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岩倉市産廃処理費用住民訴訟 市課長「(廃棄物の埋設確認終了する)開発検討段階終了は平成31年2月まで」

岩倉市産廃処理費用住民訴訟で、23/11/30に名古屋地裁で堀巌・元市議、市担当課長の尋問を行いました。

本件は、旧地権者が愛知県企業庁と「土地に産業廃棄物が発見されたときは、旧地権者が自費で責任を持って撤去します」という確約書を平成30年8月-12月に結びながら、令和元年7月土地売買契約後の令和元年11-12月に産業廃棄物が発見され、処理費用として旧地権者が売買代金の1割である約172万円のみ負担し、残り約1億1114万円を岩倉市が負担したのはおかしいとして、岩倉市長と愛知県が連帯して約1億1114万円を岩倉市に返還するよう求めた住民訴訟です。

堀元市議は元岩倉市職員。商工農政課時代、農業委員会の仕事を兼務していた経験があります。
市議時代の平成29年3月、農業従事者から「野寄地区の土地が産業廃棄物の中間処理場のような使われ方がされており、うちの田んぼに水が来ない」と陳情がありました。
堀元市議は商工農政課に話を伝え、その後に農業従事者と共に現場を確認し、当該土地は田んぼではなく廃材置き場のようだったことを確認しています。
令和3年3月議会に、市全体の違法農地転用について質問し、市は8筆くらい把握していると答弁がありました。
裁判官は堀元市議に対し、「本件土地に関し、産業廃棄物が埋設されているんじゃないかという話は聞いたことがないか」と質問し、堀元市議は「農業振興地域なので、基本的に違法転用されることはない。その土地に埋まっている状態は奇異であり、田んぼでないところがあるのはおかしい。もしかしたら産業廃棄物が埋められているんじゃないかという噂は聞いていた」としました。

市担当課長は平成28年4月から現在まで都市整備課長。うち平成29年4月~令和4年3月まで企業立地推進室長兼務でした。
原告代理人は乙4号証を示し、愛知県企業庁からいつ受領したか質問しましたが、担当課長はいつか覚えていないとしました。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/data/iwakuraotsu4.pdf



原告代理人は担当課長に「乙4号証にある③開発検討段階 が終わる時期はいつか」と聞くと、「平成31年2月まで」と述べました。
原告代理人は「平成31年2月までにやるべきこととして、『廃棄物の埋設、土壌汚染の確認』とあるが、本件土地1,2ではやっていないですね」と聞き、やっていないことを認めました。
平成31年1月24日に県企業庁に提出した産業廃棄物結果報告で、企業庁から「埋め立てし農地以外に利用されている駐車場や建物敷地については、実施していないため不明」との所見を加えるよう指示され、その後平成31年3月に本件事業地として決定がなされたことを認めました。
企業庁担当者から試掘調査をして欲しいと部下が言われたにもかかわらず、試掘調査はしなかった、契約前に試掘調査の申入れをしなかったことを認めました。
さらに、平成28年5月~平成30年1月までの間に、「川井町・野寄町土地開発推進委員会合同会議」が開催され、その場で「不法転用やダンプの進入」が話題になったことも認めました。
にもかかわらず、市課長は「産業廃棄物が本件対象土地のどこかに不法投棄されている可能性」があるとは思わなかった、柵で囲って雑種地として例えば資材置き場などに使うためにダンプが来ているという認識だったとしました。
また、市課長は「産廃発覚後の令和2年2月~3月、元地権者から『売買契約を破棄したい、土地を取り戻したい』と言われた。
市の顧問弁護士からは『土地売買契約の5割程度の負担を旧地権者に求めるべき』と言われたが、私が旧地権者と交渉し、『売買代金の1割負担』と言われたため、市としては旧地権者は売買代金の1割負担と決め、市の顧問弁護士には後で報告した」としました。
市課長は「旧地権者から訴訟が起こされたり、仮処分申請があった場合、事業が進捗できなくなる、頓挫するかもわからないと危惧した。
本件土地を除外した場合、採算性が失われて、隣接している土地も除外しなくてはいけない」と述べました。


次回2024/2/19(月)午後2時半~ 岩倉市産廃処理費住民訴訟 弁論(名古屋地裁1102号法廷・公開)を行います。
ぜひ傍聴下さい。


名古屋市民オンブズマン 岩倉産廃問題ページ
http://www.ombnagoya.gr.jp/tokusyuu/iwakura/

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