義父から突然一眼レフが届いた。

少し前、ベビー用品の準備のくだりで「ビデオカメラは要らない？」と夫に連絡があったのだけれど、保育園や幼稚園に行く頃ならともかく、生まれてすぐはスマホで十分でしょ…という結論に至り、丁重に断ってもらった。

その後も何度か探りの連絡が来ていたものの、夫はのらりくらりと拒否してくれていたそう。
そんな中、急にやってきた一眼レフ(ちなみに新品ではなく義父が普段使っているもの)。

夫「あ、これで写真撮って送りなさい、ってことか…」
その発想はなかった。でもたぶん、いや、絶対それが正解だ。

自分が孫の成長を見たいから、孫の姿を写真や動画に収めておいて欲しい。だから家電量販店で働いているわけでもないのにそんなにずっとカメラ推しだったわけだ。

義父はとにかく不器用な人で、私は未だに一度も名前で呼ばれたことがない。でもなんだかんだ、一番孫の誕生をそわそわ待ってくれている。押し付けがましいわ、と思う気持ちもほんのちょっとだけありつつも…かわいいなおい。

私の病院は赤ちゃんとの面会はパパのみ、それ以外の家族は新生児室の外からガラス越しに眺めることしかできない。
義両親家から病院まで三時間は掛かるからそのためだけに駆けつけることはおそらくないと思うけど、果たしてこの一眼レフは入院中無事活躍してくれるのだろうか。
夫よ、頼んだよ。(自分で撮るつもりはない)

自分の父親とは正反対のタイプの義父。未だに苦手意識もありつつ、不器用さをかわいいと思えるようにもなりつつ。

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