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そのサッカーを疑え!

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2018年3月の記事一覧

4-2-3-1上に浮かび上がる、日本サッカー界の改善点

 いま世界で最も多く使用されている布陣と言えば4-2-3-1だろう。中盤フラット型4-4-2と4-3-3の中間型。ザックリと言えばそうなるが、そう一言で片付けにくい奥の深さがある。奇麗に割り切れない所。バリエーションの豊富さこそが、この布陣の魅力になる。

 中盤フラット型4-4-2に近い4-2-3-1もあれば、4-3-3に近い4-2-3-1もある。4-5-1に近いものもあれば、4-2-4と言いた

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諦めた監督と貫いた監督。浦和対横浜戦のピッチに描かれた別模様

 日曜日に取材観戦したJリーグ第4節、浦和レッズ対横浜Fマリノスは、両軍が対照的な絵を描いた興味深い一戦だった。

 3節終了時点で浦和は13位。横浜は16位。ともに白星がなく、スタートダッシュに失敗していた。共通項はそれだけではない。サッカーの中身も似通っていた。4-3-3をベースに両サイドを使い、支配率の高い攻撃的なサッカーを目指したものの、結果を出せずにいた両チーム。あるべき姿を披露し、片目

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敗因を精度に求めたがる監督に、懐疑的な目を向けたくなる理由

 Jリーグ、代表戦等の試合後に行われる監督記者会見。そこでほぼ毎回、登場する台詞に「精度」がある。「もっと精度を高めていかなければ……」と、監督は反省を口にする。パスの精度、シュートの精度、クロスの精度等が、そこで登場する精度の内訳になるが、はたして精度不足の解消は、実現可能な問題だろうか。練習すれば、目に見えて上達するものだろうか。

 クロスの場合ならば、もう少し具体的に、視野の狭さとキックの

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昨季のJリーグ覇者川崎Fが、弱小チーム湘南に引き分けた原因と、日本サッカーの盲点

 湘南ベルマーレが昨季のJリーグ覇者川崎フロンターレに1-1で引き分けた。昇格チームである湘南にとって、アウェー戦の引き分けは、勝利にも値する上々の結果だ。しかし、湘南のチョウ貴裁監督は試合後、自らのサッカーを悩ましげに振り返った。

 相手に何かを伝えようとする意欲が人一倍旺盛な、サービス精神に富むチョウ監督。だが、この日は話にキレがなく、内容を理解しにくかった。

 湘南に詳しい知人記者から聞

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ジェフ千葉のストライカーに見る浦和レッズ浮沈のカギ

ジェフ千葉のストライカーに見る浦和レッズ浮沈のカギ

 Jリーグ開幕週。土曜日と日曜日、2日連続で味スタに出かけた。

 FC東京対浦和、東京V対ジェフ千葉。この4チームの中で、一番のお好みはジェフ千葉だ。フアン・エスナイデル監督のサッカーである。

 昨季のシーズン後半、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いで連勝を重ね、最終的に6位に躍進。昇格プレーオフで名古屋に惜敗したが、千葉はどこよりもよいシーズンの終わり方をした。昨季後半の勢いは、今季も維持されているの

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