アベンジャーズ・エンドゲーム雑感 -キャプテンアメリカについて-

この記事はアベンジャーズ・エンドゲームのネタバレを多大に含みます。

未視聴の方はご遠慮ください。






いいかな?


では本題。全体の感想は最々々の最の高以外に言うことがない(10年分の思いが込みなので)から、キャラクターについて雑感をまとめたいと思います。
まず、特に思い入れの強くなったキャプテンアメリカについて。

戦う理由のないヒーロー

キャプテンアメリカは、アベンジャーズの中で一番戦う理由が薄い。

エンドゲームを観た後、全シリーズを見直して思ったことだがここまで義務感、言い換えれば正義感だけで戦い抜いたヒーローはアベンジャーズに限らなくても少ないと思う。何故なら、彼が戦う理由は70年前に置いてきてしまったのだから。

「敵を殺したい訳じゃない。ただ悪いことをしている奴らが許せない」ヒーローになる前のスティーブ・ロジャースは言った。許せないやつを許さない為に強化人間となり、ペギーと出会って愛を知り、幼い頃から支え合ってきた親友バッキーを失い、自らの命も捧げて国を守った。そこで終わっていれば彼は偉大ながらも、平凡なヒーローとして伝説になった。だが、運命がそれを許さなかった。

運命としか呼べない奇跡によって彼はアベンジャーズにキャプテンとして蘇った。蘇ってしまった。戦い続けなければならなくなった。スティーブロジャースを待っている人はだれもいないのに。

自分の人生を生きろよ

ナターシャはそう言った。
サムはそう言った。
トニー・スタークはそう言って、自分の人生を始めた(すぐ戻ったけど)。

でも、彼は自分の人生を始めなかった。「キャプテンアメリカ」という生き方しか残されていなかった。正確に言えば、「キャプテンアメリカというピースしかこの世界には残されていなかった」のだと思う。

ウィンターソルジャーでは、ナターシャに言われて隣部屋の女の子を誘ったり、ランニングで知り合ったサムの仕事場を見に行った。そこでもスティーブは一歩踏み出せず、戦いに向かって進んでいった。
エンドゲームでは、崩壊後の世界でカウンセラーようなことをしていたけどアレはサムがやっていたことをやっていたんだと思う。誰かの思いを背負うことでしか(もっと言えば誰かの真似をしていくしか)生きていけないからじゃないかと思うと辛かった。

バッキーにあれほどこだわったのも「選べなかった人生」がスティーブロジャースを呼んでいたからではなかったか。バッキーを殺せなかったのも、親友に自分の人生を生きて欲しかったからではなかったか。
純粋な正義感と心の底で淀む渇望が合わさった結果、シビルウォーでは現代の親友トニーと戦う結果になった。それでもキャプテンアメリカとして、最後までトニーを見捨てなかった。世界を見捨てなかった。

きっと「見捨てられない」のではない。「見捨てない」。何故なら彼は「スティーブ・ロジャース」だから。

「Together」

どんな困難にも、彼は共に戦うことを選ぶ。どんな困難でも彼は絶対に諦めないことを誓う。

でも崩壊後の世界で、ついにスティーブも疲れてしまっていたのかもしれない。カウンセラーをしていた彼は集まった人たちに「前に進まなければいけない。君たちは偉いよ」と励まし、「でも僕らは違う」とナターシャにこぼした。アベンジャーズという家族を守ろうとするナターシャにありきたりの励ましを投げてしまうほどに疲れていたのではないかと思う。

だからこそ、スコットの提案に強く食いついた。疲れてしまったスティーブは、また希望を持って戦えることに奮い立ったのだと思う。
そしてトニー・スタークが帰ってきた。自分の人生から、もう一度アイアンマンとして帰って来た。同時にキャプテンアメリカもまた戦場に帰ってきたのだ。

次代へ

サノスは「この星を滅ぼすのは楽しもうと思う」と言った。アイアンマンは倒れ、ソーも倒れ、3人の中で彼にだけ特に欠けていた攻撃力をムジョルニアで埋めても、その盾は砕けていった。

それでもキャプテンアメリカは、立ち上がる。砕けた盾を引き締め、立ち上がる。キャプテンアメリカとして生きるしかないこの世界でも、許せないやつを許さない為にスティーブ・ロジャースは立ち上がった。

そして、「アッセンブル」と叫んだ。きっとあの瞬間がアベンジャーズが、キャプテンアメリカが世界と「噛み合った」瞬間なんだろうと思った。あの瞬間だけは誰もが自分の人生よりヒーローとしての人生のためだけに生きていた瞬間だったと思うから。

戦いが終わり、彼は生き残った。トニーの、ナターシャの、居なくなったみんなのためにストーンを戻す仕事に向かった。
あの時、バッキーだけは何となく未来が見えていたのかもしれないと思った。「お前が居なきゃバカもできない」と言ったのはキャプテンアメリカではなく親友スティーブが帰ってくることが何となく見えていたんじゃないかと思った。

そして、スティーブロジャースは自分の人生を生きようと悟って、キャプテンアメリカを次代へ託した。世界に欠けたピースではなく、世界に必要なヒーローとして。



終わりに

読み返して二次創作か?ってくらいレビューになってない情緒な作文してしまったけど、「キャプテンアメリカ」というヒーローは僕の人生でも1.2を争う大好きなヒーローになりました。仲間想いで・仲間からも尊敬されてて・でも一番孤独で。スティーブロジャースは大好きなヒーローです。

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