就職

今年の4月で大学4年生になるらしい。ぼーっと、やらなくてはならない最低限のラインを最低限の力でやり過ごしていたらもう3年が経過していた。
周りからは就職という言葉を投げ掛けられる事が増え、なんだかこれはまずいのかも、と他人に急かされるようにとりあえず大学の就職ナビに学生登録をした。
就職ナビのページにはただでさえ「Webエントリー」「学内説明会」「求人票一覧」「体験談レポート」「キャリア相談受付」など、どこから手をつけたら良いのか分からないほどの項目が画面一杯に並べられている。
業種もいつから就活をすればよいのかも、何をどう選べばいいのかも分からない。「フリーワード検索」の幅の広さに辟易としながら、とりあえずで「出版・変就職」を選択してみたり、名前をかろうじて知っている程度の某大手企業の名前を検索してみたりする。この世の中には星の数ほど会社が多すぎて、その中に小さな社会や人間のコミュニティがあるのかと思うと本当に眩暈がする。宇宙から地球、その中の大陸、日本、東京、そしてここ市ヶ谷へ、テレビでよく見るような凄い速さでクローズアップしてゆく空中映像が頭の中をよぎった。

もう本当に分からない。今はインターンに行っているけれど、この社員の顔ぶれが全員分かる小さな会社でさえ様々な社内外の交流があり、私の請け負っている小さな仕事でさえ誰かと関わりがあると思うと、もう私なんて本当に必要ないんだと実感する。
ふっとすべてを終わらせてやりたい。
なにも抱えられるはずのないこの両手で何を掴めるのか。

ただ普通に働きたくて普通に生活がしたい。
器用貧乏だしこれだけがしたいという強いこだわりも最近は薄まってしまった。
何かしたいや叶えたいではなく、尊敬できる人たちが周りにいる環境で私を過不足なく評価・判断してくれる会社で働きたい。この人たちとなら、と信じられる場所で全力を尽くしたい。それなら私は職種を問わず頑張れる気がする。そんな感情ベースな就職活動なんて無謀だ。まさに雲を掴むような職探しを出来るだけ楽しみながらやりたいのだけど。

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