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現在位置

自分のやりたいことだったり、将来的なキャリアだったりを考える時がある。今の現在位置を言語化しておくことにする。

非連続な成長

エンジニアの生存戦略を考えた時に、自分のプログラミングのスキルが今後急速に陳腐化していくことが確実だ。コードを書くという領域において、短期的には同じ領域を深掘っていくことが必要だが、中長期的には戦場を複数持ちRuby on Railsのようにアプリケーション開発のスタンダードとなるような技術を見極めてそこに注力する必要がある。

自分が今後やりたいことは、良いプロダクトを創ることであって、プログラムを書くことは手段でしかない (めちゃくちゃ楽しいけれど) 。しかしながら、プログラムを書くという領域においては、常に最新の情報を集め、自分の技術を市場から求められているものと差分を無くしていくことが、他の業界よりも必要である。それには、かなりの時間を要して熟練度が必要になってくる。プログラミングの成長曲線は、低いレイヤーでは掛けた時間に比例して自分の知識として溜まっていくけれど、アプリケーションレイヤーにおいては、漸近線のように振るまうと考えている。つまり、あるフレームワークを勉強し始めると数年は急速に技術力がついてくるけれども、そこからさらに技術力を上げるためには、かなりの時間と経験を要すると考えている。その技術が枯れてきて、業界においてスタンダードである時期は良いけれども、急激な変化をしている昨今においてそんなことは決してない。

では、この自分がこの変化の激しい世の中を生きていくためには、自分のやりたいことに則した普遍的なスキルを身につける必要がある。それが、プロダクトマネージャー (PM) だと思った。「人が欲しいものを創る」ことを生業とすること。そのための手段はなんでもいいが、僕が好きなインターネットを軸にしていく。

自分が今まで積み上げてきたエンジニアとしての経験値をおいて、スキルも経験もゼロで猛者が集う領域に足を踏み入れるのは怖かった。世の中には優秀なPMが沢山いて、自分なんかが戦っていけるのかと今でも不安に思うときがある。

今の自分を成長させるためには、成長曲線に非連続性を与えることだと思った。つまり、このような成長曲線を描くこと。

そのためには、今自分が持っていないスキルが必要な戦場に飛び込む必要がある。そのために必要なマインドとして、以下の言葉が好きだ。

Chance favors the prepared minds. 
by Louis Pasteur

チャンスは用意された心の前に。チャンスは全ての人に平等に訪れるものだと思っている。それを掴むか取り逃がすかは、ちゃんと掴むための準備を愚直にしてきたかどうかだと思っている。

乾き

自分が今行なっていることに対して、実力がつき、自信が出てくると現状に満足してしまう。プログラミングを始めた時、全てがわからなくて、自分ができることの幅が広がっていくことにワクワクしていたし、どんどん吸収していきたいと乾いていた。水を与えすぎると、植物は根から腐ってしまう。潤いすぎることは時として、自分の成長を阻害すると思った。

常に自分の心が乾いているか。向上心を持ち続けられているか。時には、環境をかける必要があって、えいや!で行動した方が中長期的にはいい場合もある。

自分の市場価値

自分の価値を常に市場に問うことが重要だと思い始めた。自分が今、内部的に評価されているか、さらに自分を成長させるためのポジションにいることができているか、自分が本当にやりたいことができているのか等を所属している会社から一歩出て情報を得ることは、市場において今自分の何が秀でていて、何が足りていないのかを知る手がかりになる。

外部に一歩出るとわかることは井の中の蛙であるということ。世の中にはもっともっと優秀な人たちがいて、その人たちとの差分を知ることで、自分の考えをアップデートして、内部的な自分のスキル向上にも繋げることができる。

賢い生き方

嬉しいことに、最近様々な会社から引き抜きの提案がある。急激に成長するベンチャーでは初期にコミットしたメンバーは昇給制度に縛られて、現在の成長した能力と給与の乖離が激しいことはよく話題にあがる。話を聞くに、給与の条件面では明らかに外に出た方がいいし、小さければ株やSOなどの付加的な条件も加わる。実際に転職しようと思ったこともあった。どの選択が賢い生き方なのか、自分でもわからないし、どの選択も自分で正解にしていくしかないと考えている。そう思った時は、いつも下に挙げた文章を反芻している。

人材の流動が激しいITベンチャーにおいて、条件が良い場所に転職していくことは是とされ、居座り続ける人は逆に変化を望まない人という印象を与えてしまうことがある。実際に「なんで転職しないの?」と言われることが非常に多い。

この文章を読むといつも、背負うものの大きさが人を成長させるのではないかと考えさせられる。ベンチャーでは「全員が経営者」と表現されがちであるが、大抵の場合は形骸化されてしまっている。この経営者マインドとはどれだけ自分ごとにできるか、どれだけ大きなものを背負うことができるかではないかと思っている。従業員であれば、背負うことを辞めることは簡単で、時と場合によってはちゃんと自分から逃げることの方が大事な場合もある。しかし、本当の意味で背負い続けることは難しい。その先にどんな景色を見ることができるのか、たまにワクワクすることがある。

ただ、自分がやりたいことができなくなったり、自分がやりたいことが他に見つかったり、自分がその組織にいる目的が完全に果たされてしまったりしたのならば、すぐにでも環境を変えた方がいいと思っている。

視座を高くする

視座を高くするということは、様々な意味合いで解釈されることがあるが、僕が思うのは「全体を俯瞰してみる」ことである。

日々の業務はほとんどの場合は自分の部署内で終わることが多い。しかしながら、一つのサービスを運営するにしても、全体を俯瞰して見ていくと様々な関係値がうごめいていることに気がつく。開発部、マーケティング部、営業部などが一つのサービスを良くするために動いている。

大きすぎる組織においては、業務を細分化して、責任と権限をラップして渡した方が上手く回ることがあるが、小さいベンチャーにおいては、自分の業務を自分の扱える範囲だけで考えることを止めてしまっては自分も会社も命取りになることがある。何か課題があった時に、部分最適化で止まるのではなく、組織全体をシステム系として捉えて、利害関係などを考慮し、全体としての最善となるような解が求められる。

目標

PMとしての業務を続けつつ、開発部全体をみていくジェネラルマネージャーになって、今後の目標を最後に書いておきたい。

まずは開発部の組織としては、内外的に優秀な人のみが集う最高の組織にしたいと思っている。Netflixの人事戦略にもあったが、優秀な人と一緒に切磋琢磨していいプロダクトを創ることこそ、最大の福利だと思うし、そこを諦めるべきでなないと思う。そのためには、開発部に限らず今いる僕を含めたメンバーが自分をさらにアップデートさせていく必要があると考えている。

プロダクトとしては、ユーザーに向き合い、一人一人の生活をより豊かにできるものを創っていきたい。様々なプロダクトがあり溢れ、技術的にはすぐにコピーでできてしまう世の中において、機能的価値は時間が経つにつれて優位性を失っていくと考えている。何を創って世に出せばいいのか。これが非常に大事で、その不確実性と常に戦い続けられるようなチームにしていきたい。

僕が、プロダクトマネージャー、そして開発部のジェネラルマネージャーになったのも、僕個人でできることがどんどん少なくなっていったからということも大きい。一人でできることは限られている。当たり前のようなことだけど、この考えが大事だと痛感している。そのためには、周りを巻き込んでいく必要がある。そして、責任と権限は常にセットでないといけない。これは、ポジションによってできることが狭まるっていることではなくて、責任を持つことができるならば、すぐにでも権限が与えられる。組織全体として、一人一人ができることの幅が広がり、裁量が多く自走できることを目指したい。

会社の全ての人が、組織の成長とプロダクトの成長に伴って、自分も成長することができ、納得感を持って働ける状態とはどんなものなのか。まだ答えは見えないけれど、皆がHappyに働けるようにしたい。

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