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そのサッカーを疑え!

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2019年4月の記事一覧

平成期最大のルール変更に対応できなかった日本人の代表監督たち

平成期最大のルール変更に対応できなかった日本人の代表監督たち

 サッカーはルール変更が少ない競技として知られる。その普遍的な枠組みが競技力の向上を促している。明快なルールが普及発展を支えているという印象だ。とはいえ変わったものもある。

 一番に来るのは、まだ日本で本格的に採用されていないVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)だろう。ビデオ判定といえば、いかにも客観的な視点に基づく公平なジャッジのように聞こえるが、裁くのは主審だ。テニスのように、ビデオを

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CL準決勝バルサ対リバプールで、日本人がメッシ対サラーに注目したい理由

CL準決勝バルサ対リバプールで、日本人がメッシ対サラーに注目したい理由

 来週行われるバルセロナ対リバプール(チャンピオンズリーグ準決勝)。見どころはいろいろあるが、この試合の結果は、リオネル・メッシとモハメド・サラーの活躍度にそのまま反映するように思う。

 サッカーは11人対11人の戦い。個人の争いを強調することは本質から外れる恐れがあるが、この試合の場合、彼らの活躍なしに、それぞれのチームが勝利する姿を想像することは難しいので、あえてそう言わせてもらう。

 と

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平成サッカー負の遺産。川崎対湘南戦で見た日本の特殊性とは

平成サッカー負の遺産。川崎対湘南戦で見た日本の特殊性とは

 平成から令和に移ろうとしているいま、特別な感情がこみ上げているわけではないが「この30年間のサッカー」という視点に立てば、触れずにはいられない事例が多々ある。

 昭和の時代はいま振り返れば冬だった。冬であるとの認識すら持てない、閉ざされた世界の中に身を委ねていた。

 常に世界との関わりを余儀なくされているスポーツの世界では、元号を用いる機会はただでさえ少ないが、昭和から平成に入るとその傾向は

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欧州サッカーを国やリーグ単位で眺める危なっかし

欧州サッカーを国やリーグ単位で眺める危なっかし

 チャンピオンズリーグ(CL)とヨーロッパリーグ(EL)へ計7チームを送り出し、決勝トーナメント1回戦を経た現在まで敗退したチームはわずか1チーム。今週行われるCLの準々決勝には4チームが出場する。プレミア勢の話であるが、その好調ぶりは昨シーズンあたりから顕著になっている。

 現在、UEFAカントリーランキング(リーグランニング)で首位を走るのはスペイン(リーガ・エスパニョーラ)で、イングランド

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