かとう【サ行】中

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「サ」ブ垢の【サ行】⇒散文/随筆にサッカー/蹴球の戦評【一言戦評】や作家/小説の書評【一言書評】 メインの【マ行】はこちら⇒https://note.mu/mekkemon2017

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最近の記事

酔いどれ小説【ベロベロノベロalc.4%】✖〈断片と枝葉➎〉

幼稚園から隣の区に越境して通っていた。 この話はその一文からはじめねばなるまい。 小学校から(途中で引っ越したがまた戻った)中学校まで隣の学区に通って、私立高校に入ってからは片道一時間かけて電車通学するようになった。 何が言いたいかと言えば、地元近所に友達が少ない、ということである。 実家の近所を歩いていても小学校や中学校の同級生と顔を合わせるようなことのない人生を送ってきた。 ただ一度の例外を除いて。 それは大学三年生あたりの頃のこと、夜の八時か九時くらいに地元の駅前

    • 求ム!〈元カノ会談〉~たまたま集まった女子会のメンバーがみんな僕の元カノだった〜

      死後の名声を望んだ芸術家は、果たしてどれくらいいたのだろうか。 生涯を通して自分の専門分野と真摯に向き合ってきたのだから、死を迎える前に評価を集める機会を作ってあげてほしい。 記事タイトルに似つかわしくない大それた導入をこの記事の論点(→自分)に置き換えると、こうなる。 生涯を通して自分の交際相手と真摯に付き合ってきたのだから、(恋愛における)死を迎える前に評価を集める機会を作ってほしい。 そう。僕が求めているのは 〈元カノ会談〉 である。 僕(アラサー晩年の男子)

      • 先輩女子と町中華で飲った話(断片と枝葉④)

        ひとつ上の先輩女子といえば、もうひとりサークルで仲の良い人がいた。共通点は近所で一人暮らしをしていたこと。 ちゃんと約束をした上で行ったんだかどうだったか、一度(あるいは二度?)、二人きりで夕飯を食べたことがあった。 三鷹の中華屋さんだ。まだあるのかな。 あった。 餃子は食べた。ビールも飲んだかな?たぶん飲んだ。 ラクロス部でゴリゴリ活動していた兵庫出身の先輩は、見た目はややギャルっぽかったけど医者の家系で育ちがよく賢くてスポーツ万能の才色兼備、負けん気が強く自信家

        • 吟味とチョイス(断片と枝葉③)

          選び取る、という行為が嫌いではない。 嫌いではない、というのは取り立てて好きだとも思っていないからだ。 もし好きだとしたらもっと選び取る機会を増やそうとウインドーショッピングに足を運んだりディスプレイショッピングに指を動かしたりするはずだが、率先してそういうことはしない。 選び取るべきタイミングが訪れた時に必要最低限より多くの時間をかけてしまうのだけど、時間を費やすこと自体は苦にならないから、嫌いではないのだろう、という結論に達した。 何を選び取るかといえば、買う物であった

        酔いどれ小説【ベロベロノベロalc.4%】✖〈断片と枝葉➎〉

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        • ロシアW杯2018【一言戦評】
          35本
        • 現代サッカー分析コラム
          2本
        • ブラジルW杯2014【一言戦評】
          29本

        記事

          友達でも恋人でもなく…(断片と枝葉②)

          御多分に漏れず大学時分は自意識をこじらせていた。今になって振り返ると「こじらせていたな」と思うけど、あくまで程度の問題で今もこじらせ続けているのかもしれない。 それでも今とは違う当時に何をこじらせていたかといえば、青春期だ。 一言で表すと、ソウルメイトをほしがっていた。 「ソウルメイト」と云うと性別は問わないように聞こえかねないが、できれば女子であることが望ましかった。女子であるほうが望ましかったけど、セックスが介在するほうが望ましいとは思っていなかった。「絶対に(なにも

          友達でも恋人でもなく…(断片と枝葉②)

          バスと先輩と控え室(断片と枝葉①)

          バスの目的地は思い出せない。 夜行バスだった気がする。きっとそうだ。 大学時代にサークルのみんなで乗った高速バスなんだけど、幾度かそういう機会があったからか、どれがどの時だったか記憶はごっちゃだ。 同期だけでなくひとつ上の先輩女子がひとりだけ(たぶん飛び入り)参加していて、同じ付属校出身だった僕が隣に座ることになった。 その人と二人だけでしゃべった記憶はあまりなかったが、いざ話したらお互い話好きなのもありすぐに打ち解けて盛り上がった。 高校が同じなら話題には事欠かない

          バスと先輩と控え室(断片と枝葉①)

          貯まらないポイントカード

          学生の頃に山陰地方を訪れた一人旅のハイライトは、最後の最後に寄った宍道湖のほとりのカフェ。 渡り鳥が飛来する時季だったのか、生憎の霧雨に濡れたウッドデッキの欄干には水鳥の大群が留まっていた。一斉に飛び立っては、大きな模様を描くように湖上を旋回してからまた舞い戻る。神秘的な生命の営みに見入ってしまい、コーヒーを二杯もおかわりした。 会計をすると、女性の店員さんにポイントカードを勧められた。 「あの…今から、東京に帰るんです」 やんわり辞退すると、彼女は優しく微笑んでこう言った

          貯まらないポイントカード

          地球の歩き方

          旅先では、あてどなく歩くことにしている。 目的地は定めずに、なんとなくつま先を向けた方へ歩み出す。 一歩、また一歩と異国の大地を踏みしめるたびに、吸い慣れぬ空気になじんでいくような気がする。 少し早まった呼吸と鼓動に歩調が重なったら、先へ先へと身体は運ばれていく。 日本の夏のような湿気こそないものの、9月のシンガポールは十分に暑かった。 気がつけばTシャツは汗でびっしょり、足の裏が少し痛い。 いつかも感じた暑さと痛み。 思わず立ち止まると、かつて同じように歩いた土地の

          【W杯一言戦評】決勝ラウンドまとめ②〈ベスト8ーベスト4〉

          ①ウルグアイ✖フランス「サイドのナンデスvsエルナンデスは別としてゴール前のスアレスvs"ウム手ィ手ィ"にグリーズマンvsゴディン&ヒメネスは互いに心を鬼にしての同僚マッチアップ。二枚カンバンについたキズにもユルガナイウルグアイは守備も攻撃への早い切り替えも早めに切った二枚替えの采配までアグレッシブに戦ったが、仏の顔は一度も見せずユニは白でもフルボディのワインのように重く濃厚な体当たりで呑み込んだフランスに"軍杯"」 ②ブラジル✖ベルギー「こちらも試合を通してやり合ったネイ

          【W杯一言戦評】決勝ラウンドまとめ②〈ベスト8ーベスト4〉

          【ロシアW杯一言戦評】第㉕日(決勝)

          フランス✖クロアチア「開催国ロシアにフランスとクロアチアも国旗が青・白・赤トリコロールの珍しい決勝戦。セットプレーにVAR判定のPK、ビッグネームにライジングスターと両軍とも役者が得点して世紀の凡ミスもあり、とW杯の醍醐味と今大会の特徴をまるっと詰め込んだ一戦。初戦から一貫して手堅く戦ってきた優勝チームの強みは、警告を受けたカンテをあっさり代えられる戦術眼と選手層。モドリッチMVPはFIFAの英断」

          【ロシアW杯一言戦評】第㉕日(決勝)

          【ロシアW杯一言戦評】第㉔日(3決)

          ベルギー✖イングランド「GLの1・2位の次は大会の3・4位と順位を決める戦いばかりの両軍は、前回対戦のフリがきいてベンチ・温存・ウォーマーだった2人が今度こそトップ・王様・スコアラー争い。かと思いきや"ハリ・ケイン"はもう風を起こせずチョコ・ワッフルメーカー"LUKAKU"も詰めが甘め。地力でも体力でも勝るベルギーに"スリー・ライオンズ"は牙が立たず、何が何でも勝ちにいく百獣の王様たる気高さも見せられず」

          【ロシアW杯一言戦評】第㉔日(3決)

          【ロシアW杯一言戦評】第㉓日(4強②)

          クロアチア✖イングランド「モドリッチの戻りが遅れてデレ・アリを後ろからトリップさせてのトリッピアーから試合ははじまり、後半15分で時間稼ぎをはじめてつけ入るスキをみせた"スリー・ライオンズ"は準決勝という慣れない舞台では借りてきた猫。サウスゲイト監督は見るも無策で攻め手を作れない上に"南門"どころか自陣正門も開けっ放し。ちなみにクロアチア代表の愛称はまさにそのまま夏場の3連続延長戦もものともしない"炎の男"たち」

          【ロシアW杯一言戦評】第㉓日(4強②)

          【ロシアW杯一言戦評】第㉒日(4強①)

          フランス✖ベルギー「決勝進出をかけた一戦は、誰得かといえば俺得でしかない"隣国対決"。ヒトラーならぬレーブの率いる独軍はいないが対岸から英国が睨みをきかす様相たるや、ちょうど映画になった21世紀版〈ダンケルクの戦い〉。"ダイナモ"はマテュイディ。パンチのきいたチョコ・ワッフルとフルボディな"青ワイン"の濃厚なマリアージュは"ウム手ィ手ィ"が手ではなく頭を振ってお会計。吉田麻也とネイマールを抱きしめてきたアンリは盟友デシャンと抱擁」

          【ロシアW杯一言戦評】第㉒日(4強①)

          【ロシアW杯一言戦評】第㉑日(8強②)

          スウェーデン✖イングランド「コロンビアとブラジルが去ったW杯で残された黄色い軍団の築く"ヴァルハラ"の城壁と"北欧myth神話"は先制点を取られてあえなく崩壊。GLで吹き荒れた"ハリケイン"旋風がロシアを離れて日本に上陸して猛威を振るっている模様がよくわかるNHKの中継画面。『避難しているサッカーファンがきっとW杯を観れてますように』が今年の七夕の願い事」 ロシア✖クロアチア「前のラウンドで120分プレーした両軍は後半から徐々に動きが落ち、延長突入でもはや限界に達した体力で

          【ロシアW杯一言戦評】第㉑日(8強②)

          【ロシアW杯一言戦評】第⑳日(8強①)

          ウルグアイ✖フランス「サイドのナンデスvsエルナンデスは別としてゴール前のスアレスvs"ウム手ィ手ィ"にグリーズマンvsゴディン&ヒメネスは互いに心を鬼にしての同僚マッチアップ。二枚カンバンについたキズにもユルガナイウルグアイは守備も攻撃への早い切り替えも早めに切った二枚替えの采配までアグレッシブに戦ったが、仏の顔は一度も見せずユニは白でもフルボディのワインのように重く濃厚な体当たりで呑み込んだフランスに"軍杯"」 ブラジル✖ベルギー「こちらも試合を通してやり合ったネイマー

          【ロシアW杯一言戦評】第⑳日(8強①)

          【W杯一言戦評】決勝ラウンドまとめ①〈ベスト16〉

          ①フランス✖アルゼンチン「ホーム・ユニ同士の一目でわかる優勝候補対決は、ファンの期待に違わぬシーソーゲームに。PKもラッキーゴールもあればスーパーミドルも打ち合った8強争い初戦にして極上のフットボール・ショーを締めくくったのは、"アルビ・セレステ"の宇宙人メッシに世代交代を告げた"トリコロール星雲"の新星エムバペ。GLの出来からは妥当で順当な結末」 ②ウルグアイ✖ポルトガル「技術に優れるラテン系チームながら、きっちり守って前線の破壊力に託すカウンターサッカーが売りの両軍。と

          【W杯一言戦評】決勝ラウンドまとめ①〈ベスト16〉