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TCO (Total Cost of Ownership)

コストに目に見える明確なコストと、目に見えにくいコストがある。
TCO (Total Cost of Ownership) は「総保有コスト」のことで、設備投資などに伴う購入から廃棄までにかかった時間や支出の合計をいう。筆者はかつて中小企業の役員をしていたが、メインフレームのリプレイスの際に、データ移行の費用がかかるので、同じ外資系のものを選択せざるを得ないと考えたことがある。しかし、TCOを知り、いくつかの業者から出された提案の選択の際に5年間のTCOの視点で検討した。現行モデルのままのリプレイスはデータ移行なしだが、イニシャルコストは2億、24時間365日稼働なので保守費用は年間1億、様々なコストを5年間で考えると10億近くに達した。結局最終的に選択した業者はイニシャルコストは1億、保守費用は年間5千万、データ移行も含めても5年間では4億で収まった。年間で1億以上の費用削減になった。
この場合はイニシャルコスト、保守費用が安かったため、迷うことはなかったのだが、仮にイニシャルコストが3億でも選択は変わらないという結論になる。しかし、資金調達の難しい中小企業の場合は、目先の利益に惑わされ現行モデルの選択になりがちである。
経営計画もそうだが、中長期的視点を持つことは企業経営には必要不可欠であろう。

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