真夜中の悪事
彼女が泊まりに来ると、
ついうっかりいらぬ夜更かしをしてしまう。
夜中の三時を迎える頃には、話し疲れて小腹も空いて。
コーヒーを淹れたのが運の尽き。
「罪深い…」
なんて呪文のように唱えつつ、
パンケーキ作りに手を出してしまったのだ。
せめてもの罪滅ぼしに…と米粉を出して
「グルテンフリーやで!」と免罪符のように振りかざす。
その勢いに乗り、ハチミツとヨーグルトを混ぜて
たっぷりのバターで焼き上げた。
部屋中幸せの香り。
表面は香ばしく、しっとりふわふわなパンケーキ。
「これはクリームチーズとブルーベリーソースが合うのでは?」と、付け合わせの研究まで始まり罪の意識はどこへやら。
メープルシロップにレモンを絞ったら、なんちゃってレモンスフレの味になったのがこの日のMVP。
後片づけが済む頃には、空も白み始めて…。
温まったお腹も頭もぽわぽわして、フラフラとそれぞれの布団に潜っていったのでありました。
ああ罪深い、丑三つ刻の宴。
女の子と過ごす夜は愉し。
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