UXデザインで語られる体験を3つに分類する。

📖 概要 - 体験をデザインすることが重要視されているが、「体験」の定義を明確に分類して、そのバランスや関係性を意識すると、UXを把握できる手がかりになる。


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UXの3つのレイヤ

デザインは体験からはじめる。

どうやって体験をつくり、体験を拡張するのか、ということをベースに「UXデザイン」に取り組むことが求められている。ただ、体験という言葉は漠然と幅広くて、文脈によって意味が曖昧になる。体験を3つのレイヤに分割して分類すると、明確にすることができる。

*現象レイヤ = UI
*文化レイヤ = コンテンツ
*社会レイヤ = コンテクスト

現象レイヤ = UI
「現象レイヤ」は、単純に人間の振る舞いを捉えていく領域で、認知心理学、知覚心理学、状況論、現象学の分野にある。現象レイヤの設計はUIデザインに直結していて、ディスプレイ上にどのように要素を表示すると、人にどう見えて、どう感じられるかを探る。

現象レイヤではそれぞれの価値観などを保留して、UIが人に与える知覚や行為そのものにフォーカスする。

文化レイヤ = コンテンツ
「文化レイヤ」は、民族性やカテゴリ分けした集団の行動スタイルを捉えていく領域で、クラスタ分析し、コンテンツを設計する。文化人類学や言語学の分野にあり、ユーザーそれぞれのライフスタイルの文脈から、PCやアプリの利用価値を探る。

ここではPCやアプリのコンテンツそのものを形作ることで、体験のストーリーが浮かび上がる。

社会レイヤ = コンテクスト
「社会レイヤ」は、社会的な位置づけや社会事情を捉える領域で、経済学や社会学の分野にある。価格や、流行、経済的な合理性などをマーケティング的な視点から設計することで、体験の印象を操作する。

ユーザとの間のコンテクスト(コミュニケーションを成立させる共有情報)を明確にすることで、体験のブランドを立ち上げるのがこのレイヤーになる。


見逃しがちな現象レイヤの重要性

UXデザインは「よく売れるように」という視点で考えると、ユーザー像を具体的にする必要があり、社会レイヤでの設計論となることが多い。

一方、現象レイヤは、「売れる」ための直接的なファクターとして語られにくい。だけど、現象レイヤの設計がうまくできていないと、使うのをやめることにつながりやすい。「モッサリ感」などのネガティブな現象レイヤでの感覚が、社会レイヤとの間にギャップを生むとユーザーに騙されたかのような感覚を与えてしまう。

逆に、現象レイヤの設計がうまくできていると、「触っているだけで気持ちいい✨」「サクサクすぎ😇」というような感覚を提供できる。その上で、文化レイヤでの満足度を満たすため、そのユーザーにとって価値のあるコンテンツを提供すれば、継続的な利用が期待できるようになる。それはブランドや流行としてだけでなく、本質的にモノとしてよくできていると認知され、アーリーアダプターの獲得に繋がる。

この3つのレイヤーのバランスや役割、その関係性を理解し意識すると、体験(UX)の全体像が把握できるようになる。


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参考

融けるデザイン ハード×ソフト×ネット時代の新たな設計論 | 渡邊 恵太 | 工学 の読書メモをベースにしたもの。



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