【無料】Midjourneyで「1ランク上」のフォトリアルな画像を作るプロンプト設計
AI画像生成ツールの中でも、Midjourneyは比較的フォトリアリスティック(写実的・実写・写真のよう)な画像を作りやすいツールです。
シンプルに作りたい場面のプロンプトとして英文を入れるだけでも「それなり」の画像を生成してくれるので、特にAIによる風景画像を生成したいユーザーさんには実はStable Diffusionよりもオススメだったりします。
ただ、作りたい風景・光景を愚直にプロンプトで作り込んでも一定以上の品質の画像が作れない場合もあります。そこでMidjourney「ワンランク上」の写実的な風景画像を作り込むためのプロンプト設計を公開します。
最終的に作る風景画像の完成形
これを作ります。朝焼けもしくは黄昏時の陽光を受ける、雲海の上に見える冬山の頂きです。
最初のプロンプトと生成画像
まずは描きたい風景をプロンプトとしての英文にします。
『パステルカラーの柔らかな空を背景にした、雲海の上に聳(そび)える雪峰』としましょう。
この風景を表現するプロンプトは次のようなものです。
プロンプトを補佐する画像設定として、アスペクト比とシード値を固定しておきます。
--ar 16:9 --seed 20230528
アスペクト比は 16:9 とし、シード値は似たテイストの画像を複数作りたい場合に文字通りの「シード(種)」として使うことができます。シード値は 0 〜 4294967295 の範囲の任意の整数値として設定できます。
以上を合わせた初期プロンプトは次のようなものです。
これで生成される画像は次のようなものです。
プロンプトで指定したとおりの画像が生成されてはいますが、絵画調ですよね。次にこれを写実的な雰囲気に近づけていきます。
フォトリアルな画像への次の一歩
やることは単純です、プロンプトの先頭に
『Landscape photo』
を追加してみましょう。
プロンプトは次のとおりです。
これで生成される画像はこちらです。
最初のプロンプトで生成したものに比べて、いくぶん写実的な雰囲気になりましたね。
ではこれをよりフォトリアルなものにしていきます。
カメラとレンズの種類をプロンプトに加える
ここでやることのコンセプトは「Midjourneyにミラーレスカメラや一眼レフカメラのフリをさせる」ということです。
ChatGPTを使う場合を考えてみてください。ChatGPT自身にロールプレイ的に役割を与えますよね。
「あなたは経験豊富なマーケティング・ディレクターです。その経験に基づいて○○をしてください」
といったものです。これに似た役割をMidjourneyに与えてあげます。
とは言え、プロンプトは簡単です。前述のプロンプトに高性能なカメラとレンズの種類を加えてあげるだけです。
たとえば、
カメラ:SONY α7R IV
レンズ:FE 24-70mm F2.8 GM II
あたりを使う想定にしてみます。
プロンプトに追加するキーワードは次のようなものです。
Camera="Sony A7R IV", Lens="24-70mm f/2.8"
Midjourneyに与えるプロンプトとしては、
となります。
これで生成される画像は次のとおりです。
一気にフォトリアルな雰囲気になりましたね。
仕上げのプロンプト
最後に、画質をより補強するプロンプトを追加してプロンプトを仕上げます。補強したい情報は次のようなものです。
- Mountains : 山々
- photography : 写真
- majestic-peaks : 雄大な山脈、山の峰
- snow-capped-summits : 雪化粧した山頂
- rugged-terrain : 険しい山岳地形
- spectacular-views : 壮大な景色
- Magnificent-views : 雄大な景色
- high-definition : 高精細な画質
- ultra-photorealistic : 超フォトリアリスティック
風景や光景を写真に納める際に「どのような写真として表現したいか」というキーワードを設計して、プロンプトに 便宜上「Tag」としてセットします。
Midjourneyが画像を学習する際に、各種ストックフォトサイトなどでタグも含めて学習していることを期待するものです。
上記の情報をプロンプト化すると
Tag="Mountains,
photography,
majestic-peaks,
snow-capped-summits,
rugged-terrain,
spectacular-views,
Magnificent-views,
high-definition,
ultra-photorealistic"
といった形になり、最終的なプロンプトは次のとおりです。
これで生成される画像はこちらです。
細部がかなりリアルになったことが判ると思います。
前述の「Tag」として使った情報は、Midjourneyに表現力を与えるためのほんの些細なものでしかありませんが、この情報の作り込み次第では本当に素晴らしい画像を作り上げることができます。
私の Instagram でもその一端が垣間見えると思いますので、ぜひフォローしてみてください。
最後に
Midjourneyはリアルな風景画像を作成するには本当に強力で素晴らしいツールですが、描きたいものそのものをプロンプト化するだけでは真の実力を発揮することはできません。
撮影現場や撮影条件、カメラやレンズ設定、フィルムの素材や種類、ライティング、配色、各種情報の重み付け、Midjourney自体の制御パラメータなど、様々な情報を設計して作り込むことで、自由自在に画像を生成できるようになります。
今後、フォトリアリスティック画像生成の応用編なども公開していきたいと思いますので、ご興味あるかたはフォローをお願いいたします。
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