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1億円あればセミリタイアは可能か?

先日このような記事を見かけました。

 仕事やめたい40歳 遺産1億円で人生逃げ切れる?
 (NIKKEI STYLE)
 https://style.nikkei.com/article/DGXMZO27075580Z10C18A2000000

 私は実務でこの記事のように、40歳でアーリーリタイアをしたいといった相談を受けたことは今のところありませんが、退職時に保有する金融資産でリタイア後の人生が成り立つかの診断を希望される方は多いです。

 その場合、将来シミュレーションである個人キャッシュフロー表を作成して診断するのですがその際に特に重要な情報は以下の3つで、これは人それぞれ異なるものです。

「希望の生活(費)」
「運用利回り」
「年金受給額」

 逆に言えば、これらの情報があれば、自分自身で将来シミュレーションをすることが可能です。

 そこで、面白いサイトを見つけたのでご紹介します。

「今ある貯金だけで生き延びていこうとした場合、貯金が何歳まで保つかを試算します。」
 http://fukuoka.jpn.org/befree/index.cgi

 このサイトでは、
年齢、現在の貯蓄額、その利回り、年間支出額、年金、インフレ率
を入力すれば、現在の貯蓄額で何歳まで生活可能かを診断してくれるものです。

 入力で躓く人がいるとしたら、「年金額がわからない」ケースが多いのではと思います。

 そういった方は、いえ、そうでない方も

ねんきんネット(日本年金機構)
https://www.nenkin.go.jp/n_net/

こちらに登録をおすすめします。

 「ねんきんネット」はこれまでの年金記録や、将来受け取る年金の見込額などご自身の年金に関する情報をパソコンやスマートフォンから、いつでもどこでも確認できるサービスです。

 簡易シミュレーションでは、現在の仕事を60歳まで継続した場合、受け取れる年金額はいくらか?

などをすぐに調べることが可能です。

 ねんきん計算で複雑なのは、厚生年金の場合、受け取る給与額(標準報酬月額)によって将来の受給額が変化するところなのですが、ねんきんネットではリアルタイムで自分の標準報酬月額が更新されていくので、より正確な試算が可能です。

 最近はマネーフォワードとの連携までしています。

 ねんきんは皆さんの大切な将来資産なので、より正確な数字を把握するために、ねんきんネットに登録しましょう。

 さて、話を戻しますが、40歳、遺産1億円の例を試算してみましょう。

<共通条件>
 年齢:40歳
 現在の貯蓄額:10,000万円
 年金受給開始年齢:65歳
 受給年金月額:7万円
 年間インフレ率:1%
 受給年金額のインフレ連動:「しない」

※受給年金月額は22歳~40歳まで厚生年金、その間の平均年収400万で想定

<年間支出額360万円・年間利息0%>
 65歳で赤字転落

<年間支出額360万円・年間利息3%>
 83歳で赤字転落

<年間支出額240万円・年間利息0%>
 79歳で赤字転落

<年間支出額240万円・年間利息3%>
 100歳以上黒字、逃げ切り可能?

 上記のような結果になりました。

 試算結果で明確なのは、保有金融資産を有効活用していくことが必須となりそうな点。
 また、決して豪遊は出来ず、慎ましやかに生活をしていくことが必要であることがわかります。

 支出の管理・資産運用などが得意な人は良いと思いますが、そうでない場合、結構難易度高いと思いませんか?

 それよりも、若い内に1億持ったら自己投資して、好きなことで継続的に稼ぐチカラを身に付ける方が難易度も低く、将来も安定すると思うのです。

 例えば、冒頭の記事の男性はゲームが大好きということですが、好きなゲームをネタにブログを書いたり、ゲームプレイを実況配信をしたりそれらをマネタイズし生活している方は普通にいますので、そういった方向を目指す方が人生楽しいのではないかと思うのですがいかがでしょうか?

 金融資産を有効活用することは重要です。

 一方で同じくらいに重要なのは、楽しく長く働く事だと思っています。
 楽しく長く働く為には、好きなことを仕事にする事がポイントです。

 昔に比べるとその手段は明らかに増えていると思います。

「そんなことは無理だよ」と思考停止せずに、1度お風呂の中などでゆっくり考えてみてはいかがでしょうか?

(梶原)

プロフィール:梶原真由美(かじはら まゆみ)
ファイナンシャル・プランナー
日本ではまだ珍しい顧問契約制のFP会社である
株式会社マネーライフプランニング所属。
1976年千葉県生まれ。40歳で出産、
12歳年下の夫と長女の3人家族。

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)

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