野方/味噌麺処 花道

昔ながらの活き活きとした商店街が残るこの野方。
その商店街の外れに美味い味噌を食わせる店がある。

この味噌麺処 花道だ。
休日には昼飯時を超えても列を成すほどの人気っぷりだ。

そして通し営業という消費者の強い味方なのである。

つい、昼飯を食べ逃した。
昼飯を食べる時間がなかった。
なーんて時も日々の生活で良くあることだろう。
そして、旅行者にしてみても観光地を回り過ぎて何処もやってなかった。
昼飯時は込み過ぎていて何処にも入れなかった。
なんてシーンでかなり活躍するだろう。

この日も15時到着で待ちは二人。
店内は満席だ。
スタッフさんに呼ばれるまで暫し表のベンチで待つ。

「食券先買い」

どうも気温が下がってくると辛いモノを欲してしまう。
本当は辛味のないモノの方がより味の輪郭がくっきりと解るのだが、
体が欲するもんは仕方がない。

食券を渡しカウンター席へ。
野菜を大盛りにするかを聞かれるので大盛りにして貰う。
店内は炒め野菜の香ばしい匂いで溢れている。
いやー、冬は味噌だな。
誰が考えたのだろう。
寒い冬に日本固有の味噌を使うスタイル。
札幌の人たちが考えたのは明白なのだが、最初にやり始めた偉人に感謝したい。
2018年の東京でもその文化はしっかりと根付いてますよー。

メニューなんかに目を落としつつこういう風なオーダーもあるのか、と次回来店のシャドー・オーダーをしてみたり。
そうこうしていると━━━━

辛味噌ラーメン(野菜大盛)/チャーシュー増し/チンピラネギ
¥850/¥150/¥150

実にガッツリとしたビジュアル。
チャーシューに極太メンマ、そして炒め野菜がバドンと乗っかっている。

野菜やチャーシューを掻い潜り麺を引きずり出してみるとこの極太麺。
三河屋製麺の黄色い麺だ。
長さも申し分なく、すするとワシワシと小麦が詰まった食感がトロミのある濃厚な辛味噌と絡む。
辛さの方も恰度よく辛過ぎず、物足りなさもなく。
スープは豚や鶏ガラ、野菜を煮込んだ動物感強いスープ。
そこに白味噌基調の味噌ダレが入り一味などで辛味づけしてある。
まるでバターを溶かし込んだような濃厚さが出ていて美味い。

このブロック状の厚切りバラチャーシューがまた良い。
食感は柔らかく口で解ける。
ラーメンは肉料理だから(はじめて言ったが)

特徴的なのが極太メンマだ。
柔らかく炊かれており濃厚なスープや極太麺と良く合う。

野菜もシャキシャキ。
腑抜けた野菜とは一味違う煽り具合だ。
味噌ラーメンといえばラードでいためたもやし。
これ無しには語れない。

チンピラネギ

刻みネギの辛味和えだがこれだけで酒のアテになりそうだ。
もちろんラーメンに入れてみても違和感なく辛味とネギの風味ををラーメンに落とせる。

野菜増しは別皿で来るので適宜に食べ進めた後にラーメンの丼へ追加すると良いだろう。

こういうことですよ。

もりもりとシャキシャキに炒まったニラもやしを濃厚なスープと絡めて頂く。
それだけでもう手繰る箸は止まらない。

後先など気にせず行こう。

卓上の唐辛子と刻みニンニク(刻みってのが泣けるね)を投入して最後まで飽くことなく。

がっつりと味噌ラーメンを味わいたいならここに来ると良い。
都心からのアクセスもよくなにより通しで腹いっぱい食べられるから。

━━━━また別の日。
お気づきだろうか？

味噌麺処 楓にかわっている。

そうなのだ、毎週火曜日は先程に閉店してしまった味噌麺処 楓として営業しているのだ。

麺がかねてから追い続けている本場札幌の製麺所の麺をこの日だけは使っている。

辛味噌ラーメン(野菜大盛)/チャーシュー増し
¥850/¥150

違いが分かるだろうか？
真ん中にかけられているのが火曜日特別営業でしか食べられない「生姜餡」だ。

すりおろしの様にツンと尖っておらずまったりとしており、よーくスープや麺と絡むのだ、

そして、圧倒的な特徴としては西山製麺の細い縮れ麺である。
プツプツとした食感が特徴でこれぞ札幌といえよう。
これでいて加水率が高くプリプリとしているから不思議な食感だ。
ちぢれた麺とスープがよーく絡むのだ。

チャーシューはデフォルトの花道と変わらずな厚切りのバラチャーシューだ。
同じくデフォルト仕様の動物強めのスープとの相性が良い。

そしてメンマは極太ではなく本場っぽく細切れの歯応えあるモノ。
こういう細かい部分をしっかりと変えてくれるのも心を擽る。

ラードで素直に炒められたシンプルな別皿の野菜増し用ニラもやし。
歯ごたえがよろしい。

それをこう！！！

食べ勧めて野菜を増す頃には生姜餡が丼全体に回ってトロミがつきものすごい濃厚さを醸している。

そこに卓上の唐辛子と刻みニンニクをカマして一気にすすり上げる。

温まる……
濃厚な味噌ラーメンってのはどうしてこうも寒い中食べるのが美味いのだ。
これがもし夏なら夏で汗をかきながら食うのが美味いのだ、とか言っちゃうんだろうけど。
どちらにせよ、この花道(楓)の味噌ラーメンは東京で食べるに値する味噌ラーメンだと言えよう。
通し営業なのでハードルも低い。
是非行ってみて貰いたい。

営業時間

10:30～23時

※売り切れ次第終了

火曜日は「味噌麺処 楓」として営業

座席

カウンター6席
テーブル4席×2

備考

昼飯時ともなると流石に並ぶ。
土日祝は昼飯時を過ぎても並んでいる。
回転はわりかし早めなのでそこまで気負う必要はなし。