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24/4/21座談会「情報公開制度の問題点を語る-横浜市を中心に-」

かながわ市民オンブズマンは24/4/21(日)に座談会「情報公開制度の問題点を語る-横浜市を中心に-」を開催しました。

・議案書掲載資料
 http://kana-ombuds.world.coocan.jp/2024siryou1.pdf
・当日配布資料
 http://kana-ombuds.world.coocan.jp/2024siryou2.pdf

横浜市は23/4/1に横浜市情報公開条例を改正し、電磁的記録の写しの交付にかかる手数料の額が「従量制」とされました。
https://www.city.yokohama.lg.jp/city-info/gyosei-kansa/joho/kokai/r5henkou.html

改正前
・記録媒体の実費のみ

改正後
・記録媒体の実費+「1ページ10円」(ページ数があるもの)
 記録媒体の実費+「1ファイル210円」(ページ数がないもの)

これは情報公開の流れに逆行するとして、23/2/22にかながわ市民オンブズマンと全国市民オンブズマン連絡会議が連名で「情報公開手数料に関する申入れ書」を横浜市長に提出しました。
https://www.ombudsman.jp/data/230222.pdf

また、全国市民オンブズマン連絡会議は2023年9月に「デジタル情報公開度調査」を行い、元資料が紙・電磁的記録の場合、電子メール送付やダウンロードならば無料の自治体が5県(山梨県・長野県・鳥取県・山口県・佐賀県)と3市(さいたま市・岡山市・熊本市)があることを明らかにしました。
・レジュメ
 https://www.ombudsman.jp/taikai/digital230922-1.pdf
・資料
 https://www.ombudsman.jp/taikai/digital230922-2.pdf

今回、情報公開に特化した形で、座談会を行いました。

全国市民オンブズマン連絡会議の内田隆氏は「全国市民オンブズマン連絡会議が結成されて早30年。当初はコピー代も高く、閲覧手数料も取っていた自治体もあったが、全国市民オンブズマン連絡会議が行ってきた情報公開度ランキングなど自治体間比較を行い、開示度は相当よくなった。
https://www.ombudsman.jp/data/240421-3.pdf
現在では『メール送付ならば無料』の自治体が徐々に増えている。」と述べました。

かながわ市民オンブズマンの大川隆司弁護士は「最近は湯河原町議会秘密会会議録情報公開訴訟を行い、第二次訴訟も完全勝訴した。
全国で自治体に対する住民訴訟が年間約500件起こされているが、情報公開訴訟は1桁程度。
情報公開審査会だけでなく、もっと情報公開訴訟を起こすべき」と述べました。

かながわ市民オンブズマンの佐藤満喜子氏は「1981年に教科書採択が密室で行われていることを知り、1983年4月から施行された神奈川県情報公開条例を活用して1983年6月に情報公開請求を行ったところ、専門調査員の名簿が公開されるなど画期的成果があった。その後も会議の録音公開請求等を行っている」と述べました。

国の情報公開・個人情報保護審査会常勤委員だった森田明弁護士は「修習生になる直前から情報公開に関わりはじめてライフワークになった。情報公開はだんだん広がっていくべきだ。
ただ、国・地方自治体にとって『濫用的請求』は悩みの種であり、タイプ別に対応すべきだと考える」と述べました。

三木由希子・NPO法人情報公開クリアリングハウス理事長は「学生のころから情報公開法を求める運動を行ってきた。
東京都は『公文書情報提供サービス』として、審査請求・訴訟はできないが電子データのオンライン提供は無料で行っている。
一方、現状は情報公開請求の80%強が商業利用である。
情報公開請求における『実費』と『手数料』の議論をすると、『電子ファイル』の市場価格がないため、何を基準にコストの問題を考えるか、行政全般で負担すべきか、受益者負担が必要か議論が分かれている」としました。

また、かながわ市民オンブズマンの小沢弘子弁護士からは、実際に横浜市に電磁的記録を情報公開請求し、高額な費用を請求されたことが報告されました。
また、神奈川県内自治体情報公開手数料(費用)調査ならびに情報公開制度の運用状況調査(国・神奈川県・横浜市・相模原市・名古屋市・大阪市)が報告されました。

座談会では様々な議論がなされ、大変盛り上がりました。


・かながわ市民オンブズマン
 http://kana-ombuds.world.coocan.jp/
・23/9/22 全国市民オンブズマン連絡会議 
 デジタル情報公開度調査・情報公開権利濫用条項調査 発表
 https://www.ombudsman.jp/taikai/230922digital

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