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ミラーレスカメラ、食わず嫌いしてました

ミラーレスカメラ、買ってみました!!

もしかしたらぼくが最後の一人かもと思っていたのですが、一眼レフカメラは日常的に使うけどミラーレスカメラはまだ使ったことがない人に向けて、最近ぼくがはじめて使ってみて、ハマりそうという話です。

まず一言、食わず嫌いしてたなあーー。

これまでミラーレスカメラをオススメしてくれたみなさん、素直に使ってみなくてごめんなさい。

一応書いておきますと、完全に初めてではありません。仕事で5年以上前に、ファインダーの付いていないミラーレスカメラの使いかたハウツーの本を何冊か執筆したことがあります。ですが、あの頃は原稿をあげるので手一杯で、余裕はありませんでした。個人的な経験としては今回が初めてになります。

ミラーレスカメラとの出会い

まず、年始に、ひょんなことから友人からフジフィルム製のX-T2という機種をもらっちゃいました。せっかくもらったので使ってみようと、ちょっと触ってみたのですが、メカ独特の安心感のともなった重さがすっと手に馴染みました。何枚か撮ってみたときのシャッター感触もすごくよく、全体的に一眼レフより少し下、と思い込んでいたぼくは、少し恥ずかしくなりました。

肝心の写真の写りですが、うーーん、良い!質感が出て、かつ、気になっていたノイズは出ないことはないですが、ノイズの出かた、粒子の荒れかたが非常にきれいでナチュラル。思い切り高感度の設定でも、ガサガサ汚くなることはなく、むしろ、一種のフィルターとして使えるようでした。

ここできちんとミラーレスカメラに取り組んでみようと、今度は、前から気になっていたSony製のα7Sを買いました。一気に2台持ち!

仕事で撮影を始めてから、ずっとCanon製の撮影機材を使ってきたので、とりあえずCanonのレンズがSonyのボディに使える、マウントアダプターを入手しました。

簡単な機種紹介

この記事は機材レビューではないのでアッサリと機種の特徴を書いていきます。

FujifilmのX-T2は露出設定などが全てダイヤルで行えるので、デジカメというよりもカメラ感が強いUIです。個人的には、20年前に写真を始めたときのパートナー、Nikon製のフィルムカメラ・FEと似た感じがして、懐かしいような、馴染みやすかったです。並べて撮ってみると、サイズ感が本当に近い。ちなみにFEのほうが少し重かったです。

色合いの設定もフィルムっぽい設計が意識されており、特にモノクロの写真はかなり良い感じのトーンの絵であがってきます。さきほども書きましたが、高感度設定時に発生してしまうノイズは本来マイナス要素なのに、むしろ美しい。カラーも、控えめながらしっかり色ノリの良い表現。スナップカメラとして、間違いなくいい仕事をしてくれそうです。23mmF2との組み合わせはAFも速いですよ(他のレンズではAFが遅い組み合わせもあるみたいです)。

旅行によく行く人などに、ぜひ薦めたいです。男性には軽すぎず、女性にはゴツくなりすぎず、持ち歩きやすいですね。

α7Sは、フルサイズセンサーながら今どきの写真用のカメラとしては低い1200万画素です。写真では今は2000万画素程度以上が主流なので、いっけん見劣りしそうに感じますが、動画的な観点ではちょうど4K(4Kは長辺が4000ピクセルの意味。単純計算で、4000x3000で1200万画素です)。つまり全画素を演算なしでそのまま書き出したら4Kと、動画を強く意識した数字です。

しかし写真目的でも、センサーサイズが同じで画素数が少ないということは、1画素あたりのサイズが大きくなることを意味します。画素サイズが大きくなることで(途中省略)、色表現やダイナミックレンジの幅にかなり期待を寄せていたのですが、立体感がすごい!!やはりダイナミックレンジも広いです。逆光でもディテールが残ってくれます。下の写真はα7Sで初めて撮った一枚。思わずニンマリしちゃいました。

ちなみにどちらも、この記事を書いている2019年3月時点、すでに後継機種が出ていますので、発売から数年経っています。いかに自分が遅れていたかわかります。いや、10年近く前の機材が今でも全然使えてしまうCanonを賞賛するべきか・・・?

投入への期待

とりあえず普段の持ち歩き用としてはどちらのカメラもとてもテンションを上げてくれるので、これからどんどん活用していきたいです。1年ちょっとInstagramで写真をあげていますが、最近は一眼レフとミラーレスをまぜまぜで投稿しています。最初はフォロワーの皆さんからなんか雰囲気が違う、色合いが違うと指摘を受けましたが、JPEG撮って出しをやめて、少しLightroomで整えたら、もう同じような感じで受け取っていただいているようです。たぶんクオリティの差ではなくて、テイストの差を気づかれたのかと。

α7Sはセンサーがフルサイズなので、いま使っているCanon一眼レフのレンズが(アダプターさえかませば)そのまま同じように使えます。特に、一番使うTS-E 17mm。あおりとシフトの効くレンズでしかも17mmという広角は、Canon製しか存在していません。これが使えるのは大きなメリットです。

今や、あおりもシフトもPhotoshopやLightroom内で編集できるので、他の一般的な広角レンズでも問題はないのですが、出来るだけ現場で仕上がり近くまで追い込みたいこと、後処理の工数がかかること、そして何より17mmの写りがすごくシャープで良好で、広く写りつつも違和感の少ない、インテリア撮影にちょうど良い画角・・・、ちょっとレンズの話に脱線しましたが、要はこのレンズが使えるのが嬉しいということです。

インテリアや建築関連の撮影には、AFは要らず、速写性も比較的求められないので、すぐにでも導入ができそうでした。高画素が不要なwebオンリーの撮影案件で、かつ撮影時間に余裕のあるときに少しずつ試している段階です。

ただ、実際の撮影現場では、悩んだりまごついたりする余裕はありません。カメラがトラブっても、何のトラブルかが瞬間的に分からないと怖いので、その機種をがっつり使いこなせるようになってから導入を検討、という風になりそうです。

投入への懸念

唯一不安なのは電子ファインダー。

ミラーレスが使いづらそうと感じていた大きな理由がファインダーでした。電子ファインダーは見にくいのではないかな、ということです。

まず、ピントの合わせやすさに関しては全く問題なかったです。愛用するCanonの50mmF1.2では一眼レフよりもピントの山が取りやすかったですし、AF合焦しているかどうかもすぐに分かりました。慣れの問題かなとか思っていたのですが、慣れるまでもなく、すぐにそう感じました。同時に、動きのある被写体はまだ難しいかなとも。

ぼくのやっている仕事の範囲で動きのあるものといえば、ロケでのファッションの撮影やイベント系の撮影になります。被写体の動きを瞬間的に予測(というと大げさだが実際そう)してシャッターを切ることが多いです。

電子ファインダーでは少しだけ、でも確実に少し、表示が実際の動きより遅れてしまうので、実際の被写体の動きに間に合わない、あるいは単純にタイミングを外してしまいそうでした。これこそ慣れの問題なのかな?

人物の動きや表情、ミスショットの検知としても、光学ファインダーだと撮った瞬間に、モニターで確認しなくてもある程度は「撮れた」「今のは顔が崩れた」「目をつぶった」と予想(だいたい正解)できるのですが、電子ファインダーではなかなか同じようにはいかなそうでした。

電子ファインダーが実用的なのも分かったのですが、光学ファインダーがやはり優秀なのも、同時に分かったというのが実感です。そして自分なりの使い分けの線引きも。これは大きいですね。「光学ファインダーのほうが完全に優れている」と盲目的に思い込んでいたのですが、優れている点がなんなのか明確になったことで、機材の使い分けがもっと意識的に行えそうです。

下のような、ピントの場所によって写真のニュアンスが大きく変わる写真も、けっこうスッと合わせられます。

あとは、デメリットと書くと難癖といっても良いのですが、α7Sはボディが小さいので、操作系も全て小さく、少しだけ使い勝手が悪く感じました。現場で感覚的にカメラを操作するときには、ある程度大きいほうがやりやすいかも、でもこれは完全に贅沢な悩みの類ですね。ただ、X-T2も小さいですが、操作系のダイヤルが大きく露出系は視認性も高いので、アクション的にはとてもやりやすく感じました。

よく言われるバッテリー保たない問題ですが、一眼レフでも予備バッテリーを持たないことはないので、ミラーレスカメラでも同じような仕事をしようと思えば、バッテリーの予備は持たないほうが悪い、くらいに考えています。そもそもバッテリーもすごく小さいので、予備を2、3個持ち歩くのは全然負担になりません。

これからのスタンス

ぼくは友人などからどんなカメラを買えばいいのかアドバイスを求められたときにいつも答えるのは、

・持ったときに手に馴染む
・なんとなく持ち歩きたくなる、撮りたくなる
・持ち歩きに負担ではない

主にこの3つです。今はデジタルカメラの基本性能や市場が成熟してきているので、スペックで薦めることはほぼありません。

そういうぼくなので、カメラを持ち歩くことの楽しさを再認識させてくれたX-T2、撮れる絵がとても楽しみなα7S。どちらもとても大切なカメラになりそうです。

最後に

ぼくはこれまで、デジタルカメラの性能を「きれいな写真が撮れるかどうか」で判断していました。仕事で撮影している以上、大事なことです。別に否定することはないです。

ただ、ぼくがこの2機種から教えられたのは、最近少し忘れかけていたことで、カメラってシンプルに写真を撮る遊び道具だな、ということ。風景と自分の間を、カメラが介する。例えば、虫眼鏡やカラーフィルムのように。どんな風に撮れているのかを見て、楽しむ。

最後にもう一度、もしこれまで一眼レフカメラしか使ってこなくて、ミラーレスカメラを使っていない人がいるとすれば、ぜひ使ってみてほしいです。新しい写真体験は、きっとあなたの写真生活にとってプラスに働くはずです。


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