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【ネタバレ】ハズビンホテル(シーズン1)完走文

S1のE8を見終えました。

良かった…!

以下1話から改めて見直しつつ、ネタバレであれこれ書くのと演出にも触れるので、未視聴の方はご遠慮下さい。
あくまで個人の感想文ということで、間違いやお前ソレは違うだろ、といった点もあるかと思いますが、そのへんも許容できるかたのみ続きをどうぞ。


■そういえばトレカ
全8話の配信が終わってから改めて見直すと、トレカのイラストはS1の設定から描き起こされたものようで、ネタバレがたくさん。
当初はイラストが何を意味するかわからなかったのですが、プリンセスに呼ばれたラズル&ダズルがアレでコレがソレした時やらカニバルタウン、ラストシーンまで全部入り。
公式サイトではリストの配布が始まりました。

シークレット…あとはシークレットさえ…

■1話
冒頭のチャーリーの自伝紹介に出てくる天使のシルエットには、セラらしき人物の姿も。世界を創造した天使たちのうちの一人ということでしょうか。
改めて見直すと、歌唱パートではVOXが神父のコスチューム。後にアラスターがシスターコスなのは対抗心から?

最後の日はドラッグをやってSEXをしたいものさ、というような事をこの時のエンジェルが言うのですが、8話の決戦前夜ではハスクから最後の夜に何をするのか尋ねられた時、旨い酒が飲みたい、今を大事にしたいと答えています。
変わったな、というハスクの返しは、覚えていたハスクと成長したエンジェルのかけあいになっているのかも知れない。
8話でハスクが机の上で指をツーッとなぞるのは薬物を吸引するときに横へ並べる所作を指しているらしく、日本語翻訳ではクスリと表現されていました。
俺でなければ見逃しちゃうねェ!がほんとにたくさん盛り込まれているので、何度見直しても発見が多いです。楽しい。

■2話
ハズビンホテル最初の客、罪人の魂の第一号はサーペンシャスでした。
つまりハズビンホテルは最初の客を昇天させることに見事成功したことになります。8話ではエミリーが笑顔に。かわいい。
(この時のプイーという効果音、パイロット版では変わったSEがたくさん使われていたのでその名残?)
エンジェルはサーペンシャスに、お前がホテルに滞在していいのは最長で一週間だと告げます。ホテルに集う人々はみんな最初は激しく対立するのですが、生活を共にするうちに(更生プログラムに参加するうちに)だんだん距離感や付き合い方、その人がどういう人なのかを理解して仲良くなっていく流れ。

アメリカでは精神的にツライ時はカウンセリングを受けるのが一般的らしく、アメリカ映画を見ていると、よくみんなで椅子に座って悩みを打ち明け合っていたり、精神科医に相談しているシーンが登場します。
こういった手助けのシステムは宗教観の影響かなーと思ったりもするのですが、犯罪者やその家族を支援するような団体もいっぱいあるらしい。親子も主従関係というよりは友人っぽい感じで対等な付き合い方をする傾向があるようなので、積極的に人と関わるのが文化的に自然な事なのかも知れない。隣にいたりするとすぐ話しかけてくる印象。
チャーリーが批判する前に一言褒めるのも欧米式のやりとりですね。料理にツバ入れられないための知恵だよHAHAHAとは米国在住者の談。まじで?

■3話
ゼスティアル、結構な美声。
バギーが歌う時に空を見上げていた理由は、自身の属性や天国について思いを巡らせていたのではないかと思われます。
(というか歌詞に全部書いてある)
新たな土地であなたと出会った時に生まれ変わった気がした、手段は選ばない、あなたを守り抜くとカミラといっしょに熱唱。
後にカミラと対決した際、カミラは目を見ればわかると言っていました。行動や考え方に似たところがあるので、そのへんで通じ合ったのかも知れない。
サーペンシャスも認められていき。
だが!武器は!作るな!

■4話
エンジェルはSEXは嫌いではないけどポルノの仕事は嫌だと考えているらしく、歌唱パートでも、最悪なのはこれが自業自得であることだと言っています。
契約に至った理由が明かされるのは2期かな…何か理由があるようです。
欧米は契約社会なので契約がとても強い意味を持ち、口約束ですら契約として取られることがあるとか。雇用関係では契約以外のことはするなと言われ、時間が余ったので職場の掃除やっときました!みたいな善意の行動でも、清掃員の契約を邪魔するなと怒られてしまう場合もあるそう。

ヴァレンティノは1話でチャーリーにブチギレてますし、エンジェル大好きっぽいので嫉妬で両者に辛く当たっているかも知れない。

好きでやっているんだろ、嫌ならやめろ、自業自得、契約で辞められない、おまけに相手がマフィアのドンと、エンジェルは設定の卍固めで身動きが取れない様子。。

エンジェルに帰るよう言われたチャーリーは自分を責めて諦めますが、ハスクはエンジェルを追いかけます。酒瓶の底に答えは転がっていないとか、ホテルではお前なんて誰も気にしていないとか、話してみろとか、絶望経験者っぽい言葉がたくさん。
内心俺に比べたら大したことないだろうとか思ってそうではある。自分がかけられたい言葉だったのかも知れない。
物事の本質は仕方ないよね、で切り捨てられた部分、表に出てこない所にこそあったりするものですが、言葉にすることで伝わることもあると。

その後エンジェルがチャーリーに少しだけ心を開くのですが、感動してボロ泣きのチャーリー。
話を聞いてもらえないパイロット版や中指突き立てられたADDICTと地続きの世界観だとすると、反抗期の家族からお礼を言われたような瞬間だったのかも知れない。


おやおや


チャーリーも若い頃はなかなかツッパっていたようです。



最後にハスクから一杯どうだ?と聞かれたエンジェルの返しが「僕の心を読んだね」というセリフになっているのは、4話冒頭で始まった喧嘩がここで収まったって事なのかな。きれいにオチたのではないでしょうか。

■6話

6話。エミリーはセラの娘?ではないのかも。若いとは言っていたが。
六枚羽根だし、かなり上位の天使のようです。
セラは天国の平穏のためにアダムのエクスターミネーションを許可した様子。
そしてバギーの過去が明らかに。チャーリーとの出会いは物語のおよそ三年前らしい。悪魔に情をかけた罪で放逐されたため、地獄で暮らすことになった模様。
ニフティの自由人っぷりは凄まじく、ヴァレンティノ相手に一歩も引かず。
殴られるのがわかっていても断る勇気というのは見習いたいものです。孤独だと難しい。

■七話
ついにアラスターと取引してしまうチャーリー。そもそもこの契約のためにハズビンホテルへ近付いて来たのかも知れない。
そしてチャーリーとバギーは喧嘩中。日本のアニメや漫画だと、親とか喧嘩とかギスギス要素は描かれない事が多いように思います。恋愛も少ないのはその方がファンの客層が広がるということだろうか。

ノーガードで突っ走る性格を見透かされていたようで、カミラに説教されるバギー。過去にはアラスターにも容赦なく突っ掛ってました。

愛の戦士バギー爆誕
ちなみにこの名前は多くのゲームでNGワード

ハスクに自己嫌悪を指摘された時に天を仰いでいましたが、自身の秘密をチャーリーに言えなかった事がずっと引っかかっていたようです。
最後は一人で戦うことになるぞ、というバギーの言葉が説得に成功したっぽい。子供だけは守るって言ってたし。
髪が邪魔だ、とバギーが言った直後にカミラは自分の髪をほどきます。同じ条件で戦おうとしたのでしょうか。髪の毛は関係ないと言いたかったのかも。それとも欧米文化の何か?

以下は歌唱パートの一部ですが

・英語
I know you're thirstin' for vengeance, Vaggie You're out for blood
But you'll only stand a chance if you're out for  love

・意訳
ヴァギー、復讐に渇望しているのはわかっている。血を求めている。
でも、愛を求めていなければ、チャンスはないだろう。

・日本語字幕
復讐に燃えているのね
でも愛のために戦うのよ

・日本語吹き替え
復讐に囚われた心より
心の強さを手にしなさい

このように微妙にニュアンスが異なる様子。
もしかして2人は知り合い?

カミラママの教育的指導を受け、愛のために戦うことを決意したバギーは見事天使の力を取り戻すのでした。新しい羽根も生えて文字通りのマジ天使。

歌唱パートではオリジナルである英語のニュアンスが本来の意図なので、なるべく日本語字幕で聞きたいところ。
細部のニュアンスが異なる日本語の歌(ポイズン=ハマってるみたいな)は原作サイドとすり合わせ済みなんだろうか。だとすればニュアンスの違いも両方が本家の意図通りではある。

オーバーロードのロージーですが、味方にはとても優しい様子。

人はだれでも過ちを犯す
言葉に大した重みはないが
行動には本心が現れる

なんという名言。
この一言で、チャーリーはバギーの献身を信じ、戦う決意をした模様。

あれも名曲!
これも名曲!
仲いいなアラスターとロージー!

犯罪者の顔とはその人の一面であって、全てではないそうです。よく報道では見かけによらず、まさかあの人が、普段はいい人なのに、そんなことをするはずが…とイメージで語りがちですが、どれもその人の一面。
アラスターやロージーにも人としての様々な感情が存在するようなので、いつかドラマパートでスポットが当たる日が来るかも知れない。悪役みんな魅力的だなー


■8話
“サー”ペンシャス将軍、勝負服。
チェリーボムは暇してたようで颯爽と参戦。以前エンジェルの鬱メールにはもう飽きたとか言っていたので、話を聞いて駆けつけたのかも知れない。ADDICTとAmazon版の設定が地続きなら、一緒にVeesのクラブ爆破して逃亡した仲ということで頼もしい。
みんなにも善良な心が、とチャーリーが演説している時の本気で面倒くさそうな顔も最高でした。



この顔である


アラスターはニフティを相当気に入ってるらしく、本当になかよし。
ニフティはホテルメンバーの中で最も悪魔寄りな言動な気もする。

そしてreprise(過去の演出が繰り返される演出)のmore than anything。名曲。
以前ルシファーは娘を、チャーリーは父親と人々を何よりも愛していると歌っていました。
バギーはホテルメンバーの中では恐らくチャーリーに救われた最初の人なのですが

たとえ救われたのが
私一人だったとしても
知ってほしいことがある
他の何よりもあなたを愛しています

このメッセージはアツい。
不安で泣いていたチャーリーも、かなり心強かったのではないでしょうか。
相思相愛って究極の自己肯定だったりするのかも知れない。

からの全面戦争へ突入、アラスターも参戦。

日本語字幕だとアダムからお前は死すべき魂、アラスターからは私は宿命を背負う魂というやりとりが出てきます。

・アダム(機械翻訳)
Nice voice. Don't you know jazz is for pussies?
いい声だがジャズはプッシー(女性の悪い言い方)のためのものだということを知らないのか

A mortal soul is no match for me. edge-lord.
不死の魂(一般的な魂)は私に勝てない、自分が特別だと思っている人。

死者の魂という意味ではわりかし普遍的な言葉らしい。
または聖書や創世記にそのような単語やエピソードが出てくるのかも?
ジャズとロックの音楽性における対立にもなってそう。

これに対して

・アラスター(機械翻訳)
You should know better than anyone that a soul can accomplish
あなたは誰よりもよく知っているはずです。魂が成し遂げられることを。

When they take charge of their own fate.
彼らが自分の運命を自分で決める時。

こちらは人が自分で自分の人生を決めることの重要性を説く時によく使われるフレーズだとか。

アダムの攻撃でアラスターの変身が解けたようで、「何がおきた?」というセリフは、自身の変身が解けたことだと思われます。
変身したとき一瞬額にバッテンがありました。何か意味があるのかも?ないのかも?

そしてサーペンシャス瞬殺。
戦場で告白するフラグ、特攻をかけるフラグ、発射ボタンを押すフラグ…とフラグはたくさん立っていたのに加えて、相手はアラスターすら倒してしまったアダム。見事な最後でした。

ホテルの客でもあるサーペンシャスを失ったチャーリーは激昂して変身、ラズルとダズルも変身。

パパ登場。

変身するとツノと尻尾が
パパっ娘
何か秘められた力があるようで
お父さんルシファーでお母さんリリスですもんね
実は地獄で一番強いのかもしれない
世界最恐のお姫様だっこがこちらです

チャーリーは家族や仲間に手を出す人が許せないようで、エンジェルが笑われたり暴力を振るわれた時もキレかけてました。
娘に手を出したアダムにルシファーもブチ切れ。こわい。けどかっこいい。

勝利の代償に失ったものは大きく、打ちひしがれるチャーリー。それを支えるために駆け寄る仲間。今まで色々あっただけに、みんな成長したな…



ファッキンハッピーデー!
エー!
エーー!
ーーイッ!


という終わり方は、1話の「今日は最高の1日になる」という部分にかかっているものだと思われます。

どどんと完成した鉄筋コンクリート造のハズビンホテル。
これからどんな人がこのホテルを訪れ、どのような物語が紡がれていくのでしょうか。


からのサーペンシャスとリリス。
続きが待ちきれないのですが!?
天国へ行く方法とは!?
また5年待たされるの!?

■おわりに
世の中のあらゆるストーリーには一定のテンプレがあるそうで、日常→来訪者を契機に→非日常へ足を踏み入れ→苦難を乗り越え→日常に戻る、というサイクルが王道だそうです。各地の神話やハリー・ポッターもこのパターンだとか。

ハズビンホテルもアラスターの来訪や出会いと別れ、苦難を経験し、成長してまた日常へ戻ったようにも感じます。

パイロット版の全力リメイクのような内容だったんじゃないですかね。エピソードもパイロット版を思わせるものが多くありました。
相手の口を広げて笑顔の意味を説いたり、ニフティが吹き飛ばされるたびに喜んでたり。

原作者の意向やオリジナルの雰囲気を損なわずに映像化するのはかなり困難らしく、ド◯ゴンボール、鉄◯、最近では日本国内のテレビドラマなど、企画そのものが終了してしまうものも少なくありません。

声優やスタッフの変更やサーペンシャスの死など、ファンの叫び声が聞こえそうな展開もあったりするのですが、二次創作で幸せな日々を回顧したりその後の幸せを願ったりと、オリジナル同人を商業化まで押し上げたファンはつよいなーと思います。

その一方で、国内外で声優やスタッフに直接感情をぶつける人もいるようです。反論する声優さんのSNSが荒れることもしばしば。
本家は1億pvを超える人気作品ですし、AmazonPrimeでも視聴ランキング全米1位とかってニュースを見たので、注目度が高いぶん否定的な意見も多いということかも知れません。
とはいえチクチク言葉は誰も得をしないことが多いので、批判もできればふわふわ言葉で語る事を心がけたいものです。

あと個人的に気になるのが政治利用。
最近だと政治的な目的に海賊旗やチェーンソーを掲げる人がいたり、ハズビンホテルのキャラクターに国旗を掲げさせるファンアートも散見されます。

気持ちはわかる。

けどやはりアニメマンガゲーム最大の魅力は国境を超えた価値観の共有にあると思うので、願わくばどちらか片方の言い分にのみ使用されるのではなく、両者共通の価値観を形成するものとして運用されていったらいいなと思います。
そういった共通の価値観こそが、世界平和に最も必要な要素なのではないでしょうか。

HENTAIという言葉はもはや世界共通言語として定着してしまいましたし、チャーリーもBUKKAKEを熱唱しています。その日本語も通用するようになったんか…
全人類共通の価値観はエロ。エロは世界を救う…かも知れない。
※深夜テンション

おわり。

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