混ぜるな危険 ~複合差別に潜む罠~


 複合差別というのは、つい先日出来た概念と言うだけではなく、ちょっと前の時代から出てきた概念であり、1985年ナイロビ世界女性会議のころから人権、民族、階層、障害、性による差別の重複が行われることによる問題を提起したことを発端としている概念である。

 差別的なものが絡み合っていることによって、より大きな差別に繋がっていくのではないだろうか?という懸念であり、差別における属性が色々なものが絡んでくることによって、より複雑になっていくというものの一つなのだろう。

 似たような話題ではあるが、私もかつて差別に関して色々な属性が絡んでくることによって、複雑な対立が生まれるだろうと言う懸念と予測を記事に書いたわけではある。

 しかしこの概念、私が想定したものと比べると複雑化する差別において、様々な属性同士がぶつかる者よりも、もっとおぞましいものを生み出そうとしているのではないだろうかという感が働いてしまったのである。

ここから先は

4,262字 / 2画像

¥ 200

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?