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そのサッカーを疑え!

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2018年10月の記事一覧

J副理事長の原博実氏以外「PKです!」とハッキリ言えない世の中を心配する

J副理事長の原博実氏以外「PKです!」とハッキリ言えない世の中を心配する

 日本はまだサッカーといい感じで向き合うことができていない。ルヴァンカップ決勝を巡る報道を見ながら改めてそう思った。

 さいたまスタジアムで行われた、横浜Fマリノス対湘南ベルマーレの一戦。1-0で湘南が勝利した試合だが、第3者的には、試合のハイライトは後半33分のシーンになる。湘南のペナルティエリア内で、同チームのMF岡本拓也が、その右足で横浜FWイッペイ・シノズカの足を引っかけ、転倒させたかに

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絶滅危惧種を守れ。いまフィーゴのウイングプレーにノスタルジーを抱く理由

絶滅危惧種を守れ。いまフィーゴのウイングプレーにノスタルジーを抱く理由

 GKを除く10のポジションで、右利きの選手が一番やりたくないポジションはどこか。やりにくいポジションと言うべきかもしれない。右利きの選手の絶対数が少なく、同様にスター選手の数が少ないポジションとは。

 左サイドバック(SB)ではない。左はむしろ歓迎すべき場所。もちろん右SBでもない。右利きのSBには名手がたくさんいる。それより一列高い場所だ。採用する布陣で分かれる。

 4-4-2の右サイドハ

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Jリーグの外国人枠増を欧州に学ぶ。地方クラブは有利なのか不利なのか

Jリーグの外国人枠増を欧州に学ぶ。地方クラブは有利なのか不利なのか

 イニエスタと言えば、バルセロナの下部組織、ラ・マシア出身の生え抜き選手として知られる。チャビ・エルナンデス、グアルディオラ、現役ではジェラール・ピケ、セルヒオ・ブスケツ、リオネル・メッシもこの仲間に収まる。だが現役の3人はいずれも30歳を超えていて、その下の年代には見当たらない。バルサ以外でプロ選手になった選手はいるものの、育成組織がトップチームを支える機能を満足にはたしているとは言い難い状態だ

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会見で「全員攻撃、全員守備」を決め台詞にした森保監督の言語感覚

会見で「全員攻撃、全員守備」を決め台詞にした森保監督の言語感覚

「安倍内閣の関係閣僚はまさに全員野球の精神で内野外野の区別なく改革に向けた具体的な検討を……」。内閣改造を終えた安倍首相は、会見でそう述べたという。「全員野球」。5年ぶりなのか、10年ぶりなのか、記憶にないほど久々に聞く台詞だ。世間的にどうなのか定かではないが、個人的には死語に相当する。

 サッカーで言うなら「全員サッカー」。こちらも死語だ。全員サッカーの精神で……と述べる指導者、解説者、評論家

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