の酒造所である。花酒「どなん60度」は与那国島だけで製造される国内最高度数の酒の一つ。花酒(はなざけ)とは、泡盛を蒸留するとき最初に出てくる酒(初留液)のこと。比類なき純度の高さは日本酒で言えば「一番搾り」にあたる芳醇(ほうじゅん)で香り豊かな泡盛である。
アルコール度数60度をうたっているため、それ以下の度数は「どなん60度」で出せない。今の工場へ移転した時、蒸留した酒がタンクで熟成されたまま度数が59度になっていたことが判明。出荷ができずに工場の隅で静かに眠り続け、気がつくと17年が過ぎていた。
花酒はアルコール度数の高さから飲み口は爽やかだが、飲んだ瞬間はのどが熱くなる。しかしこの長期熟成された59度の酒は、のど越しがまろやかでうまみを感じる。貯蔵量は720ミリリットルのボトルで約900本分。数量からしてもかなり貴重なお酒である。商品化に当たり、ラベルにこだわった。古代をほうふつさせる与那国の象形文字をデザインし、「59」を強調。ボトルタグで熟成年数を表示した。今年は「長期熟成十八年」のタグが付く。
現在は与那国島の同社工場での販売が中心だが、希少な商品であることから、販売先や販売数量を限定して展開して行くことを提案。ネット通販による直販の強化し、それ以外でも販路を限定することにした。自社サイトの認知度が低いため、全国商工会連合会の「ニッポンセレクト」のウェブサイトや、銀座わしたショップの泡盛コーナーでの販売を勧めた。世界で900人しか入手できない希少な酒。手に取った人の笑顔を想像するのもまたうれしい。問い合わせは、国泉泡盛、電話0980(87)2315。(県よろず支援拠点コーディネーター 金城力)

※掲載内容は相談者の承諾を得て紹介しています。経営者のあらゆる相談を無料で受け付けます。問い合わせや相談は同支援拠点、電話098(851)8460。または地元の商工会にお問い合わせください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?