アキナイイエ2

アキナイイエをつくる(前編)

過去の日記で何度か触れてきてましたが、今年3月からは東京から鳥取大山町に拠点が移りました。ちょっと大きめの空き家(古民家)を借りることができたので、とりあえず宿とバーの開業に向けて、今は準備中だったりします。

若干ぼく自身の考えの整理もありますが、この家について、メルマガでは定期で触れていきたいと思ってます。

さてさて、まず今いる大山町についてですが、その位置から。いわゆる”鳥取”といえば砂丘を思い浮かべる人が多いかもしれませんが、砂丘があるのは鳥取東部(の端のほう)で、大山町があるのは西部で、ほぼ島根、ほぼ岡山といってもいいくらいの位置関係にある場所です。鳥取といえばの二つ目にあがる「水木しげるロード」がある境港市からもほどなく近い町。

0~1730m(海~山)の多様な暮らしがギュッと詰まった鳥取の西の町で。

人口は約15000人で、山がち、畑がち、海がち、と約1730-0mの地形と暮らしのバリエーションがあるところです。ぼくは、その海寄りの畑がちなところ、山のふもとのほうに住んでいます。そんな場所にある家を借りたわけですが、築60年ほどの古民家で、もともとは30軒くらいある集落の庄屋をやっていて、農業で(和牛を育てて)繫栄した家だったと聞いています。

とにもかくも、ぼくが今まで住んでいた家と比べると(地方取材ではもっと広い家を見てきたから何とも言えないが)、でかい。10部屋ある2階建ての母屋に、二階建ての蔵が3つ、それと二階建ての厩に、離れがひとつ。一人で住むだなんて広すぎて広すぎて。

だから、「住み開き」をして、自分以外の人も立ち寄れる場所にしようと今動いてるわけです。この話をするには、「アキナイイエ」というプロジェクトと、「な〇」という構想について話をしなくちゃいけません。

3つの”アキナイ”があるイエ

まずは「アキナイイエ」から。これは2年ほど前にはじめようと決めたプロジェクトで、ざっくりといえば、駄洒落をからませた、住職一致の家づくりをしていこうというもの。3つのアキナイがある家づくりを。

1. 飽きない・・・住んでて飽きない(ぼくが飽き性だからこそ)、通ってて飽きない。
2. 空きない・・・空き家の空きがない。住んでいたとしても家内に空きスペースをつくらない。
3. 商い  ・・・住むだけなく、(小)商いが生まれる。

ずーっと、この3つのアキナイを意識した家づくりをしたくて、ぼくは家を探していたわけなんですが、それができる家と出会ったのが、大山町だったわけです。

そもそも、「仕事なんて暮らしの一部でしかない」という考えなので、より自分の暮らしのペースを整えていこうと思うと、自宅で仕事ができたほうがいい。とはいえ、これまでやってきた編集・執筆業とか”客の顔が見えにくい”仕事はもうやりたくなかった。現場主義で、その場で完結するシンプルなものがよかった。

それもあって、宿であり、じつは20代前半からたくらんでいたバーをやることにしました。家であり、お店である。という、よく商店街とかにある1Fがお店で、2Fが住居みたいなかたちのやつですね、これ。

まあ、そういうわけで、ぼくの「アキナイイエ」プロジェクトは大山町ではじまることになりました。話が長くなりそうなので、「な〇」構想については、また次回書いていければと思ってます(やっぱり書きはじめると、そこそこ書いちゃうもんだなぁ)。

→後編

(「オミマガ」を一部編集のち転載)

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