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自民市議「名古屋城バリアフリー市民討論会は、対立構造をあおった末の『官製差別』ではないか」

24/2/16に名古屋市議会総務環境委員会が開かれ、名古屋城バリアフリー市民討論会の「中間報告」に関して質疑が約2時間行われました。のちに河村市長を招いて約3時間質疑が行われました。

横井利明市議(自民)は「大天守地階は鉄骨等で支える案となっており、『史実に忠実』とはとても言えない。
なぜ河村市長はエレベータ―だけ問題視するのか。
『▲と市民』という形で常に対立構造に置くことで力を得ようとした人がいたのではないか。
今回はたまたま障害者であり、『官製差別』ではないか」と述べました。

河村市長は「『鉄骨のことがばれるとまずいからエレベータ―を問題視している』という推測は間違っている」と述べました。
また、市民討論会最後に述べた『熱いトークがあってよかった』は、複数の市議からの複数の追及でようやく不適切だと認めたものの、最後まで発言の撤回は行いませんでした。

・24/2/16 名古屋市議会総務環境委員会 説明資料
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240216.pdf
 
・令和6年2月14日 「名古屋城バリアフリーに関する市民討論会」における差別事案に係る検証について(中間報告)
 https://www.city.nagoya.jp/sportsshimin/page/0000172001.html
 
・24/2/16 名古屋市議会総務環境委員会
 名古屋市民オンブズマンによるメモ
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240216-1.pdf

ふじた和秀市議(自民)は「中間報告を出すに当たり、途中で『急げ』と名古屋城担当者からあったやに聞いているが」と質問し、
担当者は「事務局への直接的な働きかけはなかった」としたものの、鳥羽スポーツ市民局長は「普段の会話から『早くやって欲しい』と感じていた」と認めました。
ふじた市議は「10年ほど前、名古屋城天守復元に関し、『文化庁は木造以外認めない』と市議会本会議で当時の市民経済局長が偽りの答弁を行った。
今回『急げ』というのは何も改善していない。
やりたいことありきで、やるべきことをやっていない。
10年ほど前までさかのぼって深く掘り下げないと、根底的なことが解決しない」と述べました。

横井市議は「国際コンペは『バリアフリーの装置をできる限り最上階まで』が条件だったはず。
それがある日突然『1階まで』に変わった。
障害者団体と対話していた担当職員は信頼関係崩れ、仕事が止まった。職員の苦悩、葛藤はそこに苦しんだんだと思う。
人権問題もあるが、仕事の進め方でパワハラではないか」と述べました。

田口一登市議(共産)は「中間報告では、国際コンペを経て導入が決まっていた小型昇降技術について、アンケート項目で『どこまで設置するか』を削除したことが市民を誤認させたとあった。
市長の意向が関係していると推論せざるをえないとするが、事実関係があいまいだ」とし、ふじた市議が「市長を呼んで話を聞こう」としました。


委員会に出席した河村市長は、聞かれたことに正面から答えず、はぐらかしばかりでした。
肝心の「アンケート項目に『設置しない』を入れた理由」は結局『覚えていない』と答えました。

河村市長は「MHIとは別の『シャクトリムシ』『小型リニアモーター』技術に期待していた。しかし国際コンペに応募がなかった。
(のちに『シャクトリムシ』はリタイアしたことを認める)」と述べました。

横井市議は「令和5年度2月補正予算で、MHI契約に債務負担行為として7800万円予算計上している。それは必要ないという理解でよいか」と述べました。
https://www.city.nagoya.jp/shisei/category/68-6-2-20-6-0-0-0-0-0.html

河村市長は、市議が質問している際、不規則発言を繰り返し、複数回委員長から注意されました。
また、2023年10月住民票コンビニ交付導入時、河村市長が「奥さんが区役所に取りに行けばいい」と発言した際のことを聞かれ、「何の通知もなく質問するのは人権侵害だ」と述べました。

横井利明市議(自民)は「大天守地階は鉄骨等で支える案となっており、『史実に忠実』とはとても言えない。
https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/save/tenshu_information/uploads/92fbe410abef7d7aa02ccb663ef3be7b.pdf



なぜ河村市長はエレベータ―だけ問題視するのか。
『▲と市民』という形で常に対立構造に置くことで力を得ようとした人がいたのではないか。
今回はたまたま障害者であり、『官製差別』ではないか」と述べました。

河村市長は「『鉄骨のことがばれるとまずいからエレベータ―を問題視している』という推測は間違っている」と述べました。

ふじた市議は「無作為抽出で市民の意見を聞きたかったのであれば、市長がその場にいなければよかったのでは」と質問しましたが、河村市長は「出て行かないのは想像できない。欠席してはいけない」と述べました。

近藤和博市議(公明)は「討論会参加申込書に『“障害者に配慮”考えに疑問を持ったから』とあった。細心の注意を払うべきだった。
また、どうしてシャクトリムシ等の技術ができてから討論会をしなかったのか。
『8月復元検討委員会に間に合わせないと行けない』という強い意志があらわれたのでは」と述べました。
河村市長は2023年6月本会議での田口市議への答弁を繰り返しました。


市長退席後、ふじた市議は「市長の名古屋城木造復元への思いが強すぎ、職員らが過剰に『忖度』して討論会の時期を早め、アンケート項目に『設置しない』を加えた、という確信が固まった。
今回たまたま車いす利用者が参加し、差別発言が浴びせられたが、もし車いす利用者がいずにこの議論がなされたと思ったらぞっとする。『小型昇降技術をつける』という方針がひっくり返ったかも知れない。
とことん遡って市政運営、やり方が本当に正しいのかやらないと、人権問題は解決出来ないと思う」と述べました。


3時間にも及ぶ市長質疑でもいまだに不明な点があります。
1)どうしてアンケート項目に「設置しない」を入れたのか
2)どうして6月に前倒しで市民討論会を行ったのか
「検証委員会」には木造復元事業が提案されたころからさかのぼって検証いただきたいです。

今回、河村市長の「不規則発言」が、たまにマイクを切り忘れた際にネット中継で聞こえてきました。
このような「不規則発言」は、現場ではずっと聞こえているのだろう、委員会だけでなく、普段の「市長レク」でもこのような状況なのだろうと推察されます。

また、横井市議は「令和5年度2月補正予算案で、MHI契約に債務負担行為として7800万円予算計上している。それは必要ないという理解でよいか」と述べています。
大天守地階は鉄骨等で支え、その下はマットスラブの基礎をつける計画です。
令和6年度当初予算案では、木材保管料約1億円も計上しています。
https://www.city.nagoya.jp/shisei/category/68-6-2-21-1-0-0-0-0-0.html

参考:令和5(2023)年6月12日「特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議(第56回)
 『木造天守整備基本計画』
 https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/save/tenshu_information/
 09_第8章_復元計画と活用
 表-8.1.2 基礎構造検討例比較表
 https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/save/tenshu_information/uploads/92fbe410abef7d7aa02ccb663ef3be7b.pdf
 
「差別の城」を作ろうとしている名古屋城木造復元事業。
そもそも障害者団体は、MHIの小型昇降技術については「車いす1台、介助者1名では小さすぎる。バリアフリー等に基づき、大型で最上階まで登れるエレベータ―を望む」としています。
2024/2/20から開催される名古屋市議会本会議。補正予算・当初予算の活発な審議を期待します。

また、河村市長が24/1/29定例記者で発言した「中間報告が出てから市民説明会を行う」をぜひ実行していただきたいです。
https://www.city.nagoya.jp/mayor/page/0000171395.html

今回市議会委員会を傍聴しようとしたところ、「パソコン持ち込みはキーボードを叩くため『音を発生する機器』に当たると解釈し禁止」されました。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240216-0.pdf
委員会配布資料も、市議会公式ページからではダウンロードできません。
これだけ活発な質疑がなされてるので、もっと積極的にアピールしてはどうかと思います。


今後の予定

・24/2/19(月)10時半~ 河村市長定例記者会見
 https://www.city.nagoya.jp/mayor/category/316-0-0-0-0-0-0-0-0-0.html
・24/2/20(火)-3/22(金) 名古屋市議会
・24/3/16(土)14時 「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」月例会 市政資料館
 https://peraichi.com/landing_pages/view/protect-nagoya-castle/
・24/3/16(土)17(日)名古屋城石垣の積み直し現場体験!~石垣修復工事市民説明会~
 (24/2/22申込必着)
 https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/event/2024/01/20240125_4320.html
・24/3/24(日)13時~ 「水堀からみる城郭~守りの水の真価を探る~」(名古屋能楽堂)
 (24/2/29申込必着)
 https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/topics/2024/01/20240125_4316.html
・24/4/27(土)14時 「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」月例会 市政資料館
 https://peraichi.com/landing_pages/view/protect-nagoya-castle/
・24/5/25(土)14時 「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」月例会 市政資料館
 https://peraichi.com/landing_pages/view/protect-nagoya-castle/

・名古屋市民オンブズマン 名古屋城問題ページ
 http://www.ombnagoya.gr.jp/tokusyuu/goten/index.htm



2024年2月17日 19時23分 (2月17日 19時29分更新) 中日新聞
「熱いトークもあって良かった」不適切発言と認める 差別発言問題で河村たかし市長
https://www.chunichi.co.jp/article/855081

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