見出し画像

【vol.2】神戸でキャリアブレイクと向き合うパイオニア・北野 貴大さん

今回は、神戸を拠点にキャリアブレイクをはじめ、様々なことに取り組まれているおもしろプレイヤー、北野貴大さんにお話を伺いました。
自分の感性を守るキャリアブレイクや、神戸を選んだきっかけ等について語っていただきました!

北野 貴大(きたの たかひろ)
新卒でJR西日本グループ入社。ルクア大阪をはじめとする駅ビルのプロデュース業務に従事。その後、プロデュース会社として合同会社パチクリを起業。女性向けのサービスやメディアのプロデュースをしている中で、一人ひとりのキャリアに関心が及び事業を展開。一時的に雇用から離れて人生を整える欧州文化「キャリアブレイク」の文化輸入事業も行い、一般社団法人キャリアブレイク研究所の代表を務める。

活動について

ーこんにちは。早速ですが、北野さんが神戸でされている活動について、教えてください。
2つの活動をしています。
1つ目は、合同会社パチクリで、商業施設や行政のプロデュースをしています。神戸のおじちゃんおばちゃんには、パッチリ屋の愛称で通っています(笑)
前職は、JR大阪駅直結の商業施設『ルクア大阪』を運営するJR西日本グループでプロデュースの仕事をしていました。前職を辞めたタイミングで起業したのですが、感覚的には、起業したというよりは前職の延長で独立した感じですね。
2つ目は、一般社団法人キャリアブレイク研究所で、キャリアブレイク関係の仕事をしています。キャリアブレイクとは、「離職や休職のタイミングで感性を回復させ、人生を立て直す時間を作ること」です。
ルクア大阪時代に無職専門の宿を思いついたことがあって。でも、ルクア大阪に結びつけるのは難しいなと思って、趣味として自宅で宿『おかゆホテル』を始めました。宿を始めると、たくさんの方がいらっしゃいましたね。

ー合同会社パチクリさんでのお仕事は、前職と同じくプロデュース業とのことですが、会社でやるのと独立してやるのでは何が違いますか?
意外と変わらないです。元々、ルクア大阪時代からJRのことはクライアントだと思いながら働いていました。
組織の中に従うのではなく、どう貢献するか、どうインパクトを与えられるか、というマインドで働いていたので、働き方自体はそんなに変わらないですね。クライアントさんが増えたことが1番の変化でしょうか。

ー組織の中に従うのではなく、どう貢献するか、どうインパクトを与えられるか、というマインドは初めからあったのですか?
新卒からそうだったわけではないです。変わり始めたのは、自主活動を始めた入社2年目くらいからですかね。当時は、商業施設のテナントを呼んでくるリーシングの営業をしていたのですが、会社のミッションに応えるだけでは少し退屈を覚えるようになってきました。
そんな折、知人が梅田で大運動会をするとのことで、参加してみることにしました。運動会では、梅田中の企業の人と知り合って、利害を超えた繋がりができた感じがありましたね。
誰に頼まれたわけでもないのに主体的にイベントを企画し、資金を調達したり、集客したり。プロジェクトの動かし方を学び、練習した時間でしたね。最初は半分見ているだけでしたが、主体的な大人がプロジェクトを動かしていく姿を見る中で、気づけば自分自身も動かしていく側になっていました。

ー『おかゆホテル』にたくさんの人が集まった理由はどこにあると思われますか?
自主プロジェクトは、やりたいことを形にすることではなく、会社・社会・自分のやりたいことが一致して初めてできることだと思っています。
いわゆる「三方よし」ですね。聞き慣れてしまっていますが、本当に良い言葉です。
『おかゆホテル』は三方よしが叶っていたので、情報を届けようとする前に、必要としている方の元には勝手に届いた感覚です。

拠点について

ー神戸を選んだきっかけを教えてください。
起業のタイミングで神戸に来ました。人の繋がりの多くは大阪にありましたが、大阪と神戸は生きるリズムが違う感じがして、神戸を選びました。
海が広がる神戸は、地球に住んでいる感覚を噛みしめられて、人が生きるのに適したリズムを感じます。人生を作り直すつもりで神戸へ来ました。

最近について

ー最近面白いと思っていることがあれば教えてください。
会社という組織から社員が飛び出つつあるなあと思っています。全部飛び出すんじゃなくて、腕だけとか、足だけとか。ちょっとだけ飛び出している人が増えている気がします。
会社は新しい価値を求めますが、会社から飛び出た活動は、目的も目標もなく、ただやりたいことを真正面にできることが良いと思っています。
会社内のように、自分の日々の業務を新しい価値に無理やりこじつけると、「私」が主語ではなく、「会社」や「誰か」が主語になってしまいます。
会社からでて「理由もないのにやりたいこと」をやっている人が増えてきたことは面白いですね。

ー最近興味のあることは何ですか?
UIJターンのリブランディングに興味があります。
都会でキャリアを積んでから地元に帰ってくると、都会で負けてしまった弱さみたいなところが目立って都落ち扱いされる風潮があるなと。そういう人たちが帰ってきて、輝けるようなUIJターンを作りたいです。キャリアブレイクは、都会から帰ってきて人たちのリブランディングに活用できそうだと思っています。
その一方で、田舎には田舎の文化があって、どこに行ってもトラブルは存在します。紆余曲折することや、自分の感性を守る方法を知っているだけで、楽しく生きられるはず。人生を楽しめる人は、自分の状況を把握し、自分の感性を守る選択肢を持っていると思います。
感性を守るためのキャリアブレイクは、文化的解決ともいえます。文化として生まれたら、受け入れられやすくなるのです。
日本は工業大国だったので、工業で働くというリズムが染みついていると思います。私はそんな様々な人たちが様々なタイミングで、リズムを整えたいときや自分の感性を守りたいときに選択できる文化として、キャリアブレイクを楽しんでいる社会を作りたいです。

ー会ってみたい人はいますか?
UIJターンの事業に関わっている人に会ってみたいですね。

さいごに

ー読者の方に一言お願いします!
あなたの人生に幸あれ!

キャリアブレイクを通じ、自分の感性の守り方を文化にしていく北野さん。世の中の人々が自分らしく、楽しく生きられるように活動されている姿が印象的でした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?