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バグってる人生の方が面白い

バグってる人生の方が面白い。

もうすぐ、26歳になる。25歳の一年間は本当に大変だった。今、自分が楽しく仕事をできているのは、周りの助けてくれる人たちのおかげだと心の底から思う。

正直、自分の人生は自分だけで切り開いていくものだと思っていたし、その力は割と強い方だと自負していた。この一年で痛感したのは、自分なんて小さい存在で、できることは圧倒的に限られている。だからこそ、みんなと一緒に大きなことを成し遂げていくことには価値があるし、その過程にこそ人生において大切にしないといけないことが詰まっている。今の僕はそうに思っている。もちろん、これは僕が現時点で考えていることであり、来年は違うことを言ってるかもしれないし、異なる考えも存在すると思う。

この一年が僕に与えた学びとこれからどうして行きたいのかを文字に書き残しておく。できる限り赤裸々に書いていくことを心がける。

自分をアップデートしていくことの大切さ

僕は意見のぶつかり合いを避ける傾向にある。争いが苦手だ。この一年間で、自分が考えている、正しいと思っていることが脅かされることに何度も直面した。それは、仕事に対する価値観であったり、組織やプロダクトに対する想いであったり、細かい施策に関することであったりだ。

自分が間違っているのか、自分の考えを捻じ曲げないといけないのかと、意見がぶつかり合う度に頭を抱えていた。この世界は生きづらいとさえ感じていた。僕が考えついたのが、自分自身をアップデートしていくことの大切さ。

噛み砕くと、自分が正解だと思っていることと外部との差異をしっかりと考えた上で、自分が腹落ちした正しいと思ったことに上書きしていくこと。正しいものは正しいと言えるようになることで、何もかもが上手くいくようになった。これは、周りに流されるということではなく、周りが本当に正しくないと思ったら、それを正しく主張していく必要がある。一方で、自分自身をアップデートしてくことは、昨日言ってることと今日言ってることが異なる可能性を孕んでいるので、考えがコロコロ変わる人だと思われがちだが、正解を導き続ければ、考えが変わったことは周りから忘れ去れてしまう。人間の脳は非常に精密に造られており、記憶という曖昧さは簡単に書き換わってしまう。

自分自身をアップデートしていくのは、思っているより難易度が高い。大事にしなければいけないのが、自分の価値観そのものは変えてはいけないということ。自分の価値観さえ変えてしまったら、それは自分らしさではなくなってしまう。自分の価値観の上に成り立つあらゆる思考は可変的なものであり、それ自体には価値がないと思っている。世の中は情報で溢れ、それは高速で循環している。世界において、今日正しかったものは明日は正しくないかもしれない。人間の寿命は伸びる一方だが、プロダクトや情報の寿命は明らかに短くなっている。この世の中において、自分の価値観の外にあるものを素早くアップデートし続けることは、自分らしく生き抜く術だと思う。

プロダクトを成長させることは難しい

2018年の5月ごろからプロダクトマネージャー (PdM) になって、一年が経とうとしている。一番感じることは、プロダクトを成長させることをは思っていた以上に難しい。プロダクトを成長させるには様々な因子があり、複雑に絡み合っていて、それがtoC向けだとさらに難易度が高いように思う。ユーザー体験の向上はもちろんだが、ビジネスとしてのプロダクトを同時に成長させ、アプリマーケットの超急激な流れの中で、開発していくことは面白みもあるが、大変だという感覚がある。

そして、この一年注力したことが、良いチームを創ること。良いチームが良いプロダクトを創ると僕は信じているし、プロダクト開発のハードルが下がり一気にコモディティ化する時代において、人こそがプロダクトを創る上で重要だと考えている。そして、僕はただ単にプロダクトを成長させることに興味がないと気が付いた。僕が見ているレシピ動画サービスのクラシルはおかげさまで、1,700万ダウンロードを迎えて、ニュースに出たり、都内においてはほとんどの人が知っているサービスになった。そして、これからもさらにグロースしていくが、その過程において、皆で熱中して開発できる環境こそが、僕がdelyで働いている最高の福利厚生だと思う。エンジニアやデザイナーはベンチャー界隈では、超売り手市場になって、ある程度の実力があればどこでも働けると思う。ベンチャーの方が働きやすさや待遇は向上しているし、そうでなかったら人が来ない世界になっている。どこに行ってもそれらが担保されているこそ、次にくるのが自己実現だと思っている。熱中できる環境でユーザーに価値を届け続ける、これが僕が創りたい環境であり、それに共感してくれる人と一緒に働きたいと強く思っている。

料理のドメインはとても複雑で、人間が料理をするようになってから、調理器具やキッチン周りはかなり整備されてきたと思うが、献立を考えて買い物にいくという営みはほとんど変わっていない。それにも関わらず、現代人は忙しい。人間は従属栄養生物なので、外界から栄養を摂取し続けなければならないので、毎日食事は発生するし、ただ単に食事をするだけではなく、美味しいものを食べたいと思っているし、食と健康は切っても切れない関係があるため、健康にも気を使わざるをえない。これがもたらすことは、食事という行為がとても多くのことを考慮しなければならないが、頻度高く訪れるし、それに割く時間が減っているということ。そして、インターネットにおいて、料理のサービスは未だにレシピを辞書的に使うサービスが主流であり、ユーザーもレシピはwebで無料で見るものと認知している。ここに料理のサービスにおける難しさが存在していると思う。

正直、クラシルは「レシピ」×「動画」という、レシピは写真やテキストで見るよりか動画の方がわかりやすい、動画を見ていると自分でも作れるかもとモチベーションが上がるなどが刺さり、3年弱で1,700万DLを記録するほどの爆発的な成長を遂げている。しかし、これは動画コンテンツの波がきた時代背景にレシピを動画で見れるというシンプルな機能的価値をいち早く提供することで、ここまでの成長ができ、マーケットに引っ張られる形で成長をした。つまり、プロダクトはタイミングとお金をいかにして突っ込むかの勝負であり、ほとんどのサービスはこの段階で持続可能性を担保するためにマネタイズの勝負になるのと、会社としても多角化する。ここからさらに、料理というドメインで飛躍したサービスは存在しない。つまり、ここからが本当の勝負だと思っている。さらには、クラシルというプロダクトは料理という軸から、生活全てを支えるプロダクトにできると考えている。料理は生活に欠かすことができないので、サービスに接触する頻度が非常に高い。そのプロダクトを軸に様々な生活に幅を広げていき、本当に生活のインフラになるようなサービスにすることができないかと模索している。

一歩踏み出すと世界が変わる

25歳の間で一つ目標にしていたことが、ソーシャルで影響力をつけること。TwitterとFacebookでそれぞれ、1,000人の繋がりを作ることを目指していた。結果的に、両方とも達成することができた。

それぞれ繋がりを作る上で大事にしたことは、Twitterは外部ツールを使わないこと、Facebookは実際に会ったことがある人だけと繋がりを作ること。なぜ、ソーシャル上で関係を構築したかったのかというと、今となっては当たり前だと思うが、これからさらに個人に力が寄ってくると考えているから。人の心は人ではないと動かせない世の中が来ていると実感していて、それは人を採用する際にも、個人の発信はとても重要度を増してきている。自分がどのような人で、どのような思想を持って何をしているのか。人と人との関係性の構築の上手さで、個人が経済的にも生きていける時代になった。まだ先の話だが、自分がもしもフリーで活動するとなったら、構築された関係は優位に働くと考えている。

ソーシャル上で人とのリレーション構築を頑張っていた過程で感じたことは、一歩踏み出せば世界がどんどん変わっていくということ。もちろん、良い側面もあるが悪い側面もある。良い側面は、例えば自分がPdMとして発信していたら、TwitterでSELECKの編集をしている方にフォローしていただき、自分からDMをすることで記事化してもらえることになった。

また、PdMのイベントで知り合ったRettyの方をきっかけにして、PdMのイベントを主催することになり、そこからPdMの繋がりが一気に増えたように思う。

これらは自分から一歩踏み出さない限り、滅多にない貴重な機会だと思っていて、自分がどういう人間かを知ってもらう良い機会になったり、人を会社に誘う良い効果もあると思っている。

人のリレーションを構築する良い面ばかり書いてもよくないので、悪い面も書いておく。僕のようなコミュニケーションが本当は苦手な人からすると、人と対話することは、かなりのエネルギーを消耗する。もちろん、人と話すことは好きで、熱い話をするのは特に好きなのだが、一日に使える会話のHPの上限があって、それを越えると一気に精神的な疲弊に襲われてしまう。また、人と会う予定を夜に詰め込みすぎると生活リズムが崩れて体調が一気に悪くなるなどの良くないこともあり、現在は業務後と休日はなるべく自分のための時間に充てるようにしている。

僕がdelyに入社した理由も、現在執行役員の柴田さん (@delyshibata) との薄い繋がりをTwitterを通して構築していたからで、いつどんな繋がりから人生が変わるかわからない。これからもどんどん人と会っていきたいし、もしタイミングが合えば一緒に仕事をしたいと思っている。

変化の中で生きるにはキャリアよりも価値観

25歳の一年間で感じたもう一つのことが、ベンチャー状況変わりすぎ問題だ。2018年7月にdelyはYahoo!の連結子会社となって、2019年の3月には女性向けメディア最大手のTRILLを連結子会社するニュースが流れた。これが、この一年間でやってきたと思うと恐ろしい。僕自身のキャリアも目まぐるしく変化した。ここに詳しく書いた。

2018年2月に開発部のマネージャー、5月にPdM、10月に開発部の責任者を任せてもらった。組織も全社で100人を越えようとしている。

僕は元々、toC向けのサービスを自分でもやりたくて、そのノウハウを得ようとクラシルが始まったばかりのdelyにジョインしようと思った。僕のwillは自分でサービスを立ち上げることで、まずはエンジニアとして創ることを極めようと思っていた。しかしながら、状況は刻一刻と代わり、今はほとんどコードを書いていない。自分のキャリアとしてはまだマネージメントに全振りするには早かったかもと考えていたが、一つのサービスを創るためにはエンジニアリング以外のことも重要であるとわかった。そして、チャンスはそんなに多くは回ってこない。僕は、目の前に手綱が降ってきたら、全力で掴みにいくというスタイルで、とりあえずプロダクトを成長させるためには何でもやるという姿勢を貫こうという考えに至った。この働き方をする上で、今後のキャリアのことを深く考え細かく設定することはチャンスを逃してしまう可能性が高くなる。そのため、僕が大事にしているのが、キャリアではなく、価値観を根底に置いて働くということ。価値観が正しければ、どんな役柄でもこなす。この考え方に自分をアップデートすることで、目の前が晴れたような気がした。僕が大事にしているキャリアは以下の三つである。

・より多くの誰かを幸せにしていること
・寝食を忘れるくらい熱中していること
・心の底からワクワクしていること

ITエンジニアという職業もこの10年の間で確立されて普及してきた。激しく変わる世の中において、自分がどの役割を担っているかよりも、自分が何を成し遂げられる人材であるか、一緒に働くと何をもたらせることができるかを表現できる方が生きやすいのではないかと思い、僕はこの働き方に賭けている。

非連続な成長がもたらすもの

ベンチャーに来た当初、知り合いのエンジニア兼経営者の方にキャリアの相談をした時に、自分ができることの点と点を結び合わせてその面積を広げていった方が良いとアドバイスを受けた。正直、その時はなんのことを言ってるのか納得することができなかったが、今では鮮明にわかるような気がする。

非連続な成長とは、主に自分のスキルセットにレバレッジが効くように役割を変えていくことだと思っている。もちろん、人生の中で無駄なことはないと思っているし、どんな仕事にも関係性があると思うが、例えば僕が全く違う業界の営業をやるなどは、そこまでレバレッジが効いてくるとは思えない。そのため、非連続な成長は以下のように図で表せると思う。元々エンジニアであった自分が、非連続な成長を描くためにはコードを書くプレイヤーから、エンジニアマネージャーやPdM、開発人事などがある。また、プランナーなども良いかもしれない。

非連続な成長がもたらすものは、全てが良いというわけではないというのが僕の考えである。基本的に、今自分がやっていることで評価されさらにこれからの成長が望めるなら、敢えて違うことにチャレンジしなくても良いと思っている。非連続な成長は、「絶望」と「悔しさ」と「惨めさ」を僕に与えた。そもそも、エンジニアとしてトップランナーになることはそんなに簡単なことではない。エンジニアにおいて、なんでもできるプロフェッショナルになるためには、10年はかかると思っている。そのため、そのエンジニアとしてのキャリアに一旦は蓋をすることは相当ハードルが高かった。なぜなら、マネージャーになるにもPdMになるにも、責任者をやるにもすでに業界には猛者たちがおり、戦闘力0からスタートせざるをえないからだ。

まずは、当たり前だが何もできないという絶望を味わうことになる。何をやっても上手くいかない日々を過ごしている中で、メディアで自分と同じ役職で活躍する人たちのことが取り上げられている。正直、羨ましい。自分が何もできないことへの悔しさで苛まれえた夜が何度もある。そして、トライしてはエラーを繰り返す日々の中で、自分は何をやっても上手くいかないのではないか、自分以外がやった方が良い結果を生むのではないかという、惨めさに歯を食いしばることも度々あった。エンジニアをやっていた方が皆に貢献できる、周りからも評価される、なぜ今違うことにチャレンジしなければならないのか。そんなことを何度も何度も思っていた。今も思うことが度々ある。

非連続的な成長の中で、上手くいき出すタイミングが存在する。そのタイミングがいつ来るのかはわからないが、コツがあるように思う。それは、その役職を行なっている人のツイートをひたすら追ったり、実際に会いに行くことで、一次情報をできる限り自分で取りに行くこと。そして、ちゃんと理論を学ぶことだと思う。自分は実戦で学んでいくタイプだと実感している一方で、ちゃんと本から体系的に学んでからの実戦を通しての伸びはかなり大きいと感じた。理論を自分で組み立てるのはとても難しいので、それらを実践してきた巨人の肩に乗り、自分なりの方法を確立して行くことが大事だと思った。そして、成長曲線が上手く上がってきた時のレバレッジ効果はとても強いものだと感じた。同じ役職でも、プログラミングのスキルやエンジニアリングの構造を理解しているだけで、できることの幅が一気に広がったと思うし、エンジニアやデザイナなど関係する人たちとの会話がスムーズに進む。今なら、自分の中の点と点と紡いでいくことの意味が、ほんのちょっとわかるような気がする。

この時代に一つの会社にコミットし続けること

転職や副業が当たり前となったこの時代に、一つの会社に所属しコミットし続けることは賢くない働き方なのかと思ってしまうことがある。会社やプロダクトの成功よりも、フリーランスや副業での活躍の方が脚光を浴びやすいし、会社やプロダクトにおいては個人の影響は小さくなってしまうこともある。

では、この時代に一つの会社にコミットし続ける意味はあるのか。僕は、どの生き方もとても素晴らしいと思っていて、人生を通して成し遂げたいことは何かを問うべきだと思った。僕は、delyが一社目なので、他の会社のことやフリーランスや副業のメリットとデメリットについて知る由もないが、会社にいたとして、僕個人ができることは本当に小さいことだと実感している。大きいことを成し遂げるためには、良いチームを創る必要がある。そのためには、組織である必要があるというのが現時点での僕のたどり着いた答えだ。もちろん、反論する余地は沢山あって、個人でも大きなことを成し遂げられると思っている。僕は全くもって天才ではないし、自分の肉体と精神の限界も知ったので、自分の弱い部分は誰かの力を借りなければならない。クラシルのようなtoC向けのサービスを成功させるための難易度も最高レベルに高いため、腰を据えて挑まないといけない。だからこそ、僕らはチームであるんだと思う。

僕が成し遂げたいことは「テクノロジーを通してより多くの人の生活を豊かにする」ことなので、僕が本当に求めているのは、スキルや年収、働きやすさではなく、インターネットを使って多くの人を幸せにすることや仲間と毎日熱中して仕事ができること。そのためなら、なんでもする姿勢でいる。最近、不思議に思うのは、そういう姿勢でいると、どんどんと自分のスキルをアップさせるような仕事が舞い込んでくる。これは会社の文化や組織体系によると思うけれど、delyは何でもやる姿勢の人に責務が大きくストレッチな課題が与えられる環境だと思う。

実はこの一年間で、自分でもスタートアップの立ち上げを前にプロダクトを立ち上げた仲間としようと思ったことがあった。僕が五人くらいの時に加わったdelyは今や100人規模の会社になり、クラシルも1,700万ダウンロードを迎えるサービスに成長した。また、前述したようにプロダクト開発は難しく、競合サービスのさらに上に行くには腰を据えて取り組まないとならず、道のりが遠いと感じるようになっていた。正直、僕が果たす役割は終えたのではと考えてしまうこともあり、ここで船を降りて、新しいチャレンジをすべきかとても悩んでいた。その中で、僕がdelyに残ることを決めた理由は、さらに上を目指し続ける代表の堀江さんの想いを僕ならプロダクトとして形にできるのではないか、もっと上の誰も見たことがない景色を見ることでできるのではないかと思ったから。ここまでの規模のサービスになるにもあらゆる苦難を乗り越えてきたが、さらに来る困難を乗り越えた人はベンチャー界隈にほとんどいない。自分はその資格があるのかわからないけれど、残り続けることもまたチャレンジなのだとわかったからだ。今はもう、クラシルというサービスを本当の意味で生活で欠かすことができないインフラにしたいという強い想いと、delyに加わってくれた皆ともっと広い景色を見たいという想いが僕を突き動かしているし、絶対に折れないと思う。

数年で転職が当たり前のこの時代に、一つの組織に残り続けることはリスクなのかもしれないが、そのリスクを取ってまでプロダクトを伸ばしたいと心から信じて戦っている人を僕は尊敬するし、一緒になって最高のプロダクトを創っていこうという想いでいる。難しい課題だからこそ、全力を出しても超えられない壁を越えて行くことにこそ、人生の面白さがあるんだと信じている。明日も頑張ろう。

バグってる人生の方が面白い

このタイトルにも書いた「バグってる人生の方が面白い」というフレーズは実は僕の言葉ではない。wantedly, Inc.のCTOである川崎さんの言葉であり、この言葉を書いた記事はすでに削除されているため、残念ながら読むことはできないが、まさに自分に刺さり、とても良い内容だった。

その記事では、川崎さんのこれまでの人生を振り返って、誰もやらないようなことをし続けることの大切さが書いてあった。川崎さんは東京大学を出た後、Goldman Sachsのテクノロジー部門VPを歴任して、当時スタートアップであったwantedly, Inc.のCTOとしてジョインした。輝かしい経歴の中で、今ではスタートアップにジョインすることはコモディティ化してきてしまったが、当時としては誰もが何故ジョインするのかと疑問に持つような小さなスタートアップにジョインし、同社を上場まで導いた。

今ではスタートアップに行くことはさほど珍しくないし、ベンチャー投資が盛んなので、給与もそこまで落とさなくてもチャレンジできる環境が整備されているように感じる。その中で、誰もやらないようなことをし続けること、前述したような非連続な成長をし続ける覚悟、誰もが取りたくないリスクを背負い続けることを忘れずにいたいと思っている。

最後に26歳の抱負を書いておこうと思う。

組織において「属人化」は忌み嫌われる言葉だが、その中には二つの意味があると思っている。一つは取り払われるべき、一人しか知らない仕様や運用方法がドキュメント化されずになっていることで、もう一つがその人しかできない複雑な意思決定をしていくことだと思っている。僕は、僕にしか提供できない価値を出し続けて行きたいと思っている。僕はプロダクトを創る人間として、そのプロダクトが成功する確度をちょっとでもあげられる人材でありたいし、僕にしかできないような仕事をして行きたいと強く思っている。そのためなら何でもするし、常に学び続け、時には自分自身をも変えていくことを厭わない。僕が来年の今頃、どんな役割を持ち、何をしているのかすら予測することができないほど、状況は激しく変化しているが、今のPdMという役割の中では、皆を強く導いていけるようになりたい。

プロダクトの成長は全てを癒すという言葉がベンチャー界隈にあるが、delyに来てから、確かにプロダクトが順調な時は皆が活気に満ちていて、苦しい状況では人が辞めていくという辛いこともあった。もちろん、僕一人の小さな力では何も成し遂げることができないことは重々承知している。だからこそ、皆の力でプロダクトを成長させていけるように、皆のプロダクトを良くしたいという強い想いを同じ方向に向けるようにしなければならない。そのために、皆の認識を合わせてそれぞれの力がシナジーを生んでいけるように整えて行かなければならない。優秀な人をただ単に集めれば上手くいくような世界ではなくて、僕らはチームとして勝てるチームを創らなければならない。僕の次の一年間のテーマは、delyの皆を幸せにできるように「勝てるチームを創る」こと。その先に、僕が実現したい最高のプロダクトがあると信じている。

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