ちくわじいさんばあさん。第1話。ちくわじいさんばあさん。
夜道をトボトボ歩く、ちくわじいさんばあさん。
はあ。歯も無いし。お金も無いし。膝は痛いし。おばあさん大変ですね。
ねえ。おばあさん。帰って何食べましょうか?おばあさんの好きな豆腐でも食べますか。
あれっ。おばあさん。返事が無い。おばあさん!
大丈夫ですか?只でさえ歯も無いし。お金も無いし。膝は痛いし。
これでおばあさんに何かあったら私は後を追いますよ。本当に!おばあさん!返事を!おばあさん!
興奮して道端で怒鳴りまくる、ちくわじいさん。
はあ。はあ。はあ。おばーさん!止めて下さい!なんで私が後を追わなきゃいけないんですか!
こう見えても朝と夜、ジョギングをしているんですよ!体は大事ですからね!
はあ。そのせいで膝は痛いし、腰も痛いし、しかもお金も無いし。歯も無いからご飯も食べれ無いし。
おばーさん!止めて下さい!それでも私は元気なんです。ほっといて!
はい。はい。
早く帰ってステーキ食べましょ。おばあさんの大好物の。
これからは暑くなって虫も出てきますね。蚊にも刺されないようにしなきゃね。
ねー。おばあさん。豆腐もステーキも食べましょ。豪華ですねー。
いつも、ありがとう。おばあさん。
こうして、ちくわじいさんばあさんは夜道をトボトボ帰って行った。
終わり。