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第三期パウパー神挑戦者決定戦 調整録

普段MOを中心にマジックをプレイしているもーりー(@Morley_pauper)と申します。

パウパー神に向けた調整のメモを書いた。


1.デッキ選択

MTG Goldfishのパウパーメタゲームのページ(リンク)や、PyotrPavel氏による記事(リンク)を参考に以下のデッキを持ち込むデッキの候補とした。

検討したデッキ
・親和
・バーン
・青黒テラー
・壁コンボ
・青単フェアリー
・ゴブリン頑強(モグワーツ)
・ボーグル
・オルゾフブリンク
・カウゲート
・フリッカートロン
・ファミリアコンボ

この中から以下の考えでデッキを絞った。

i.安定したデッキを使用する。


安定性が低いデッキでは3回戦ぐらいなら上振れて勝てても、8回戦ともなると話は別で、経験則そういったデッキで勝ち切る事は出来ない。

・ボーグル
初手が安定しない上に、初動を捌かれてしまうとリカバリーが難しい脆さもあるため除外した。

・オルゾフブリンク
cipで1ドローできる生物が大量に採用されているが、ゲームを決めてくれる《ゴライアスのパラディン》や《吸血鬼の君主》を引けずにゲームが長引くだけ長引き、負ける展開が起きやすい。そのため除外した。

ii.難しいデッキは極力選択しない。


パウパーはゲームが長引きやすいため、難しい局面が訪れた際に考え込む暇がそこまでない。そこで、ゲームが長引きやすかったり動きが複雑なデッキはよほどの理由がない限り採用しない事にした。

・ゴブリン頑強(モグワーツ)
難しい。コンボパーツ自体はシンプルだが、ベストプレイが何度対戦を検討してもわからないレベルで選択肢が多く、有識者曰く「パウパーで2番目に難しいデッキ」とのこと。そんなデッキを持ち込めるはずもなく除外した。

・フリッカートロン
ゲームが長引きやすい上に難しく、使いこなせる自信が一切なかったため除外した。

iii.「カルドーサレッド」「青黒テラー」「親和」に5分あるいはそれ以上戦える。


晴れる屋における神シリーズだが、普段そのフォーマットをプレイされない方も多数参加されるため、普段よりもトップメタのシェア率が高くなることが多い。そのため、現在のメタゲーム上位である「カルドーサレッド」「青黒テラー」「親和」のシェア率は普段よりも高くなることが予想される。故に、それらに不利が付くデッキは除外した。

・カウゲート
《溶岩の投げ矢》を増やしたバーンに安定して勝つことが出来ず、親和が置いてくる《間に合わせの砲弾》がうっかり定着してしまうと勝つことが出来ないなど、負けパターンがそれなりに存在するため除外した。

・壁コンボ
親和を使っていて壁コンボに負けることがほとんどなかったため、試すことなく除外した。

・バーン
親和を使っていて大幅に勝ち越していた上、青黒テラーにもそこそこ負けてしまうため除外した。

・青黒テラー
親和に不利なため除外した。

・ファミリアコンボ
親和に最も高い勝率をマークするデッキで、最後まで候補に残っていたが、青黒テラーに不利なため除外した。

以上の理由で最終的に親和を選択した。

2.構築

オーソドックスなリストだが、意識した点や採用理由を挙げていく。

i.全体

このデッキを構築する上で意識したのが、「押し付ける動きが強くなるように構築する」ことと、「『カルドーサレッド』『青黒テラー』相手に有利が付く構築にする」こと。 《虚無の呪文爆弾》のようなカルドーサレッドに対して効かないカードをメインから採用しなかった。

ii.土地

マナベースについて、「破壊不能を重く見たタップイン12枚構築」と「アンタップイン多めの構築」の2種類がある。

2ターン目に《胆液の水源》、《彩色の星》、《血の泉》を置けるか否かでこのデッキのスピードが大きく変わるため2ターン目はアンタップイン土地を置きたい。
破壊不能の部分については、赤いデッキ以外は破壊以外でファクトを対処してくるため関係なく、赤いデッキに対してはサイド後から増量する《水流破》でなんとかなる。
さらに、タップイン多めの構築の場合、そのままのスペル配分だと3ターン目までにドロソが打ちづらく、土地が伸びずターンパスになりやすかったため、1ターン目におけるファクトの増量か土地の枚数の増量など、構築へのテコ入れの必要を感じた。しかし土地の増量はデッキの強度が下がるためしたくはない。

以上の理由で、「アンタップイン多め」のマナベースを選択した。

また、アンタップイン土地を増やし過ぎると色事故が少し起きたり、《ケンクのアーティフィサー》でクリーチャー化する土地が足りなかったりしたため、アンタップインは11枚、タップインは8枚に。

iii.クリーチャー

・4《マイアの処罰者》
 確定枠。

・2《金属ガエル》
このカードが主に役に立つのは「自身より早いデッキ相手へのブロッカー」としてか、「素早く展開し、マイアの処罰者が出るターンを早める」2点。以上のことよりこのカードはターンが経てば経つほどその価値を失うため、あまり引きすぎたくない。特に青黒テラー相手は引きすぎることが負けにつながるため2枚の採用。

・1《グルマグのアンコウ》
追加のクロック枠。他にも候補となるカードはあったが、《殺し》に当たらない点と、《勢団の取り引き》を構えやすい事を評価してこのカードを採用した。 重ね引くと出せないため1枚の採用。

・1《ケンクのアーティフィサー》
追加のクロック枠2。破壊不能 3/3飛行を対処できないデッキも多く、親和や青黒テラーもその一つだったため複数枚の採用も考えたが、複数枚採用するとカルドーサレッドへの勝率が下がったり、重ね引いたときにクリーチャー化するアーティファクトが足りなかったり、単純に重かったりとデメリットが目立ったため1枚の採用。

・2《クラーク族のシャーマン》
このカードでしか返せない盤面が数多くあり、特にステッカーストンピィやカルドーサレッド、呪禁オーラへの勝率をグンと引き上げてくれるカード。重ね引くリスクよりもこのカードを2枚採用することによる勝率の向上の方を重く見たことと、マリガン時にボトムに送りやすくなることから2枚の採用。

iv.非クリーチャー

・4《命取りの論争》 4《彩色の星》 4《胆液の水源》 4《感電破》
確定枠。

・3《勢団の取り引き》
追加の《命取りの論争》であり、赤いデッキ相手にライフを安全水準までもっていってくれるカード。4枚目も取りたいが、重ね引きすぎるとコストとなるアーティファクトが足りなくなるため3枚の採用。

・4《物読み》
3枚に減らしているリストもあるが、このデッキにおいては4枚必須のカード。このデッキの目指すところはドローを連打しながらコストの下がったクリーチャーを連打すること。そのドローが途切れることが最悪負けに繋がるため最大枚数以外ありえない。

・4《血の泉》
3枚のリストも多いが、このカードをちゃんと通せるか否かが青黒テラー戦で重要になってくるため最大枚数の4枚の採用。

・2《間に合わせの砲弾》
相手の小粒クリーチャーを焼くだけでなく、終盤には土地をすべて投げて10点以上のダメージを与えるなど、明確な勝ち手段になるカード。
1枚採用が最近増えているがこのカードは明確に意識されており、メインから割られることすらあり、サイド後はさらに割ってくるカードも増える。また、青系コントロールやフェアリーには絶対通したい。それらを意識して2枚の採用。

・2《金属の叱責》
広く受けられるカードな上、《塵は塵に》対策にもなるためサイドの枠を開けてすらくれる。 重ね引いた時に打ちづらく、終盤に腐りやすくなるため2枚の採用。

v.サイドボード

・3《水流破》 2《青霊破》
主に対赤単用カード。4枚~7枚を試し、直前まで6枚だったが、うち1枚の枠を《クラーク族のシャーマン》に譲ったため5枚の採用。

・1《クラーク族のシャーマン》
前日に仲間から「追加の《クラーク族のシャーマン》が欲しい」と言われ、デッキに合計3枚入れると重ね引きのリスクが気になるとも思ったが、呪禁オーラ相手も見れるため、サイドに布告を採用せずにすむ点が気に入りサイドに追加の1枚を採用。

・3《ゴリラのシャーマン》
対親和用カード。最も簡単に勝つことが出来るため強い。破壊不能土地を並べられたときに弱いと感じていたが、しっかりトークンを割れば《血の泉》から回収した《マイアの処罰者》が即キャストできなくなり、その間に勝ち切ることが出来たり、ゲームを通して腐る事はほとんどない。
しかし、ゲーム序盤に重ね引いて腐る事はあるため、3枚の採用。

・2《取り繕い》
対《塵は塵に》用カード。他にも競合するカードがあるが、1マナのこのカードは序盤にも構えやすく、《幻触落とし》や《破壊的一撃》もカウンターできたり、《間に合わせの砲弾》に飛んできた《青霊破》をもカウンターできる点が大きく採用に至った。3枚目までとっても良かったが、白いデッキはそこまでシェアを伸ばしておらず、3枚目を採用するよりも他のカードに枠を譲った方が勝率が上がると判断し、2枚の採用。

・4《紅蓮破》
対青系コントロール用カード。青系コントロールは基本どのスペルを止めてもそこまで価値に繋がらないが、《熟考漂い》だけはカウンターできた時のリターンが大きく、ほかのカードよりもそれをしやすいカードなため、4枚の採用。また、青単フェアリー相手に《対抗呪文》と《呪文づまりのスプライト》のどちらもカウンターできる点も評価が高い。

iv.採用しなかったカード

・《歯車襲いの海蛇》
追加のクロックとして候補に挙がるカード。《殺し》に当たってしまうことと、《勢団の取り引き》を構えながらキャストしづらい事が気になり、今回は不採用。

・《テラリオン》
タップイン土地を増やした際に追加のアーティファクトとして考えていたのがこのカード。今回はマナベースをアンタップイン土地多めの構築にしたため不採用。

・《虚無の呪文爆弾》
主に青黒テラーと親和、ファミリアに当たるカードだが、これがなくても勝てることが多く、今回は先述した通り「押し付ける動きが強くなるように構築」したため不採用。

・《チェイナーの布告》《悪魔の布告》
主に対呪禁オーラ、青黒テラーのカードだが、今回は《クラーク族のシャーマン》の枠を作るためにも不採用。

・《予想外の牙》
対赤単カード。結局これを付けたクリーチャーを除去されては元も子もなく、スカされてしまうことも多いため不採用。

・《電謀》
対白単カード。最近MOでシェアが伸びているため採用を検討したが、リアルではそこまでメタが追い付いておらず数が少ないため不採用。

・《払拭》
他の青系コントロール対策のカードと違い、ミラーマッチでも使うことが出来るため評価が高かったが、先に述べたように対青系コントロールは《熟考漂い》をカウンターできるかが重要になり、それに触れないため不採用。

・《否認》
対《塵は塵に》カード。他の対策カードと違い、当たる範囲が広いことが優秀だが、そもそも他に消さないと負けるような非クリーチャースペルが少なく、序盤に構えづらいため不採用。

・《呪文貫き》
対《塵は塵に》カード。否認と被るが、ほかに消したいカードが少ないため不採用。

・《被覆》
対《塵は塵に》カード。《取り繕い》と比べ、緑系のデッキの《暴走の先導》に当てたり、重ね引いて腐り気味の時に相手の《定業》に当てることが出来るなど腐りづらいカードになるが、結局のところ致命的なカード、特に土地を割ってくるカードに当たることが重要なため、《取り繕い》のほうが優れてると判断し不採用。

・《悪ふざけ》
対親和用カード。このカードは親和以外のファクトを使ってくるデッキにも入れやすいのがメリットだが、最近流行っている《虚無の呪文爆弾》でまとめて流されてしまう点と、このカードにかかるマナがとても重く、自分の手が進めづらくなってしまい、その結果負けることも少なくなかったため不採用。

3.結果

5-3でプライズ圏外だった。

親和 ○××
赤単ゴブリン ×○○
オルゾフブリンク+ゲート ○××
壁コンボ ○×○
カルドーサレッド ○○
緑白ゲート+ボーグル ×○×
親和 ○○
青黒テラー ○○

4.反省

負けはミラーマッチと白系デッキのみとなった。

白系デッキ相手の《塵は塵に》をカウンターしてゲームを長引かせることには成功したが、そこからさらに相手が何をしてくるのか。それに対するゲームプランが足りてなかった。

オルゾフブリンクには《ゴライアスのパラディン》が5ターン目以内に着地し、イニシアチブを取り返すことが出来ずに負け。

緑白ゲートには、相手の《大霊の盾》が付いたクリーチャーを突破できずに負けてしまった。

どちらの負け方も布告系カードがあれば打開できた可能性があったため、どうにかして布告を詰むスロットを作る必要があるのかもしれない。

5.おわりに

このデッキを組んですぐの頃、いろいろな質問に答えてくれたdiscoverNさんをはじめ、大会で当たった方やフリープレイに付き合ってくださったすべての人に感謝申し上げたい。

第4期は出場できるか怪しいが、それまで継続してパウパーをプレイしていこうと思う。

また、現在親和における小テク集や各マッチアップでの考え方をまとめた記事を書いている。公開した際にはTwitter(@Morley_pauper)にて告知するつもりなのでフォローしていただけると幸いである。

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