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「災害のプロフェッショナルになる」沖縄発、意識改革を目指すオキマルのストーリーがはじまる〜Think! 防災 vol06 「台風 × スタートアップの可能性」

台風9号と10号、沖縄の離島に接近した今、日本本島に影響を与えるなど常に防災にアンテナを張っておく必要があります。とはいえ、これまでのマスメディアだと飛行機の遅延や停電について情報の即時性に不安があるといえます。

台風や津波のさまざまな事象を起きるなかで、防災意識がもっと当たり前に、と台風災害Bot『オキマル』を開発した具志堅好一さんとモデレーターの當銘大樹さんと共に「台風 × スタートアップの可能性」をテーマに考えていきます。

危機が生じたときでは遅い。

*具志堅好一さん / オキマル代表

2019年は、これまでに台風の卵が12個発生して、うち台風9号と10号が接近するなど暮らしに多大なる被害を与えました。

皆さん、台風情報はどこからタッチしていますか?

オキマル代表の具志堅さんはそう語ります。マスメディアでは、情報を見逃したら台風の状況がわからない、またWebサイトだと多数の情報源があり、場合によってはどの情報が信頼性があるのかわからない。

具志堅さん:
津波や停電が起きた、という危機が生じてからは遅いんです。

危機管理として、スピーディに、正確な情報を。かつ、わたしも沖縄生まれだから、沖縄在中の方たちに楽めるコンテンツを交えながら、オキマルでは防災意識を高めてもらいたいなと思っています。

2018年に、開発費用と周知のため台風災害Bot『オキマル』のクラウドファンディング立ち上げをきっかけに、沖縄県内の市町村が興味をもらってきたといいつつ、これからの構想を伝えていきます。

「台風の影響によって断水するんだよね」身近な暮らしを脅かす

*當銘大樹さん / ファシリテーター

構想の前に、モデレーターの當銘さんはオキマルの開発秘話を伺いながら、昨今の台風が暮らしに影響したことを伝えます。

當銘さん:
もともと、防災の観点で沖縄でも高台と呼ばれるエリアで住んでいます。過去に、台風での影響で断水したんです。『えっ〜』と思って、いろいろ調べてきて。

住居によって変わると思いますが、台風が接近に伴う強風によって、下水道内の循環に不具合が起きたんです。

だから、台風って津波だけではなく、命にかかる問題に進展するんだと実感したんです。

具志堅さんも、加えてこうした情報をLINEベースでお届けできたらと言います。

具志堅さん:
オキマルの情報は基本LINEからお届けできるように開発しています。LINEを起点に、わたし自身チャットボットのノウハウを持っているのでアプリをつくっていて。

たとえば、水道局や電力、火災、とくに暮らしに直結するところを網羅しているところです。でも、内容が固すぎてもいけないと思うので、YouTubeのような情報番組みたいな動画を配信したり、オリジナルコンテンツを伝えながらね。

きっと、防災というよりも、もっと根幹の……意識改革も同時並行に進めているんです

「台風のプロフェッショナルになる」沖縄発、日本と台湾へとつなげる

具志堅さんは、照れながらこれからの展望を伝えます。

具志堅さん
いままで、UIデザイナーとして主にデザインを担当してきて。そんなわたしに対して、『なぜ、(台風災害Bot)オキマルを作っているの?」と聞かれることも。

流行っているから、お金になるから、ではないと何度も伝えてきました。

沖縄に住んでいると台風が当たり前になりすぎて、危ないなと思っているんです。課題がわかっているなら、沖縄生まれのわたしが沖縄発で作っていけば、ゆくゆくは沖縄に防災領域で還元できるな、と。

あと、気象予報士や防災士の勉強しつつ、『災害のプロフェッショナル』を目指しています。

これから、渋谷ヒカリエにて行われる「SHIBUYA WANDERING CRAFT 2019 旅 展 -MICHI no EKI-」に出店して、オキマルをきっかけに沖縄の災害状況についても伝えていきますね。

渋谷の展示会では、オリジナルの「オキマルくんTシャツ」を着用しながら、まずは親しみを持ってもらえるように。防災という敷居の高さを解消していきたいと、これからの展望を語ってもらいました。

編集記


お二人のおはなしを伺いながら、台風の被害は必ずしも沖縄や日本だけではないなと思いました。昨今起きたNYの停電や東アジアの台風の被害、世界で共通課題と言えます。それを、自分ごとにしていくむずかしさを感じていました。

ただ、具志堅さんは来年以降、台湾から海外展開を考えていて、オキマルを広げていきたいと伝えてくれました。當銘さんも、ファシリテーターの技能を生かして「連携していきたいよね」とおっしゃっていました。

小さなことから一歩ずつと、オンラインとオフラインの掛け合わせこそが身近な課題解決と意識変容をもたらすきっかけになると感じる座談会でした。

台風災害Bot『オキマル』 クラウドファンディング実施中

當銘大樹さん / ファシリテーター

会場:おきなわダイアログ

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