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THE BOY FROM OZ を観たよ

※私はただの芝居好きなオタクです。
※ブログは個人の感想です。
※ネタバレがあります。

The Boy From OZ@シアターオーブ6/28ソワレ観にいってきました!めっちゃ良かった。

信頼と実績の俳優陣、舞台上での豪華な生オケ。
「ミュージカルを観た!!!」って思いました。

チケットを取ろうと思ったのは5月の末、Aぇ! groupの「PRIDE」をYouTubeで見たのがきっかけです。末澤さんが歌ってるの聞いてなんかすごいなこの人と思って。それまでにもちょいちょいAぇさんを目にしてはいたので「そういえばミュージカルやるって言ってたな」って思い出して、検索してOZの公式サイトに飛びチケット確認してまだ残ってるじゃんスケジュール都合つくじゃん、ってこれ1分ぐらいの所業。オタクって怖いですね。気になるレベルでチケット取っちゃうもんね。

かくして、三階席ではあるけれどチケットを確保したのでした。

そう、目当てはあくまでも末澤さんだったのですが、本当に作品として素晴らしかったです。

以下つらつらと感想を述べます。

舞台の上で生きる坂本昌行

坂本さんのミュージカルを一度だけ観たことがあります。2011年のZORO THE MUSICAL。その時は知り合いが出ていたのでチケットを取ってもらっただけで、坂本さん自身には全然興味がありませんでした。この人うまいな!!と思ったけど、まあなんか物語もそんなに刺さらなくてそれきり。

それがまあどういうことでしょう、今回、とっても胸を打つお芝居で感動しました。歌はもちろんなんだけど、ミュージカル俳優としてぴったりの役だったし、舞台の板の上で「生きて」いた。ずーーーっと出ずっぱりで。水飲めたりするのかな、心配になるレベルの出ずっぱりです。

一番びっくりしたのが、グレッグが死に、自分自身もエイズに罹ったことが分かった後、ライザが会いにくる場面。やつれている設定なのですが、本当に痩せていた。つい少し前まであんなに元気だったのに!病で何キロも体重が落ちてしまった、のを舞台上で完璧に見せていた。凄いと思いました。

そして最後の場面で歌い上げる「Once Before I Go」。ピーターは劇中とおして、軽妙で洒脱で、はぐらかした物言いをすることが多い人物でしたが、最後の最後で自分の過去と向き合い、自分と他人を肯定して肯定して賛美して終わります。とても力強くて心に響くものでした。うまかったー・・・。泣きました。

生きてきたことが分かる末澤誠也

観に行かれた皆さんが書かれているように、普段とは違う低い、でもよく通る声。歌も得意の高音を封印して、抑えて抑えて「伝える」ことを意識されていたように思います。Aぇさんのライブ映像から想像していたものとはまるっきり違ってましたけど、とても素敵でした。

出てきて少し話しただけで、グレッグがどのような人物か分かりました。
勘のよく働くプライドの高そうな感じ、その整った容姿や小柄な体型から下に見られたり嫌な扱いを受けたこともあるであろうこと、テキサスで生まれ育って自分がゲイであることに気づいた時は苦労したのではないか・・・など想像をかきたてられる、一見危うくて、かつ魅力的な人物に見えました。
これまで他のキャストさんでやっていたわけなので、こういう印象を持つのは末澤グレッグだからこそなのかもしれません。

ソロの「I Honestly Love You」ももちろん好きですが、ピーターと歌う「Love Don’t Need a Reason」の方が苦しくて切なくて良かったな。ふたりのハモリをもっと聞きたかったです。ピーターと抱き合った時の離れ難い表情、からの虚無。うわーん・・思い出しても泣く。

1980年代当時、HIVウィルスに罹るということは即ち死であったのですよね。間違った知識の蔓延や偏見などもありました。今でこそ薬などの治療が進み発症を抑えることができるようになりましたが、当時の絶望感たるや今の自分が想像することも難しいです。それを表現しきった二人に感動しました。

パンフレット(2,500円もするんですぜ)の内容が充実しているのですが、ちょっと面白いなと思ったのがこの写真撮影時には末澤さんが、末澤さんだけが役の顔になれていないことです。この時からたくさんお稽古して頑張ったんだろうな。あとなぜかフォトステッカーセットも買ってました。ほんとなんでか分かんない。

3人の女たち

このミュージカルには3人の女が出てきます。ジュディ、ライザ、母のマリオン。3人とも本当に素敵で素晴らしかった。

ジュディ役の鳳蘭さんは、私は宝塚OGのコンサートでしか生で拝見したことがなくて、その時には(けっこう前ですけど)タイミングが悪かったのか何なのかあまりエネルギーを感じられず、あれどうしたのかしらと思っていました。今回拝見して、あまりのオーラに圧倒されました。年齢確認したけど信じてない。

ライザ役の紫吹淳さんも、宝塚では三番手ぐらいだった時の記憶しかなくてトップだった時に拝見していないので、今回の役でびっくりしました。何なのね、あのプロポーション。

マリオン役の今陽子さんには一番泣かされました。最後の場面でリトルピーターが抱きつくとこ!からの「泣かないで」。うまいなあ。

その他

・歌舞伎とか宝塚とかだと役者が出たタイミングで拍手をするのですが、それがなかったのでアレレと思いました。異なる文化、ムズカシイ。

・二幕の良いシーンでめっちゃイビキかいてたやつ許せん(誰か知らないけどあんなに音楽がめちゃ鳴ってる舞台で寝てしまうかつ結構長い時間大きなイビキをかいてしまうって、何か重篤な病気にでも罹っておられるのではないかと心配してしまいました、逆に)。

・ピアノの上に乗って踊ったりするシーンが何回もあるんですけど、そこはちょっとソワっとしました。フェイクだと分かってるけど、物は大切にしたいタイプの人間なので。

・ロケッツの皆さんすごく好きです!(あの中に末澤さん入ってないのかなって思って探したのは内緒です)

最後に

ピーターとグレッグのキスシーン、オペラでガン見してたけど席が下手側だったので、グレッグの頭しか見られませんでした!再演があったら上手側のお席取りたいです!!!!以上!

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