金沢は小京都ではないということを周知したい

石川県から離れて今年で3年目に突入する。
震災のこともあり、地元のことを知りたくて石川県を旅行している人の旅レポを読み漁っているのだけど、めちゃくちゃ出てくるのがこれ。

「金沢は小京都です」と言う断定した言い方の文章。

金沢は小京都ではございません!!!


いやこれはね、「金沢は小京都と呼ばれているらしい」とか「小京都っぽい雰囲気が」って書かれてるなら、勘違いなんだなーって思うんですよ。
だけど、

私情報通でございまして、金沢の良いところを紹介いたしますよ!金沢は小京都と呼ばれています(断言)

と言う書き方をしている自称情報通の人たちは、自信満々に書く前にその文章入力してる機械で一回調べなさい。

勘違いは問題ない。何がダメって、
情報を精査することなく、間違った情報を「正しい情報」として断定して書いていることがダメなの。

金沢は小京都ではございません。

では金沢は一体何なのか。

実は金沢も昔は小京都に加盟していました。
小京都とは、全国京都会議が定めた3つの条件をクリアしている地域が入会希望を出せば名乗れるものです。
しかし、金沢は2008年にこの全国京都会議を脱退。
「金沢が持つ歴史と文化を誇りを持って発信し、金沢の伝統文化を知ってもらうことを大切にする」として、京都ブランドに乗っかるのではなく加賀国、金沢という地域が紡いできた歴史や文化を誇りを持って発信することを主軸としたのです。
そもそも金沢は武家文化。公家文化の京都とは文化の根本が全く異なるのです。
それもまた脱退の理由の一つとなっています。

町屋や昔ながらの街並みはもちろん似ているところも多いですし、石川県や福井県は大阪・京都とは北前船の関係で文化の流入が多かったので当然文化が重なるところもあるのです。

しかし、金沢という地に実際に赴いた上で、"金沢は小京都です"と断言するのは「私は金沢の歴史や文化をこの目で見た上で何も理解してません」というクソダサ発言なんですよ。

金沢が小京都だったのはもう16年も前のこと。

今更チョベリバって言ってるのと変わりないんすわ。
金沢は小京都って言ってる人たちは「今の若者の間ではチョベリバ、デコメ、ナタデココが流行ってる!」と発信しているようなもんなんですよね。

別に勘違いしてるならそれでいいんですよ。
しかし、「情報発信」という体を取るのであれば情報の正しさはきちんと担保しなくてはいけない。
なぜならこうした底意地のわるいやつに「間違ってますよ」と指摘されるから。そして、間違った情報は伝播するから。

観光に行ったからといって、その地の正しい歴史や情報を知って帰れとは思っていません。

「情報を情報として発信するなら、調べてから書け」ということです。


何とかアドバイザーだの、情報何とかだの、何とかカウンセラーだの、本当にそれで収入を得られているのか存在するのかすら怪しい肩書を並べていかにもな発信をするトンチキな輩にこんな「真っ当な人間がやること」ができると思っていませんが、そんなふうに肩書を背負いたいなら情報を扱ってない一般人に「間違ってますよ」と突っ込まれない記事を書いていただきたいですね。マジで。


何度でも書きます。

金沢は小京都ではありません。
金沢は加賀国の文化と歴史の街です。

滋賀や京都で鯖が食べられるのは福井県若狭湾からサバを運んでいたから。京都でにしんそばが食べられてきたのは、北海道で水揚げされたにしんを北前船が運んでいたから。京都の文化と北陸は切っても切り離せません。

また、金沢の和菓子文化は加賀藩を中心とする茶道の浸透、武家文化由来です。

対して、京都の和菓子文化は天皇・公家への献上品や天皇・公家中心の茶道の浸透によるものです。

別に食べ比べて「なるほど武家文化の味だね」みたいにならんでいいんです。私だってわからん。

ちなみに現在小京都と呼ばれる地域は意外とたくさんあるようです。北陸は0。

小京都行きたいんやったらこちらに旅行しはったらどうやろか。
https://www.rurubu.travel/theme/syokyoto/?cid=1839115


このように、石川県民にとって「自分たちの住む県の歴史や文化を大切にする」ことはとても大事なので、迂闊に石川県民の前で「金沢は小京都ですよね」とは言わないようにしましょう。
というか普通に、自分で名乗ってない限りここって○○っぽいよねって褒め言葉にはならないと思うんだよな。わかんないんだろうけども。

この記事が参加している募集

ふるさとを語ろう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?