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吉本坂46をみて「芸だけでなくストーリーも売りもの」のアイドル時代に突入していたことを実感した|人の付け入る隙のデザイン

生まれて初めてちゃんと”アイドル”を認識したのは、たしかモーニング娘だった。小学5~6年の頃、テレビをつけるとLOVEマシーンがやたら流れてたような気もする。

いつの間にかAKBが、ももクロが、でんぱ組が出てきてて...そう、なんとなく芸能界の中にいる”アイドル”というのを見てきただけので、自分の中にはこれといってアイドル論というのがないんだなーと気づいたのが最近のこと。

芸か、軌跡か

いつものようにYouTubeを観ていたら、「吉本坂46」の曲があったのでなんとなく再生ボタンを押してみた。

そういえば、「吉本でも”坂”つくるよ」というネットニュースを数か月前に見かけ、「芸人を売るために、吉本は本当いろんなシカケつくるよなぁ」と思ったのだった。それがいつの間にか、オーディション選考を終え、曲が出来ていた。

秋元康が関わるだけあってか、芸人とはいえ、やっぱりいいかんじの曲に仕上げてくるんだなー。それくらいがぼくの感想だった。で、YouTubeはコメントまでチェックするのが楽しみなので、ざーっと眺めてたら、あるわあるわ、アンチコメント。

おそらく、本家?の乃木坂やら欅坂やらが好きな人たちが、「芸人なんぞが坂を名乗ってアイドルやるな」というものがほとんど。で、一つ気になったコメントがあった。

可愛い、歌が上手い、ダンスが上手い、面白い、もちろんそれもアイドルを好きになる要素のひとつです。でも私がアイドルを好きになった一番の訳は、初めは前も後ろも分からなかった者たちの成長していく過程を、徐々に知っていくことで、そのひたむきな姿勢や努力が頑張りに心奪われたからです。

冒頭で自分にはアイドル論がないなぁと思ったのは、このコメントを読んだときだったんだけど、一瞬「アイドルって何だったんだっけ?」と考えたら、このコメントとはちょっと違っていたことに気づいた。

どんなスタートを切ったのかも、その努力も知らないけど、その歌や踊り、またビジュアルやしゃべりも含め、初めてみた圧倒的パフォーマンスで魅了されてしまうくらいのオーラをもった人たち。

というのがぼくの頭の中にあったアイドルだったわけで、その始まりやプロセスはなるべく伏せててほしいというか、ファンになった後の、二の次でいいことじゃないかと。というか、芸能で生きる人ってまずは芸ありきだと思うからだ。

それに対してYouTubeコメントにあったのは、どちらかといえば、アイドルになるまでの軌跡を含めたストーリーありきで、好きとか応援するかどうかを考えたいわけだ。

正直それはどっちが良くてどっちが悪くてという話ではなくて、ぼくはギリギリ昭和の人間で、おそらくこのコメントの人は平成生まれなんじゃないかと思ってて、アイドルの捉え方/受け入れ方ってのは20年もない中で激動してるのかもなぁと思っただけ。

つまらない映画ってのはなくて、角度を変えておもしろがり方をみつけるのが映画の醍醐味だ。みたいなことを言ってた人がいたけど、そう、物事の味わい方が増えるのはいいことだし。

人が付け入る隙のデザイン

そういえば、数年前にAKB48に関する経済学の本を読んだことがあったけど、たしかに総選挙から歌詞のつくり方までから徹底して、ファン巻き込み型で”余白”を意識しながら、人が入れ替わっても問題AKB48というプラットフォームづくりをしていると学んだような...。

バカリズム、劇団ひとり、東京03らのノンストップコメディ『ウレロ未完成少女』では、文字通り、「未完成だからこそ、伸びしろがあって、応援しがいあって、むしろそこが魅力だ」みたいなアイドルグループ(とプロダクションの)成長が描かれてたけど、まさに現代的アイドルを映し出してた作品だったんだぁあれ。

さっき”余白”と言ったけど、これはアイドルに限らず、「参加型の○○をつくる」ことはプロダクトづくりや場づくり、また組織づくりにも応用が利く発想なんだと思う。

どうやって隙間をつくって、そこに快く入ってきてもらうか。ちょっと言い方を変えると、気持ちのいい「この指止まれ」のかたちづくり。

その設計を考えるのも、すでにあるコンテンツの設計を分析してみるのも飽きないから、アイドルをはじめ、芸能分野にある取り組みを観るのが自分は好きなのかもしれないなぁ。と、書きながらの発見が一つ。

それと、近寄りがたい完璧な人(完璧に”壁”があるんだからそりゃそうだわ)より、欠点や隙がある人のほうがモテるという話があるけど、それって本当かも。弱さに人間味を感じるというか、情が湧くものなんだろうなぁ。というのがもう一つの発見。

さて、隙ってどうやってつくればいいんでしょうか。

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