見出し画像

why

なぜ、仕事をしていますか。

「なぜ」は誰にでもある

社員が5人程度の学生ベンチャーに大学院を中退してジョインし、エンジニアとして、生まれたてのクラシルを開発し、たった3年で組織は100人規模になり、クラシルは1,900万DLを超えました。役割もエンジニア→エンジニアマネージャー→プロダクトマネージャー→ジェネラルマネージャー→VP of Productと目まぐるしく変わっています。この激動の日々の中で、「なぜ、自分はここで働いているんだろう。これからどこまで走っていくんだろう。」と日々葛藤し続けています。

ベンチャーは人材の流動が激しいです。delyも例に漏れず、この3年で、多くの人が仲間に加わり、その多くが卒業していきました。長くいたメンバーが旅立つ度に、新しいメンバーが入ってくる度に、自分がずっとここにいていいだろうか、自分がやるべきこととは何か、常にチャレンジしているか、環境に甘えて成長への渇望が途絶えてないだろうか、この組織の外で僕はどのような活躍ができるだろうか、この組織で僕は何を身につけこの先を生きていけるのだろうか、と常に考えさせられます。

なぜ、働いているのか。この問いを考え抜いた先に、自分の役割は終わったかもしれない、やはり自分はもっとスモールなチームでカオスの中の方が好きだ、自分がいてはいけないのかもしれない、と答えを出して卒業していく人もいると思います。成長がないならば、変化をせず居続けることがリスクの場合もあります。

「なぜ」に葛藤したことが何度もあります。しかしながら、全てが上手くいかず、苦しい時、心が折れそうな時、最終的にはこの「なぜ」という答えに助けられてきた気がします。自分の中に「なぜ」を持っておくことで、外界に依存せず、自分の内発的な動機付けに気がつき、また前に進むことができると思います。

サイモン・シネックとマーク・ザッカーバーグ

好きな話を二つ引用します。「サイモン・シネックのゴールデンサークル」と「マーク・ザッカーバーグのハーバード大学でのスピーチ」です。

Appleの製品を普通に言うとこうです。

「私達は素晴らしいコンピューターをつくっています。ファッショナブルなデザイン、操作はシンプルでユーザーフレンドリー。どうですか?」

しかし、これだと誰も買ってくれません。Appleが成功した理由はwhyから始まっているからだとサイモン・シネックは言っています。

私達は世界を変えられると信じています。そして常に既存の考え方とは違う考え方をします。世界を変えるために美しいデザインかつ機能性に優れた製品を世に送り出そうと努力するうちに、このような製品ができあがりました。おひとついかがでしょうか?

これはAppleがスティーブ・ジョブズを呼び戻し、復活の狼煙をあげるべく全世界的に打った有名なCM「Think Different.」にも表現されています。

このゴールデンサークルという概念は、会社、組織、個人、そしてプロダクトまで広く使うことができると思っています。

次に、マーク・ザッカーバーグが母校ハーバード大学で行った有名なスピーチです。

whyという部分だけを引用します。

今日、僕は「目的」について話します。しかし「あなたの人生の目的を見つけなさい的なよくある卒業式スピーチ」をしたいわけではありません。僕らはミレニアル世代なんだから、そんなことは本能的にやっているはずです。だからそうじゃなくて、今日僕が話したいことは、「自分の人生の目標を見つけるだけでは不十分だ」という話をします。僕らの世代にとっての課題は、「”誰もが”目的感を人生の中で持てる世界を創り出すこと」なのです。

ジョン・F・ケネディがNASA宇宙センターを訪れた時のエピソードで僕の大好きなものがあります。ホウキを持ってる清掃員さんにケネディが何をしてるのかと訪ねたら彼はこう答えました。「大統領、私は人類を月に送る手伝いをしているのです」。

「目的」というのは、僕ら一人ひとりが、小さな自分以上の何かの一部だと感じられる感覚のことです。自分が必要とされ、そしてより良い未来のために日々頑張っていると感じられる感覚のことなのです。「目的」こそが本当の幸福感をつくるものなのです。

あなたがたは、このことが特に重要な時代に生きています。僕らの両親が卒業した時には、「目的感」は仕事や、教会や、コミュニティがたしかに与えてくれました。しかし今は、テクノロジーと自動化技術が沢山の仕事を消し去っていっています。コミュニティへの所属感も消えてきている。多くの人が取り残され、抑圧されていると感じ、その空白感をなんとか埋めたいとあがいている。

「目的」こそが本当の幸福感をつくるもの。この「目的」は言い換えれば、「なぜ」と結びつくと思いました。本当かどうかは定かではないですが、ジョン・F・ケネディのエピソードにもあるように、清掃員は「人類を月に送る」という目的で、清掃というのは手段というのも「目的感」だと思います。

なぜ、仕事をしているのか

結論から書きます。

小学校の頃の夢はノーベル賞 (化学) を受賞すること

ノーベル賞は人類を進歩させ、人の役に立った偉大な人に与えらえる

化学やインターネットは手段だと気がつく

多くの人の役に立つことしたい、生活をより良くしたい

インターネットはそれに適していて、生活に近しい領域で仕事をしている

僕の「なぜ」は「多くの人の役に立つことをしたい、この時代に人類が日常生活の中でより幸福を感じれるようにしたい」です。そして、how (どのように) が大好きなインターネットを通して、より生活に近しいドメインでプロダクトを開発することです。もっと突っ込んで、what (何を) はクラシルというレシピサービスを通して食の課題を解決したいとなると思います。

このwhyの部分には、誰とどこでという部分が含まれていません。だからこそ、全てが上手くいかず、苦しい時、心が折れそうな時、whyに立ち返ることで、自分がやりたかったことを取り戻し、また内発的な動機付けで立ち直ることができます。

僕はインターネット、プログラミングが大好きです。なので、できればそれらを通して本質的な価値提供をしたいと考えていますが、whyに立ち返れば手段はなんでもいいなと思っています。そのため、今はインターネットの世界にどっぷり浸かっていますが、将来的には違った領域にもチャレンジしていけたらいいなとも思っています。

「なぜ」を考えることは重要だ

日々走り続けていると、whatだけに固執して、それを手放せなくなってしまうことがあるような気がします。それはとても勿体無いように思います。会社も組織も、役割もプロダクトも全てが流動的であり、諸行無常です。いずれは移り変わっていくものです。そして、「なぜ」も長い目でみれば変わっていっていいものだと僕は思っています。変化が激しい世の中、インターネットに接続すれば多様な価値観に触れ、常に思考がアップデートされるのは必然かと思います。

「なぜ」は原動力です。自分だけの「なぜ」と向き合い続けることは難しいとも思います。考えたこともなかったかもしれないですし、行き着いた問いと現実とのギャップで一時は苦しむかも知れません。毎日自分に問う必要もないと思っていて、howとwhatだけをこなしていくことの方が楽な時もあります。しかし、自分の中に「なぜ」を持っていくことで、目的感が生まれ、さらに自分を前に進める助けをしてくれるような気がします。

なぜ、仕事をしていますか。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?