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そのサッカーを疑え!

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2018年4月の記事一覧

ハリル報道を混乱に導く”日本化”したフットボールの正体

ハリル報道を混乱に導く”日本化”したフットボールの正体

 キャスターが大越健介氏に変わり、番組の雰囲気が本格色の強い大人っぽいムードに様変わりしたサンデースポーツ(NHK)。民放のスポーツ単独のニュース番組がほぼ消滅した中、この番組はスポーツファンにとって貴重な存在になっている。

 言い換えれば、2020年東京五輪との整合性を思わず疑いたくなる、スポーツ貧国ぶりを象徴する一件だ。民放の悲しい状況を踏まえれば、サンデースポーツは日曜日だけでなく、月火水

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コロンビアに大敗した従来の日本式サッカーを、的確にアップデートする方法

コロンビアに大敗した従来の日本式サッカーを、的確にアップデートする方法

 ハリルホジッチを解任した田嶋幸三会長は、その会見の席上で、「日本らしいサッカーを」と述べた。西野新監督も就任会見で「日本化したフットボール」と言い、日本サッカー界がこれまで積み上げてきたものに活路を求めようとする姿勢を示した。

「技術力を最大限生かし、組織的に結束して戦う強さ、化学反応を起こした上で戦う強さをベースにして……」と。

 しかし、この歯切れの悪い言葉を聞いてもわかるとおり、説明に

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「1%でも勝つ可能性を追究した結論だ」に対する異論

 ハリルホジッチ解任記者会見。田嶋会長は、会見場のひな壇に1人で座り、およそ50分間、記者が質問している間を除き、ほぼ喋りっぱなしの状態だった。しかし、苦しい立場であるにもかかわらず、言葉に窮した場面は一度もなし。質問者の半分嫌みな問いかけに、逆切れすることも、高圧的になることもなく、低姿勢ではあるけれど饒舌に話し続けた。少なくとも、質問者との1対1の局面で齟齬をきたすことはなかった。

 一方で

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日本代表はなぜ毎度、失速パターンを繰り返すのか

 開催国の特権で予選を免除された2002年日韓共催W杯は別にして、それ以降の各代表は毎度、同じような事態に必ずや陥っている。第4コーナーを回り、直線に向かうと勢いは低下。W杯が接近するにつれ、期待値を下げるパターンだ。ジーコジャパン、第2次岡田ジャパン、ザックジャパン、そしてハリルジャパン。98年フランスW杯を目指した加茂ジャパン+第1次岡田ジャパンにもその傾向は強く、加茂監督解任はその産物と言え

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