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固定資産Ⅰ-購入したとき-

固定資産(こていしさん)とは、長い期間にわたって使うために持つ資産のことです。長い期間って具体的にどれぐらいかと言うと1年超と決まっています。

ちなみに、1年以内に現金化ができる資産のことを流動資産(りゅうどうしさん)とよんでいます。流動資産の定義にはこれ以外にもありますが、詳しくは2級でベンキョーします。

固定資産は、さらに3種類に分類されます。3級では、その中の有形固定資産(ゆうけいこていしさん)について学びます。

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有形固定資産

有形固定資産とは、形のあるモノ1年を超えて使っていく資産をさしています。勘定科目では、建物土地備品車両運搬具(しゃりょううんぱんぐ)勘定などがあります。

各勘定科目の具体的な内容は、以下のとおりです。

建物(たてもの)勘定・・・・・事務所・店舗・倉庫など
土地(とち)勘定・・・・・・・・・店舗などの敷地
備品(びひん)勘定・・・・・・・事務机・コピー機・陳列棚・パソコンなど
車両運搬具勘定・・・・・・・・・・・営業用の自動車・自転車・トラックなど
(しゃりょううんぱんぐ)

仕訳のタイミングは、①購入したとき ②費用化したとき ③売却したとき ④改修したとき の4つです。 今回は、①購入したときの処理を見ていきます。


①購入したとき

建物や備品等の固定資産を購入した際には、それぞれを購入したモノの本体の金額とその際にかかった費用を合計して記入します。購入した金額のことを購入代価(こうにゅだいか)、購入時にかかった費用を付随費用(ふずいひよう)といい、これらの合計金額を取得原価(しゅとくげんか)といいます。

固定資産の取得原価 = 購入代価 + 付随費用

付随費用は、商品売買のところでベンキョーしましたね。

固定資産にかかる代表的な付随費用は、以下のとおりです。

建物
・不動産業者に支払う仲介手数料
・誰の建物なのか?権利を明確にするための登記にかかる登記料など

土地
・荒地を平らにするための整地費用
・不動産業者に支払う仲介手数料
・権利を明確にするための登記にかかる登記料など

備品
・運送料や据付費など

車両運搬具
・車両登録料や車庫証明書発行の手数料など

例題で確認していきましょう。

【例題7-1】
ショーケース200,000円を購入し、引取運賃5,000円とともに小切手を振り出して支払った。

ショーケース代と引取運賃の合計を取得原価として資産の増加=備品、代金の支払いは資産の減少=当座預金として記入します。

例題7-1①


【例題7-1】②
倉庫用の土地500㎡を1㎡あたり4,000円で購入し、代金のうち250,000円と整地費用・仲介手数料150,000円は小切手を振り出して支払い、残額は月末に支払うこととした。

たくさんの情報があって難しく感じるかもしれませんが、こういった問題は、問題文を分解して考えると解答にたどり着きやすくなります。

今回の取引は、土地を購入しています。そこで、まず取得原価を確認します。取得原価の内訳は、購入代価と付随費用でしたね。

購入代価・・・・・土地 @4,000 ✕ 500㎡=2,000,000
付随費用・・・・・整地費用・仲介手数料= 150,000

土地の購入は、資産の増加=土地と記入します。

例題7-1②1


次に代金の支払いを確認します。購入代価の一部と付随費用は小切手で支払い、残額は月末となっているので、資産の減少=当座預金と負債の増加=未払金を記入します。

月末に支払う残額が買掛金ではなく未払金となるのは、購入したモノが商品以外(倉庫用の土地)だからでしたね。

例題7-1②2


問題文が長くなり数字もたくさん出てくるとなんだか混乱してしまいますが、どんなに長い問題文となっていても問われていることは1つです。

まずは、どんな取引が行われたのか?をつかみましょう。その後、問題文に出てきた情報を順番に整理していけば必ず解答することができます。

慣れないうちは、何度も同じ問題を解いて情報を整理するコツをつかむようにしましょう。

今回はここまで。

ではまた。


◎次の記事◎


  

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