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【vol.7】阪急阪神沿線で様々な出会いを楽しむボランティアコーディネーター・岡 秀和さん

今回お話を伺ったのは、甲東園をはじめ阪急阪神沿線の様々な箇所でボランティアコーディネーターやボランティアとして活躍する岡秀和さん。
ボランティアコーディネーター!?おたがいさまプロジェクト!?
さまざまなボランティアのお話を伺いました!

〈プロフィール〉
岡 秀和(おか・ひでかず)
大学2年生で初めて子どもと関わるボランティアをした際に「また来てね」「おかちゃんとまた遊びたい」と子どもたちに言われてからハマり、少しのきっかけを行動に繋げることでできることがあることを知る。現在、関西学院大学のボランティアコーディネーターとして働いており、学生ボランティアコーディネーターとともに大学生と地域などの人々・活動が出会うきっかけづくりに取り組んでいる。

また、自身のボランティア活動として、被災支援ボランティア団体「おたがいさまプロジェクト」で理事・青年メンバーとして団体運営、写真洗浄ボランティアの参加・運営、被災地現地支援(福井県南越前町、熊本県人吉市など)などを行っている。

その他
・西宮市社会福祉協議会ボランティアセンター運営委員会委員
・日本ボランティアコーディネーター協会運営委員
・任意団体あわひ
「たった一人から始める居場所作り」アキボシ運営メンバー
・防災士
などとしても活動しており、フットワークの軽さと人と一緒に面白いことをつくることがライフワーク。

活動について

ー普段されている活動を教えてください
まずは、仕事のことからお話しますね。
職場である関西学院大学では、大学生にボランティアを紹介する仕事をしています。
ただ紹介するだけではなく、ボランティア啓発のイベントなどを学生と一緒に企画し、学生のアイデアをともに形にするのが私の仕事です。
現在は、12月に学内とキャンパス周辺地域で開催するボランティアweekに向けて準備を進めています。ボランティアweekは毎年開催しており、気軽にボランティアに参加したり地域活動のことを知るきっかけとして機会をつくっています。こうした企画は、私たち職員としてのコーディネーターが企画するものもあれば、学生コーディネーター発案の企画もあります。

今年のテーマは、「chocoボラ」。
(chocoZAPならぬ、ちょこっとボランティア略してchocoボラです。笑) 
エコキャップ回収、切手整理ボランティアなど、身近なところからできることがあるということを知ってもらったり、ボランティアツアーを組んで、子どもや高齢者など多様な世代とかかわる機会を作ろうと学生たちが思いをもってせっせと準備を進めています。
今までは学内での取り組みがメインでしたが、コロナが落ち着いてきたので現場にも出られるようになったことがとてもよかったです。

仕事以外でも、ボランティア活動をしています。
例えば、西宮市社会福祉協議会(社協)の中にあるボランティアセンター(ボラセン)では、地域から集まってくるボランティアの紹介やボランティアをつなぐ活動をしています。私は、そのセンターの運営委員会の委員をしています。
「これからボランティアがどうあるべきか」という問いを委員で協議しながら一緒に考えていますが、私は、学生と社協がもっとゆるく身近な形でつながれば、と思いながら活動しています。
例えば、夏休みにボラセンにある交流スペースを用いて、小学生が勉強も遊びも楽しめる「夏やすみわくわく広場」というイベントを学生×社協のコラボレーションで企画しました。社協ボラセンのコーディネーターの皆さんが学生のアイデアを受け止め、一緒に形にする機会を持っていただけたことはとても大きな意味がありましたし、参加した子どもたちも「来年も開催してほしい」と言ってくれて、企画した学生たちにとっても、充実した経験となりました。

また、神戸の三宮にて、被災で汚れてしまった写真を洗浄する「おたがいさまプロジェクト(おたプロ)」の運営メンバー・理事をしています。
おたプロでは現地で子ども遊びや傾聴サロンの活動をするだけでなく、神戸を中心に阪神間の地域で、水害で汚れた写真を洗浄する「写真洗浄」をしています。実は濡れて汚れてしまった写真も、できるだけ早く乾かせば元通りになります。
コープこうべとも協力し、洗浄会や防災セミナーを開催しています。

ーボランティアの面白さはどこですか
人がつながるきっかけを作るところに面白さを感じています。さらに、そこに若者がいることにも意味があると思っています。
被災地に行った際、「若者は来てくれるだけで元気が出る」というお声がありました。地域行事をしようとしても、高齢者の方々だけだとなかなか腰があがらない中、「若者が来るなら一肌脱ごう」と頑張れたりするケースもあります。
自分自身や自分より下の世代が、そういう場に出会っていって地域を元気にしていけたら何よりです。

ーボランティアをはじめたきっかけを教えてください
入り口は、関学の社会学部でゼミ活動をしていたことです。
ボランティアに興味はあったものの、踏み出せていなくて。そんな折、ゼミ選択の際に、ボランティアを通じて共生を学ぶゼミがあることを知り「やりたい!」と思いました。
でも、自分にできるかな?と不安で。高校時代の親友に相談してみたところ、「お前にはあってると思うから、やってみ」といわれて、とりあえずやってみたことが始まりでした。
最初のボランティアとしては、福島第一原発事故の影響で関東圏から西宮市に引っ越してきた方々に向けてのクリスマス会の企画を担当。
当日含めてずっとそわそわしていましたが、いざやってみたら親御さんと仲良くなれたり、子どもが懐いてくれたりして、やってみるもんだな、という感覚がありました。
その後は、「一つでもやる理由があるならやってみる」というゼミの先生の言葉に影響を受け、色々な場所でボランティア・フィールドワークをしようと足を運ぶようになりました。

拠点について

ー活動されている場所(まち)を教えてください
実は、阪急阪神沿線にはたくさんゆかりがあります(笑)

仕事場の関西学院大学は甲東園駅にあること、また西宮市社会福祉協議会が今津駅にあることなどから、そのあたりがゆかりのあるエリアです。

写真洗浄のおたがいさまプロジェクトは、神戸三宮。
沿線のコープこうべのみなさんとも活動しており、優しく温かい心を持った皆さんと活動するととても癒されます。
また、KIITO(デザイン・クリエイティブセンター神戸)で活動することもあります。
KIITOでの活動では、サッカーチームのヴィッセル神戸のファンが、「ヴィッセルの選手が地域のボランティアしてるから僕も来てみました!」という学生が来てくれたことも面白かったです。笑
人の輪が沿線でつながっていることを感じますね。

また、鳴尾で活動する「NPO法人なごみ」の方々と出会ってから、西宮エリアの様々な居場所づくり活動をしている方々とのつながりもできました。地域を元気にしていこうという活気に満ちた方々と出会うことで面白いことに巻き込まれる感じがあって、学びが多いです。

そして、住まいは塚口。
本当に阪急阪神沿線の色々なところと繋がっています。

ちなみに、学生時代も尼崎でボランティアをしており、武庫之荘の小学校横の水路「むこっ子ロード」で月見の時期に灯篭を浮かべたりなど、行政と市民の皆さんと一緒にイベントをつくるなどして活動していました。
卒業後も緩やかにつながっていたのですが、家探しをする際に、地域活動×住みやすさの軸で尼崎に引っ越してきました。

こうしたことからも、昔からの縁と新しい縁がつながってきている感じがありますね。僕の趣味はアメフト観戦なのですが、「アサヒ飲料クラブチャレンジャーズ」という社会人チームが地域活動に積極的に取り組むなど、スポーツも地域とつながっていく機会があったりで、面白いです。
あと、「尼崎ソーシャルドリンクス」という、飲みながら社会課題解決について話しながら交流するイベントがあるのですが、市長とめっちゃ近くで話したりすることもできたりで、尼崎の面白みを感じています。

ー阪急阪神沿線の好きなところ、想いを教えてください
まず、住みやすさですね。
便利な場所って、ベッドタウン的にただ「住むだけ」の場所になりがちですが、阪急阪神沿線は土日や平日の夜に市民活動が盛んにおこなわれていて、きっかけさえあれば参加できる余地があります。「なんとなくイベントに来てみたけど、楽しくて5回目!」みたいな方とも出会ったことがあるので、輪に入りやすい土壌があると感じます。

最近について

ー最近「面白い」と思っていることはありますか?
面白いことだらけです!常日頃、面白いと思って過ごしています。
ボランティアコーディネーターとして働き始めた最初の3年くらいは、ボランティアとコーディネーターの仕事とが離れてしまっている感覚もありましたが、最近はその垣根を超えるというか、交わりつつある感じがします。それは、自分自身もボランティアをしながらコーディネーションをしていくという視点が持てたからだと思います。
最近、おたがいさまプロジェクトで10歳以上年齢が下の世代の仲間たちとも「団体をどうしていくか」を考える時間があって。コーディネーターをしているだけでは見えない現場の面白さ、むずかしさをひしひしと感じながら、でも一緒にやることで見えることがあるという感覚を持っています。「違う視点がまざりあっていく、一緒に作っていく過程」を共にするのは面白いですね。
最近は、誰かや何かに貢献したい・他の世代とも交わってみたいという若者世代も増えているように感じます。中には自分自身の悩みや課題がある方もいますが、だからこそ貢献できることがうれしいという感覚や、人との繋がりができることがボランティアのモチベーションになっているようです。でも、いろいろな不安もある。だからこそ僕たちコーディネーターが伴走し、支えあいながら活動に参加したり継続する仲間になれたらと思います。

今後について

ー今後やってみたいことを教えてください
「繋いでいく」から「混ざりあう」への移行です。
地域の人も大学やボランティアセンターに来るし、学生も地域に出ていく。そうしたことに壁やハードルを感じることなく、融合していくような世の中になればと思っています。
そしてそれは、僕自身が、現場とコーディネーター、両方の視点を持っているからこそ実現していけることだとも思っています。

ーつながってみたい人はいますか?
何かしたくて、でも不安があって踏み出せない、でも何かしたいし、というもやもやを抱えた人たちと出会いたいです。一緒にその不安を共有しながらも、小さな一歩をともに考えたいです。

ーお会いできる場所、機会があれば教えてください。
関学のボランティアセンターはもちろん、おたがいさまプロジェクトでの写真洗浄会に来ていただくのもうれしいです。

最後に

ー投稿の閲覧者にひとことお願いします
身近なまちにつながっていける方法は、大なり小なり何かあるはずです。
「ちょっといってみようかな」から人生の幅が広がり、自分の支えになるものが見つかります。
身近にある、新たな世界。重く大きくとらえる必要はありません。ぜひ気軽に捉えて、一歩踏み出してみてください。
でもその一歩は一人で踏み出すのは重くなってしまうかも。
そんなときは、周りの人に頼ってみてください!
もちろん、僕も力になりたいと強く思う一人なので、遠慮なくご連絡いただけると嬉しいです。

仕事・プライベート問わず様々な形でボランティアとして活躍される岡さん。
「繋がる」から「混ざる」へ移行した世の中は、きっと色んな化学反応が起きるのだろうなと思いました。

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