ハズビンホテルの楽曲群

Amazonや公式Twitterが公開に前向きで、現在ほとんどの楽曲がネット上に公開されております。

※暴力、性的な描写が含まれます。苦手な方は再生しないようお願いします。

■パイロット版

まずはここから。インディーズ版のような立ち位置の作品。声優さんの入れ替えがあったので、Amazon版とはまた違った雰囲気。
Amazon版は、このパイロット版の数日後くらいの時間設定のようです。

アメリカでは(日本もそうかもしれないけど)まずパイロット版を作成して出資者を募り、そこから商業化を目指すクリエイターが結構いるらしい。ドラマや映画では、このパイロット版作成の時点で何億円もかけることもあるとか。

有志による日本語吹き替え版や日本語字幕版も制作され、たしかオリジナルの許可を取った上で投稿されており、今も残っているはず。


そして出てきたADDICT。ハズビンホテルはYouTubeに複数の音楽作品が投稿されていて、アニメ付きのMVがこちら。
作中の時系列ではパイロット版の前、エンジェルがチャーリーのホテルに転がり込む理由になったエピソードの様子。
スタッフロールの後に続きがあり、ファンはここから3年待機。ながい。

他にも色々発表されているのですが、ちょっと追いきれてないので割愛。


■一話

何かするたびに問題が起きることで有名なチャーリーさん。
今日は最高の1日になる!と自信たっぷり。
Sinner(罪人たち)は自分の家族だとのこと。
せっかく多言語なので色々聞いてますが、イタリア語のマフィアファミリー感がいい感じなので結構おすすめ。

交渉は決裂し、次回のエクスターミネーションも早まって踏んだり蹴ったり。
アダムのギターを模した歌声がとても印象的。歪ませてギューンみたいな声がとてもかっこいい。
コーラスに男性っぽい声が入っている様子。天使軍団は男女混成?

■ニ話

安心の夫婦漫才。Voxの曲がジャズの進化系っぽい曲調なので、アラスターと趣味が似ているのかも知れない。
3、2、の掛け声と共に始まるテレビの収録風の導入が、緊張感あってとてもかっこいい。服装といい、赤と青で対比構造になっているのでしょうか。

サーペンシャスの人生を変えた一言。
以降はキーキーやチャーリーの親子関係に涙していたりと、愛に満ちた演出が目立ちます。
帽子どうなってるんだろう。

■三話

2周目で聞いた時の破壊力が尋常ならざる曲。
カミラとバギーは愛に一途な感じが良く似てる。バギーの長髪やリボンはチャーリーの趣味なのかも。
カミラさんなにげに3曲も歌ってて出番多い。
バギーは自身の出自を命の恩人に告げられない苦悩といったところでしょうか。天界は月みたいな場所にある世界なのか?
隣に浮いているのは魔界か何か?地上?

ベルベット登場。天使の首を投げて蹴り飛ばすくだりが最高です。
カミラとゼスティアルの関係値も気になる所。ベルベットはアシンメトリーなファッションが特徴的。ババアとか言っちゃってるので相当若いのかも知れない。

■四話

YouTubeでは規制のためか画像差し替え版。
ちょいちょいヴァレンティノに組み敷かれていたりと、エンジェルダストは歪んだ愛憎にお疲れっぽい。
手足が長いので動きがいちいち映えるし、人気のポルノスターということで色気もマシマシ…だけど自壊しかかってる危うさが凄い迫力で訴えてくる曲。
見るのがつらい。けど目を背けてはいけない気がする。
原語を変更するとニュアンスや翻訳される日本語が微妙に変化している気がするので、原語の翻訳になっているのかも知れない。気の所為か!?


ああ…

語彙力が失われてしまう曲。ビルボードでも上位につけているらしく、世の中のお疲れさんの心にハスクの歌声が沁み渡る。
パイロット版にエンジェルはハスクがモロタイプみたいな設定があったはずなので、関係値が大幅に改善される展開はアツい。
本編では敵の乱入で途切れてしまいましたが、サントラ版ではJust like me…の余韻が最後まで聞けます。とてもいい。

■五話


パパ登場。ミ厶ジーも登場。
アラスターとチャーリーの父親枠を巡って争ってるのが面白かった。無言のまま楽器で張り合ってる演出も楽しい。
アラスターはジャズとウイスキーが好きという設定が明かされたので、生前はジャズバーでピアノ弾きながらウイスキー飲んでたのかも知れない。
話の最後でミ厶ジーとアラスターが言い争ってる時、ちょっとだけ満足気なハスクも印象的でした。

夢のために戦う父親を見て育ったと。
離婚(別居してるだけ?)後のわだかまりも解消されたようです。天界を追われたので、今はチャーリーを守る事が私の全てだ、というような内容の歌詞。こういった背景設定の奥行きが作品の印象を深くしているんだろうか。

■六話

天界の紹介をしてくれる人。
名前がわからない。字幕調べるか。

Saint Peter(Darren Crissさん)

という名前でした。クレジットや外部サイトで確認。
街で流れているBGMが後のミュージカルパートで再び流れていたりする。
別作品ですが、puipuiモルカーは作中の全ての曲がメインテーマのアレンジだったりします。
ハズビンホテルも繰り返し出てくるテーマが意外と多いので、耳を澄ませば新たな発見があるかも知れない。

この曲が作中で最もゴージャスな気がする。チャーリー、バギー、アダム、リュート、エミリー、セラの主張がぶつかり合う曲。シリーズ全体で見ると、ストーリーの転調にあたる部分かも。
リュートのよく通る強い歌声もとてもかっこいい。エミリーの歌唱力もかなりレベル高い。セラも上手い。これが天使の歌声というやつか…

■七話

説得に成功したらしく、カミラから戦いの手ほどきを受けることに。
復讐ではなく愛のために戦え、というメッセージはカミラの経験からくるものでしょうか。オーバーロードがみんな優しい。
イタリア語だとLOVEがアモーレに。いい。

歌詞はかなり血なまぐさいのですが、ものすごく感動的な曲。
これまで歌うたびに問題が悪化し、すっかり自信を喪失していたチャーリーですが、初めて歌による問題解決に成功。
食人族は歌って踊りながら人を食べるのが大好きということ…コワイ。ホラー映画の要素もある。


■八話

エンジェルの部屋の前らしい。不安で泣いているチャーリーのために、バギー歌います。
二人とも歌が上手いので、短い曲なのに余韻がすごい。
ちょっと周囲キラキラしてるところとか、その後のキスシーンも破壊力高かった。


大団円。

終わってみると今回のシーズン1は、パイロット版の演出に奥行きを追加して再編集したような感じ。エンジェルが昇天すると思わせといて、本当によく出来た作品でした。
楽曲は登場キャラクターが多く、ニフティやチェリーボムも参加。
Veesのパートもかっこいいし、アラスターも復活。なんかこう圧倒されたまま終わった。映画館でエンドロール終わっても動けないような満腹感。良かった。

■で

観終わった後に、世界の景色が今までとちょっと変わって見えるような作品こそがよい映画である、とどこかの映画評論家が言っていたのですが、自分にとってはまさにそんな作品でした。
アンテナのばしてそういう良い作品はなるべく拾っていきたいものですが、最近の洋画はなんだか元気ない気がする。新作情報に触れる機会が減っているのもあるけど。

■考察とか
ハズビンホテルの世界観を理解すべく創世記の解説本を読んでみたり。十字架のカタチは罪によって横に断たれた世界を神の愛が縦に貫くような構造になっているのだとか。
最後に愛の力で解決する作品は世の中に少なくないですが、何千年も語り継がれる創世記の主題ということで、それなりに理由や説得力があるし、語り継がれるべくして語り継がれている結末なのかも。

人の罪への罰が死であり、全人類の罪を背負って死んだのがキリストで、赦されたキリストは復活して、その他大勢の人間もついでに赦されたのである…というストーリーは自己犠牲に肯定的な印象。
あと神の要求値が強め。一人息子を生贄に要求したり、100歳のカップルに子供を求めたり。
無償の愛を是とするようなところがあったり、人は間違えるよう神に作られた、献身的なのはいいことだぞ、神に逆らうな、あんま調子に乗ってると滅ぼされるんだよねぇ
などなど、情報量が多い。欧米は学校とかでこういうの勉強するんだろうか。


これらを踏まえても、昇天の条件はやはり愛と献身と自己犠牲なんじゃないかなぁと思ってます。
自己犠牲はあんま好きじゃないのでちょっと複雑な気持ち。
魂が赦される条件とは何だろう。うむむ。

最終話でアダムが自分やルシファーのことを創造物と言っていたので、たられば的に創造主がいるはず。アニメ一話では天使が集まって世界を創造したような感じの説明でした。作中の説明は素直に受け入れた方が良いと思うので、セラフ達がアダムやリリス、後妻のイブ、地球を作ったと。

ただ創世記によると神は天使などの姿を借りて人と接する事があるそうなのと、神は基本的に一人なのですが、ハクを付けるための表現として我々という言い方をすることもあるらしい。その方が聞こえがいいとかで。
また創世記の解釈も様々で、元の言語とはニュアンスが微妙に異なっている場合もあるとか。翻訳の意訳の表記といったフィルターの回数で実像がぼやけたり、知恵の実もリンゴって言ってるのは後世の詩人で、何の実であるかは聖書には書かれてないとのこと。

神の言う事を疑うのは罪にカウントされてしまうっぽいので、エミリーちゃんが堕天しなければいいなーとか

自らが神になったように美醜で他者を判断する者を悪魔と呼ぶそうなので、ルシファーお父さん大丈夫かなーとか

そういった事をあれこれ考えたりしてますが、創世記には物語(ストーリー、シナリオ、脚本)の基本がたくさん詰まっている気がする。

楽曲のジャンル、ハズビンホテルの脚本家、声優さんの他作品、原作チームが見ているミュージカルなど、作品への理解度を深めようと思うと結構な沼が広がっている様子。

暇なときに少しずつ学んでいきたい。
2期はよー


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