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おこめちっくタイランド①~

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エッセイ4コマ。過去作品も読みやすいようにまとめてみました。とりあえず更新したら追加していきます。いっぱいになったらまたマガジン作るかもです。
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おこめちっくタイランド26

タイに住み始めてすぐの頃、ホームステイ先のオーナーママに来客があった。金髪ベリーショートの、ママと同じくらいの年齢に見える女性で、ママは「友だちだ」と言った。 ママの友人はダイニングテーブルに腰かけると、タイにめちゃくちゃいる宝くじ売りが持ち歩くような薄いアタッシュケースを開く。中には宝くじではなく宝石のついたアクセサリーが並んでいた。 「友だちに物を売るって感覚は日本人はあんまりわからないですよね。タイではふつうなんですよ。もちろん気に入れば買うし気に入らなければ買わない

おこめちっくタイランド25

最初に断っておきますが、これはタイ人であるところのセタコン先生から聞いた話をそのまま描いており、史実上正しいかどうかとか調べたりは一切していません。知的好奇心が乏しいな。 あの頃は今よりもタイに慣れていない頃なのに、すごくしっくり来たのを覚えてる。 ベトナム人の友だちだっていなくて働き者というのも完全にイメージなのに、なんだか納得してしまった。 実際にノンカイはベトナム料理のお店や屋台が多かったし、ムーヨーというベトナムの豚ハムも全国区で当たり前のように食べられている食

おこめちっくタイランド24

タイの一般的的な家は涼しさを重視して作られてる。からなのか、床が硬いタイルなことが多い。 ひんやりとしてて気持ちがいい。 エアコンが効いてるとちょっと冷たすぎるくらい。 そしてタイの家の中には蟻がたくさんいるんだけど、日本の蟻は逆になんで家の中に入ってこないんだろう。ここから人ん家だなとかわかるんだろうか。すごくないですか? 床に転がってCDをかけひとりでぶつぶつ喋りながらノートに文書を書き写す、というスタイルで自主勉する日々から一転。 ママのおかげで素晴らしい先生に出

おこめちっくタイランド23

お手伝いのサマイちゃんはどうやら、個別の「洗う」ボタンを押したらしかった。 「このボタンじゃなくてこっちの全自動ボタンを押すんだよ。そしたら最後までやってくれるよ。」と教えたら、また救世主を見るような目で見られた。 サマイちゃんの家には親族が集まっていて、この中の誰も説明書を読まなかったのかなと後から思ったけど、今はタイ人だもん読まないだろうなというのもわかる。 私はかつてパソコンの電源ボタンを押してシャットダウンするぐらいにはアナログな人間で、今も機械は苦手なので、なん

おこめちっくタイランド22

今なら「タイあるあるだね~」とすんなり受け入れられる、当時は戸惑ったこの「話が違う感」。 ちなみに特に理由は教えてくれず、よくわからないまま帰された。 出鼻を挫かれるとはまさにこのことではないだろうか。 それも今なら「まぁタイだしね。」で納得できるから、ずいぶんと馴染めたのかもしれないなと思う。 でもこの塾に行って良かったことがひとつだけあって、それがけっこう大きかったので、一日だけだったけど行って良かったと思ってる。 それはタイ文字から勉強しなさいと言われたこと。 「

おこめちっくタイランド21

*** タイで暮らすようになってはじめての美容院。 色んなことがはじめての経験だったと思う。 自分の頭部から聞きなれない音と感触が伝わってきて、背筋がぞわっとしたことや、 午後の日差しの中キョロキョロしながら走ったのを覚えてる。 以前マンガにも描いたけれど、私の母は美容師だったので、高校を出て東京へ行くまではずっと髪のことは母にやってもらっていて、東京へ出てからもなるべく帰省した時にやってもらうようにしていたので、私はあんまりよその美容院慣れしていなかった。 いや慣れ

おこめちっくタイランド⑳

お散歩してたら、偶然見つけたホームステイ先から歩いて5分くらいの床屋さん。 舗装されてない路地を少し入ったところにある、自宅の軒先であろうほぼ野外のお店。 今はもう見慣れたけど、外に当たり前のように置かれているソファも家の中に停めてあるバイクもこの頃はまだ新鮮で、何故かでかでかと貼られた牛丼の日本語のポスターまでおもしろかった。 あの辺りで日本の牛丼を食べたことある人はどれぐらいいるだろう。 鶏の鳴き声がして、草木のにおいが心地よい風で運ばれてくる。ぼーっと待ってるのも

おこめちっくタイランド⑲

この製品を食器として用いるのを初めて見たので、つい戸惑ってしまって、ママを不機嫌にしてしまった。 たしかに機能はザルと同等であり、たとえ普段は本来の使い方をされていたとしてもキレイに洗えば問題ない。 ないかな。ないよね多分。 ただまぁなんですか。 見た目ってけっこう大事かもな~~と思ったし、 タイ人のマイペンライ精神はすごいな~~と思った。 お蕎麦は美味しかったです。 気分的にね、ちょっとアレだったけど、美味しかったよ。 食事の用意をしてもらって文句を言うなんて言語道断

おこめちっくタイランド⑱

ずっと当たり前だと思っていたことが、一歩外に出るとそうではないことってきっとたくさんあって。 これもそのひとつだったりする。 日本の識字率って高いんだなぁ。読み書きができるって、ごくごく当たり前のことだと思ってた。 タイ人のことだからおおげさなに言ってるのかと思ったら実際に読み書きのできない子はいるみたいで、私立は別かと言えばそうでもないらしい。田舎だからだろうし、もちろん多くはないんだけど。 先生もそこをなんとかしようとか個別にはやってくれないんだろうね。親が危機感を

おこめちっくタイランド⑰

驚いてばっかりであれなんですけど、これにも心底驚いた。 要らないの?本当に? 私、見ず知らずのしかも外国人ですけど大丈夫ですか? これが田舎クオリティなのだろうか。 多分バンコクではあり得ない、ような気がする…(ちょっと自信ない) パスポート要らないなんて、身分を証明しなくていいなんて、いいんだ。いいの? 日本人だって言ってるけど嘘かもしれないし、悪いことしてどっかから逃げてきたのかもしれないのに。 「OKOK。いつから来るの?明日?」だって。 タイ語ができるのかどうか

おこめちっくタイランド⑯

甘ァ~~~~~い!! と思わず脳内で叫んだのは言うまでもない。 まさに脳天直撃。 はじめて自分でオーダーし、作る現場を眺めた時の衝撃。(あれなんかラッパーみたい) すごいというか、なんというか。 タイは本当に何でも思い切り良く投入する。 タイに来てすぐの頃は、フルーツシェイクにハマって毎日のように飲んでいた。 だって日本では贅沢の部類だったフルーツを目の前でざくざく切ってミキサーでガーッとしてくれて、100円もしないなんて天国じゃない?(地方価格です) そのうちにチャ

おこめちっくタイランド⑮

昔からモテる方ではあった。 誰かと一緒にいても私にばかり寄ってくる。 そう、 蚊とハエが。 実家のある秋田には蚊があまりいなかったし、ハエは食卓の上のハエ取り紙にくっついていたので、モテる体質であることに気づかなかったのだけど。 東京で通っていた専門学校の中庭で、決まって友人に「マイコといると蚊に刺されなくていいわ~笑」と言われるようになってはじめて、人より蚊が寄ってくることを自覚するに至りました。 タイのノンカイは自然が多いせいか蚊もものすごくて、蚊に刺されない

おこめちっくタイランド⑭

今までこれができる人を、3人見たことがある。 全部ノンカイでだけど、まだ出会ってないだけできっとバンコクにもいるんじゃないかな?w 見てるだけで奥歯がガタガタになりそうでした。 あとタイ人すごいな~歯が丈夫なんだなぁ~って。 これを見た日本人の友達が、栓抜きが見当たらない時にドアノブを回すと動く引っ掛かりの部分がかちゃっとはまる所でビールを開ける技を編み出して、人間て賢いなぁと感心したよ。 歯はちょっと軟弱な日本人には難易度が高いからね。 「足るを知る」とはこうい

おこめちっくタイランド⑬

トゥさんはものすごい跳躍力だった。 動体視力もなかなかのものなのだろう。 飛び回る虫を素手でつかむなんて、私にはきっとできない。イヤする気もないんだけど。 カメムシを見つけてからのトゥさんの動きが、とにかくすごかったのを強烈に覚えている。 こちらに来てから秋田の実家にいたような小さいカメムシを見ていない。 バンコクではカメムシ自体見ない。たまたまなのかわからないけど、ノンカイで見たのはでかくて緑っぽいカメムシだけでした。 まさかカメムシまで食べるとは思わなかったので、