見出し画像

【ただいま物書キ修行中】「運」がいい話/書活62日目

夏に娘とプラネタリウムデートをした。場所は、有楽町マリオンにある「プラネタリア東京」

ちょうど目当ての時期に「星空の夏祭り」と題したイベントもやっていたので、ここに決めた。


イベント会場は、本来はプラネタリウムを見せるスペースだったので、常に星空と花火があがる演出の映像。


ずっといられそうなくらい楽しい空間だったが、無料イベント。しかも、夏休み期間だったこともあり、大盛況。


星空をイメージした屋台風のおやつを購入するのに列がいくつもできていて、何がどの列かわからなかった。


とりあえず様子を見たくて、どこか座れないかと場内をくるりと見渡す。そこにはリクライニングチェアが並んでいて、どの椅子も人が座っていめ、人工の星空を楽しそうに眺めていた。


諦めて会場をあとにしようとした時、娘がくじ引きをしたいと言ってきた。2回引けて500円、良心的な値段だ。


それに今日は、娘のリクエストにはなるべく答えると決めてきていた。彼女に500円を渡してそれを眺める。3等のゼリーを当てた。


すぐに食べたいと娘が言うので、再び空いた椅子がないかと眺めるとちょうど、席を立った女の子二人がいたのですかさずそこに座る。


雰囲気を味わいながら、会場を眺めているとくじ引きのお店が妙に気になった。「ママも行ってくる!」と伝えて、500円を握って列に並ぶ。


ちょうど若いカップルの子たちが、浴衣姿ではしゃぎながらくじを引いていた。どうやら当たらなかったらしいが、それでも二人、特に女の子の方が楽しそう。照れ笑いをした男の子のことを愛おしそうに眺める。景品を受け取って、移動した。


次は私だったが、列を誘導するロープがわかりづらかったせいもあるだろう。小学生の男の子と合致した。


「ごめん、おばちゃん並んでます。」そう伝えると彼は紳士的「ああ、すみません。どうぞ」と手のひらをそっと前に出して前に行くよう促してくれた。


その妙に大人っぽい振る舞いに、大人げなかったかなと一人誤魔化し笑いをしつつ、係の男性に500円を渡した。


「2回ひいてください」と決められたセリフを言うとくじの受け皿を見ているような見ていないような表情になった。


今回のくじは回すタイプ。
ガラッと回す、小さな玉がでる。会場内は星空が映し出されてるため、なんだか薄暗い。だから色がわからなかった。


「あ、当たりです!あ、今回はじめてですよ」


何が!?ちょっとくぐもった声の係員で何を話したのか聞こえなかった。


「ごめんなさい、何が当たったんですか?」
「1等です、プラネタリウム無料招待券です」


なんですと!?
この感情の置き場を本当なら娘に送りたいが、あいにく彼女は当てたゼリーを堪能中で気づかない。思わず後ろを振り向くと、先ほどの紳士な小学生男子が「やりましたね」と言ってくれた!「やりました!やりました!」


くじに当たった。知らない小学生男子に祝われた。係の人も当たりが出て、なぜかほっと一安心をしたような表情をしていた。


私は運がいい!運がいいぞーっと言う気持ちを増大にさせて娘に報告しに行った。

よろしければサポートお願いします!いただいたサポートはクリエイターの活動費として使用いたします。