夢追い人こそ効率のいい副業を

74.相棒のハート

本来1人でまわる営業を、2人の営業マンで一緒にまわる。
2人でまわるということは、とった契約数も報酬も、自分の取り分は半分になる。

例えば、1日6件の契約がとれたなら。
半分の3件は僕がとった契約扱いで、あと3件はもう1人の営業マン(※以下、"相棒"とする)がとった契約ということになる。

収入的には、2人でまわるのは損しかないのだが、初日だけならまあいいかと思った。


どこの地域をまわるべきなのか、どういう時間帯が熱いのか。
まだ何もわからないまま、てくてくと歩く。

初めて扱う商材で僕には若干不安があったのだが、相棒がマクドナルドでの休憩中にふとこんなことを言った。

「この仕事、続けれそうですか?明日会社で僕の姿がなかったら、もうやめちゃったんだと思ってください。」

なんと、相棒は僕以上に不安を感じていたのだ。

意外だった。
ここまで特別何かトラブルがあったわけでもないのに、始まって早々こんな言葉を口にするとは。。


営業とは、そういうもんなのかもしれない。
弱肉強食の世界。
自分が得意だと思えればイケイケになるし、不得意に感じればやたらガラスのハートになる。
相棒を見てて、それを改めて気づかされた。

翌日以降、相棒の姿を見かけることはなかった。



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