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toC PM Nightの野望

こんにちは。delyでProduct Manager (PdM) をしている奥原といいます。弊社、Rettyさん (野口さん) 、エウレカさん (金田さん) の有志PdMで主催している「toC PM Night」が第三回の実施を迎えました (運営に携わっていただける方々、本当にありがとうございます) 。徐々に規模も大きくなり、コミュニティも創れてきたという実感が生まれてきて、ここでなぜ僕が「toC PM Night」を開催しようと思ったのか、個人的な考えを野望として書いておこうと思います。

「toC PM Night」とは

そもそも「toC PM Night」とはどういうイベントかということをを説明させてください。直近のイベントのスライドより引用します。

エウレカ、dely、Rettyのプロダクトマネージャー有志で企画したイベント

日本のプロダクトを前進させたいという想いからプロダクトの課題や悩み、成功、失敗事例を共有する場を構想

対峙する課題が難しく、近しい事例も多いtoC領域に特化したイベントとして、立ち上げました

まさにこれがイベントを主催している目的になります。そのイベントも第三回を迎えました。参加していただける方も徐々に増えて、第三回は応募人数が100人を超えました。

イベントの特徴としては、本当にPdMの方々が参加してくれていて、僕も何度か他のイベントに参加したことがありますが、これだけ本当にPdMが多いのはないと思っています。また驚くことに第二回のアンケートにおいて、次回も参加したい率が100%という脅威の数字を叩きだした点です。

次回も開催したいと思っているので、是非とも来ていただけたらと思います。概要の説明はこれくらいにしておきます。

これからはPdMの時代だ

PdMのイベントに登壇させていただいた時に作成したスライドです。このスライドを見ていただけたら幸いですが、このスライドで言っていることの概要は以下の通りです。

AWSやGCPなどのクラウドの整備やrailsなどの有力なフレームワークの登場によってインターネットにおいて (今ではOEMでの物販なども含む) 、プロダクトを創るコストは減っています。また、ベンチャー投資も盛んになり優秀な人材もベンチャー界隈に流れ、SNSなどを介して情報の浸透が急速になった結果として、プロダクトのライフサイクルが短くなり、コモディティ化が必須の世界になりました。また、大きくなるベンチャーが多くなった結果として人材が分散して、人材の成長と供給が追いつかず、やりたいことはあるのにリソースが足りないという慢性的なリソース不足 (特に開発) が発生しました。その中で、人が欲しいと思うものは人にしか創れないと考えているので、素早く不確実性を減らして、少ないリソースを最大効率で成果に転換し、チームをまとめあげてプロダクトを創る能力が求められていると思っています。それを担うのがProduct Managerだと考えています。

PdMへの道が整備されてない

PdMが大事だと思いつつ、僕自身がぶち当たった問題としてPdMってどうやってなるのという大きな課題があると思っています。そもそもPdMって何をする人なのという定義もまだまだ浸透していないと感じています。自分がPdMになるために、考えて実践してきた内容を以下の会社のブログで書いたものを貼っておきます。

この記事にも書きましたが、PdMは「プロダクトの成長に責任を持つ人」だと考えているのですが、では実際に何をすればいいか、どんなスキルが求められているかがググったところではっきりわからないですし、イベントにいっても一般化された概論しか話されていないと感じました。抽象的にならざるを得ない役割だとわかったけれども、PdMの道は自分で切り開いていかなければならないのが現状です。

海外のPdM界隈の仮説

実際に海外で働いたことがなく、海外でPdMをされていた方と話をした内容を元にある仮説を考えました。

日本と海外のベンチャー界隈 (もしかしたら異なる業界も) では、人材の流動の速度が大きく違います。もちろん、制度の違いに由来するところもあると思いますが、日本の方が流動は緩やかだと思います (認識違いましたら教えてください) 。ここでいう海外とは主にシリコンバレーを想定していますが、鬼のように優秀なPdMがゴロゴロいて、爆速でPDCAを回しています。このPDCAはプロダクト改善手法はもちろんですが、人事制度やチームビルディングなども含みます。そして、激しい人材の流動がそのPDCAにさらに拍車をかけて、転職した会社にノウハウが輸入され、様々なノウハウがぶつかり合うことでさらにブラッシュアップされているのではないかと仮説を考えました。もちろん、イベントも頻繁に開かれていると思うので、そういった場でのノウハウの共有も盛んに行われていると推測します。

日本はそれと比較して人材の流動が遅くかつノウハウがガラパゴス化しやすいのではないかと考えています。もちろん、本質的に課題解決する能力はどの会社でも通じると思っていますが、プロダクト改善の手法をどんどんブラシュアップしてなどの動きはそこまで大きくないのではないかと考えています。

toC PM Nightの野望

「toC PM Night」を開いている目的は冒頭に触れた文章で間違いないのですが、僕の考えを付け加えます。

PdMのイベントに参加して感じたことは、PdMの仕事は文脈を理解してないとわからないことがあったり、実際の数字など言えないことばかりで、発表が一般的な概論になってしまっていると感じました。

しかしながら、僕が欲しいと心から思ったのは生きたノウハウです。難しい問題に対峙した時に、どう考えどう行動したらどういう結果が得られたのか、その結果から何を学んでどう活かしているのかという、苦悩を知ることで自分のプロダクトに活かしたいのです。あわよくば、自分のドメスティックな苦悩を共有することで、少しでも糸口を見つけたいのです。もちろん、課題の解答は自分で見つけるものだということは重々承知なので、そこは自分で模索するとしても、生きたノウハウを共有することで、思考のショートカットが起こり (本を読むなどはそれに近い) 、どんどんプロダクト改善の手法がアップデートされて、世の中に良いプロダクトが出て行くと考えています。それは、日本ないしは世界全体で見ればプラスに働くと思っています。

どうすれば、生きたノウハウが人材流動がまだ低い日本で共有されるのかと考えてた時に、よかった施策が、実際にPdMに会いに行って話をすることでした。自分も相手も良いアイデアを持ち帰って、自分のプロダクト改善に活かすことに価値を感じました。つまり、PdM同士の繋がりを通して生きたノウハウを共有することで、自分も成長し世の中に良いプロダクトが増えていくのではと思ったのが、PdMのコミュニティを創ろうと思ったきっかけです。PdMを抱える会社の方が読んでいらしたら、ノウハウが流出してしまうと思われる方もいると思いますが、原則として具体的な数値や実際に今後どのような施策を打とうとしているかなどの経営に響くような情報は共有を目的としているのではなく、生きたノウハウ、考え方ですので安心してください 。

これは慈善だけではなく、僕自身もそのコミュニティを通して一緒に成長していきたいと強く思っています。そのようなコミュニティができたら最高だなと思って、「toC PM Night」を主催しています。これを読んでいただいているPdMの方、次回も開催した際には是非とも来ていただけると嬉しいです。

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