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プロダクトを創り続ける覚悟

毎年、12月はアドベントカレンダーを書いているのですが、今年はアドベントカレンダーを書くよりもプロダクトを創り続けていました。仕事や家事以外で空いた時間の1分1秒でも、プロダクトのことを考えるようにしていました。そして、このnoteで「プロダクトを創り続ける覚悟」について言語化しておきたいと思います。

「anynote」を創業しました

あえて”創業”という言葉を使ったのですが、それには事業として成り立たせたいと考えたからです。会社を創りたいという気持ちからではなく、サーバー代の月数千円くらいはトントンにできるくらいの売上を立てるぞ!という意志です。プロダクトのサイトは以下になります。自分のHPにサービス紹介サイトも作りました。前述した通り、あくまでもサイドプロジェクトとしてこのプロダクトを開発しています。なぜ、このプロダクトを創ろうと思ったのか、今後の抱負は後述します。

日本をぶち上げるには?

自分が大学生の時にプログラミングを勉強し、社会人としてエンジニアになり、ここまでやってこれた信念の中に「日本をぶち上げたい」という気持ちがあります。以前読んだ記事で「モメンタムを上げる」という表現もいいなと思っています。

この言葉の意味するところは、2012年、自分がRuby on Railsを勉強し始めた時に感じたこと、自分が持っているスマホ/PCのそもそものOSや、ホームに並んでいるアプリのほとんどが米国産であるという事実に正直戸惑いました。そういうことを意識する前は当たり前のように、Twitter (現 : X) やFacebook、Googleのプロダクトを使っていて、Windowsのプロダクトでレポートを書いたりしていました。ごくごく当たり前に。しかしながら、これらのプロダクトを創っている会社は軒並みグローバルに名を連ねる偉大な会社で、あれ日本は?と純粋に考えていました。

サイトやPC上のアプリケーションはどこか超天才たちが開発していて、自分では到底できないものという固定観念からRuby on Railsという簡単にwebアプリケーションを作れるフレームワークを通して、初めて自分のサイトをリリースして、webブラウザで表示された時から、いつか日本発のプロダクトで海外のホームに置いてもらいたいという強い気持ちが生まれました。

前置きが長くなってしまいましたが、そうした想いからプログラミングを勉強し始めて、11年程度、エンジニアとして社会人をスタートさせて7年が経過しました。まだまだ自分の可能性を信じているし、できないことはないと思う時もありますが、正直なところ、自分の向き不向きを理解して、自分を扱えるようになった方がこの先いいだろうと考えています。「16 Personalities」をやったり、「ストレングス・ファインダー」をやったりして、自分への理解を深めてきました。しかしながら、日々仕事を通してまだできないことがある、こんなこともできないのかと小さい絶望を喰らっています。また、家族が増えていく中で正直なところ人生の優先度が変わりました。使える時間も、平日30分もなく、休日も普段の生活で精一杯です。

こうした経緯の中で、自分ができることは何か?と考えた時に「プロダクトを創り続ける」ことだと確認しました。心を燃やしながら、取り組めること。毎日、10分でも時間を捻出してでも続けたいことは何かと考えた時にプロダクトを創ることだということに気がつきました。

日本をぶち上げるには?」と「プロダクトを創り続ける」の交差点を考えた時に、個人とチームの学習をサポートすることだということに行きつきました。これは特定の業界に依らないことで、日本全体をぶち上げることにつながっていくのですが、特にインターネットのプロダクトを提供するので、インターネット上で情報をやり取りする性質を強く持っているIT系のスタートアップやベンチャーを特に対象とするだろうと考えています。僕が生まれて30年の間に世界の縮図はITを軸にした企業が世界を席巻しています。ITはそもそも前提になっているので、次の10年とか30年はもしかすると、再生医療やエネルギーといった企業が強くなるのかもしれませんが、インターネットを使うという点では同じだと考えています。

解くべき課題は何か?

プロダクト創りは、そのプロダクトが雇用されることを考えると、どの課題を解くか?と置き換えることができます。プロダクトの創り手として、どの課題を解決するかというのは、どう生きるのか?ということに繋がってきて、自分が今まで生きてきた文脈に沿っていきます。原体験の中に強い課題感があれば、それを解決したいと願うわけで、自分の中にそういうものがないかをずっと探していました。

結論、強くこれを解決したいというのはなかったです。残念ながら。そもそも、そのようなものがあれば最初から取り組んでいるだろうと思います。その中で僕が参考にしたのはこの記事です。

ざっくりいうと、これだ!という運命的なものはなくて、情熱を育てるという方法、つまり徐々に情熱を持っていくというのが、自分の人生においてはしっくりくると思いました。つまり、自分が良いなという領域ならば、なんでもよくて、徐々に育てていけばいいのです。

自分が好きなことを羅列していき、その中でどういうプロダクトがあるのかを海外事例も含めてみていくと、自分が課題感を持っているのが、社会人になってからの学習でした。これは国が抱える問題にも繋がってくる話だと思っています。失われた30年と言われて久しい日本、この日本をぶち上げる方法の一つに、社会人になってからの学習体験があると考えました。「未来人材ビジョン」を見たことがある人も多いと思います。

自分自身が、全くの畑違いのところからエンジニアになって、プロダクトマネージャーをするようになって、新規事業を立ち上げたり、いわゆるアンラーニングを繰り返してきました。その中で、未知のことを学び、実践していくプロセスを辿ってきました。この社会人になってからの学び体験をよりよくすることによって、特定の業界によらず、日本全体に波及できると思いました。ソフトウェアではそれが可能です。

社会人の学習といってもソリューションは何個もあるかと思いますが、自分が欲しいと思ったものがnote taking appというジャンルのプロダクトです。王者はEvernoteやNotionでしょうか。どれも学習という切り口で見た時には、機能が不足しているし、やれることが多すぎます。学習に特化したありようがあるのではないかと考えました。そうしてできたのanynoteです。

また、冒頭でもあった通り、海外を狙うとなった場合、課題がグローバルで存在することと、そのソリューションが言語や文化の壁を超えていく必要があります。その文脈において着目したのが、ツールから出発するということでした。これはFigmaやNotionなど業務効率プロダクトを例に取ると、別に日本で仕事をしているに囚われることなく、広く使われています。ツールのような使われ方をするプロダクトはグローバルのチャンスがあるのではないかと考えました。

なぜ10年ぶっ込むのか?

今までサイドプロジェクトとして何個かアプリをリリースしてきましたが、継続して開発リソースをかけていくアプリはほとんどありませんでした。その中で、anynoteは10年ぶっ込んででも取り組んでいこうと考えています。その理由はいくつかあります。

一つ目は、エントリープロダクトという考え方です。偉大なアプリの最初を調べれば調べるほど、別のプロダクトのように見えてきます。事例は他の記事をご覧いただければと思いますが、最初のとっかかりはなんでもいいと考えています。むしろ、最初のプロダクトからユーザーのニーズを聞いていき、そこにジャストフィットするプロダクトにピボットさせていくことが重要だと考えています。10年後なんて誰もわからないので、とりあえず行動し、ユーザーと答え合わせをし続けることが重要だと考えています。

自分でも使う偉大なプロダクトの歴史を紐解くと、実は10年以上開発されていて、日本に来たのはごく最近という事例も少なくありません。偉大なプロダクトを創るには長い長い時間が必要なのです。これはコードを書く時間というよりも、ユーザーのことを理解し、時代に合わせてプロダクトを変え続けていくことが必要だからです。技術も変わればできることも変化します。そのため、10年をかけてプロダクトを磨き込んでいけば、負けはしないだろうくらいに考えています。

最後の理由として、実はコードの積み上げが競合優位になることが往々にしてあるからです。というのは、自分が考えたアイデアなんて世界中の誰かが絶対やっているのですが、ではそれを10年間継続して開発している人はいるのか?でいうと、実はリリースして終わりで改善が全然されていないみたいなケースが山積しています。もちろん、絶対叶わない領域もあると思いますが、一方でこの領域は実はソースコードの積み上げが実は競合優位に働くみたいなことがあると思っていて、それが個人的にはnote takingの領域なのではないかと仮説を持っています。その理由は将来答え合わせができたらと思います。

未来は誰にもわからない

10年後の未来なんて誰にもわからないし、正解は自分が決めることだと考えています。様々な偉大なプロダクトの最初の評判を見ると、必ずしも良いなんてことはないのです。そんなの成功しないと決めつけるのは簡単ですが、成功を信じて向かい続けた先に見えてくるものもあります。もちろん、当時思っていたものは違った形になることも多くあるでしょう。

同じく僕も未来がどうなっているのはわかりません。ですが、行動しつづけなけば何も変えることができないというのはわかっています。そのため、anynoteというプロダクトを通じて、プロダクトを創り続ける覚悟を決めたのです。

今後、サイドプロジェクトとして開発を続けていきたいと思います。もし興味がある方いたら、是非話をしましょう。もしよければ一度使っていただけると幸いです。

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