打ち切り漫画家、打ち切りを語る

どうも、伝説の打ち切り漫画家・松井勝法です。

肌寒くなってまいりました。
皆さん打ち切られてなどおりませんでしょうか。


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今回はご無沙汰しておりました新時代漫画家生存戦略『打ち切り漫画家2.0』についてお話させていただきます。

改めまして、ぼくは今まで打ち切りを4回経験しています。

『ロケットでつきぬけろ!』2000年10週打ち切り 全1巻
『NUMBER 10』2002年10週打ち切り 全1巻
『ハナカク』2013~2015年 全4巻
『天竜牌』2016~2017年 全3巻

作っては打ち切られ、作っては打ち切られ、まるで波打ち際で砂山を作るかのように打ち切られてきました。

なぜぼくの漫画がこれだけ打ち切られてきたかと言いますと、理由は簡単で、単行本が売れなかったからです。

知ってましたか皆さん。
漫画って単行本が売れないと打ち切りになるんですよ?

とは言え、全く売れなかったのかというとそうでもなくて、出版社の採算に見合うほど“たくさん”売れなかったというのが正確な表現になります。

本は“たくさん”売れないと、売れたことにはならない

漫画は「商品」なので当然ですが、単行本が“たくさん”売れないと出版社をはじめそれに関わる人たちの利益になりません。

出版社の採算に見合わなかった作品たち

なぜなら単行本の制作にはコストがかかっているからです。

そのコストを回収しつつ出版社が利益を上げるためには、単行本が“たくさん”売れなければいけないのです。

そして、そのコストのうちの一つが漫画家の原稿料です。

漫画家は出版社から原稿料という名の“制作費”をもらって漫画を描いています。

それは出版社にとって、単行本(商品)を作るための漫画家に対する先行投資でありコストです。

例えば原稿料が1ページ10000円の作家なら
10000円×192P(1巻分)=192万円
20000円の作家なら
その倍の384万円もの投資を、単行本の発売前(コスト回収前)にしているわけです。

なので出した単行本が“たくさん”売れなければ、それは不良債権でしかないので、当然出版社はその商品(単行本)の生産をストップさせます。
つまり連載を打ち切るわけです。

漫画家も原稿料という“制作費”が無くなれば生活が立ち行かなくなるので、その作品を描くことをやめてしまいます。

そして残念なことに、この段階で応援していた読者さんも採算に見合わない数ということで、突然のお別れとなります。

これが打ち切り漫画が産声を上げるまでの過程です。

そしてここ数年の業界は、媒体の乱立と作品数の増加に伴い打ち切りベビーラッシュでもあります。

でも、これはしょうがないんです。

単行本が“たくさん”売れないと成り立たない仕組みなんですから。

加えて単行本は価格が安価で一律なので、とにかく数が売れないと儲けになりません。薄利多売のビジネスなんです。

漫画家はこの仕組みの中で漫画を制作している以上、“たくさん”売れる漫画を描かなければいけないのです。

漫画が“たくさん”売れないといけない仕組みの外側へ

もちろん漫画がたくさん売れるに越したことはないのですが、その確率が一昔前に比べて著しく低下しているという現状もあります。

読者が雑誌だけから作品を知り得ていた時代が終わり、スマホの登場とともに雑誌の部数が減りブランド力も低下、ユーザーが分散し多様化してしまい、それでいてコンテンツだけは増加、その中で例え良質な作品を描いたとしても、そもそもその存在すら認知してもらえないという状況が生まれました。
知られていなければ、手にしてもらいようがありません。

しかし、そんな状況下でも単行本は未だに一昔前と同じく“たくさん”売れなければいけないのです。
それも1巻限りの一発勝負、短期決戦で。

もともと漫画は博打みたいな商売でしたが、今はさらに勝算の極めて薄い大博打となってしまいました。

この時代に売れるって本当に大変なことです。

でも、時代や環境のせいにしていても仕方がありません。
ぼくたちにできることは、売れると信じてひたすら面白い漫画を描くだけです。
やるしかないです!
ぼくもがんばります!
皆さんもがんばりましょう!


















…っていうマインドは殊勝ではありますが、ビジネスの観点でいうとただの思考停止ですよね(笑)

ぼくが『打ち切り漫画家2.0』と銘打って挑戦しているのがまさにここで、必ずしも単行本がたくさん売れなくても、漫画制作が続けられる仕組み作りを目指しています。

改めて漫画が打ち切られる理由を振り返りますと、まず単行本がたくさん売れなかったからです。

単行本がたくさん売れないといけない理由は、漫画家に先行投資(原稿料)をしている出版社の採算に合わないからです。

そして、打ち切られた漫画家が描くのをやめてしまうのは、その原稿料が入らなくなるからです。

ここで重要なのが、漫画家が作品を描くのをやめてしまう理由です。

漫画家は何か身体に支障をきたしてペンが持てなくなったとか、アイデアが枯渇したとかそんな理由で漫画を描くのをやめるのではないのです。

原稿料という収入が無くなるからなんです。

つまり問題は漫画の制作費。
“お金”だったんです。

逆に言うと、このお金さえあれば漫画家は誰かに打ち切られることもなく、その作品を楽しんでくれる読者のために漫画の制作が継続できるのです。

原稿料に代わる収益を生み出すことができれば…

原稿料に代わる収益があれば、漫画家は作品を描き続けることができます。

では、どうやってその収益を生み出すのか。

ぼくがこの1年間で『奥さんとぼく』というコンテンツを発信し続けブランディングし、始めたマネタイズがこちらです。

・サイト運営 
https://okuboku.com/
・ネットショップ 
https://shop.okuboku.com/
・LINEスタンプ 
https://store.line.me/stickershop/author/504190/ja

インスタのフォロワー数は3万人を超えていますが、正直どれもまだまだ自立できるほどの収益にはなっておりません。

でもどれか一つがドカンと大きくならなくても、トータルで原稿料に代わる収益になれるよう、今はコツコツ積み重ねを継続しています。

原稿料一本に依存するより、収入源が分散していた方がリスクヘッジにもなります。

他にも今後計画しているのが、このnoteさんをはじめとしたダイレクト課金プラットフォームを利用したオンラインサロンやファンクラブの運営です。

読者さんから直接お金をいただいて、有料コンテンツをお届けする仕組みです。

電子書籍も個人で販売してきます。
仮想通貨も始めます。

『ハナカク』に関しましては、来年以降にクラウドファンディングを計画しています。
そのために今は新規ファンの掘り起こしを全方位投稿で進めています。
(『ハナカク』全方位投稿については、また改めて書きます)

noteに訪れるようなユーザーさんはとっくにご存じでしょうが、クラウドファンディングとは簡単に言うと予約販売です。

『ハナカク』の続編を作りたいから、読みたい人は予約でご購入くださいっていう形式で、先に制作資金を募る仕組みですね。
プラス金額によっておまけ(様々なリターン)も付いたりします。

単行本にする場合は、これで受注生産にすることもできます。
在庫も抱えずに済むわけです。

その際には、ぜひご購入いただけましたらうれしいです(*^_^*)


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ここまで読むと、なるほど松井勝法は原稿料に頼らず個人のマネタイズで自立しようと考えていたのかって思いますよね。

でも、そんなぼくもまだまだ原稿料をいただいて漫画を制作する商業も続けて参ります(笑)

来年春開始予定の新連載です。
二人の女の子のルームシェア・ストーリーです。

先述してますが、今の時代に漫画が売れるっていうのは本当に難しく、運任せな要素が多分にあります。

面白いことはもちろん大前提ですが、漫画のポテンシャルだけでは不十分で、そもそも読者さんに届くこと、知ってもらうこと、つまりプロモーションが作品の生死を分けます。

なのでぼくは、今後この漫画の宣伝を引くぐらいしていきます。

Twitterで毎朝イラストを上げる企画を考えてます。
サイン色紙をプレゼントするRTキャンペーンもガンガン行っていきます。
作画配信もバンバンします。
単行本が出たらサイン本の販売もします。

漫画家イチ自立と自身のメディア化を目指してる男が、漫画家イチ商業の連載の宣伝もしていきます。

だって原稿料をいただいて漫画を描くんですから。

ぼくに先行投資をしてくださる出版社さんに貢献できるよう、精一杯がんばって漫画を描きます。
そして、そんなぼくをどこかで見かけましたらシェアして応援していただけますとうれしいです。

打ち切り漫画家のもう一勝負と、従来の仕組みから脱却するための新時代漫画家生存戦略『打ち切り漫画家2.0』

どうぞ今後とも、ぼくの活動を見守りいただけましたら幸いです。


勇気の物語『ハナカク』がAmazon kindleストアで無料配信中です!
人気に応じて分配金が支払われますので、無料ダウンロードしていただけましたら続編制作に向けた心強い支援になります!
全巻にKindle版でしか読めないおまけ4コマも収録してます☆
ぜひともよろしくお願いいたします(*^_^*)

【松井勝法/まついかつのりコンテンツ】
いろんな“自分”をいろんなカタチで発信しています。

✿情報発信 #漫画家イノベーション
https://twitter.com/MATSUKAKU
✿コラム『打ち切り漫画家2.0』
https://note.mu/okuboku
✿『ハナカク』素材無料ダウンロードページ
https://matsukaku.booth.pm/
✿奥さん推しコミックエッセイ『小動物系奥さんとぼくの小さな日常』
https://www.instagram.com/matsukaku/
✿ブログ『奥さんとぼくのWEBサイト』 
https://okuboku.com/
✿LINEスタンプ『奥さんとぼくのスタンプ』
https://store.line.me/stickershop/author/504190
✿グッズ『奥さんとぼくのショップ』
https://okuboku.thebase.in/
✿いまトピ出張連載『奥さんとぼく』
https://ima.goo.ne.jp/column/writer/118.html


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読んでいただきありがとうございます。 こちらからのサポートは、ありがたく『ハナカク』続編の制作資金とさせていただきます。 よろしくお願いいたします。

ありがとうございます!奥さんも喜びます(*^_^*)
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打ち切り漫画家2.0

伝説の打ち切り漫画家が考える新時代漫画家生存戦略。 目指す未来は“個”をコンテンツ化し“個”をメディアにする。 現在進行形の施策とその実証をここに書き記します。
2つのマガジンに含まれています

コメント2件

打ち切り漫画が産まれるというパワーワードにハッとしました!
読んでいただきありがとうございます!😊
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