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そのサッカーを疑え!

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2019年6月の記事一覧

急増した左利きアタッカーを効率よく布陣上に落とし込む方法

急増した左利きアタッカーを効率よく布陣上に落とし込む方法

 スタメンの第2列目に左から中島翔哉、久保建英、三好康児の3人が並んだのは、コパアメリカで最後の試合となったエクアドル戦だった。

 試合はどちらに転んでもおかしくないスコア通り(1-1)の内容で、喜ぶべきかどうか微妙な戦いだったが、世の中はいたって好意的な反応を示した。3人揃って華のあるプレーを見せたからだ。

 A代表の4-2-3-1の3は、現在の優先順位に従えば中島、堂安律、南野拓実と続く。

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日本サッカーの不思議。日本国内の3バックは、なぜその多くが守備的なのか?

日本サッカーの不思議。日本国内の3バックは、なぜその多くが守備的なのか?

 現在、開催中のコパアメリカで森保ジャパンは4バック(4-2-3-1)を採用している。だが、そのメンバー23人の集団は、4バックの両サイドバック(SB)を各2人(計4人)含んでいない。3バック(3-4-2-1)で臨む意志が伝わってくる構成だ。3バックの使用を急遽、断念した様子が見て取れる。

 母体となるU-22はご承知の通り、当初から一貫して3-4-2-1を採用してきた。森保一監督がサンフレッチ

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再び迷走が始まった代表サッカー。パスサッカーと森保式3バックとの好ましくない関係

再び迷走が始まった代表サッカー。パスサッカーと森保式3バックとの好ましくない関係

 引いて守る相手にはサイドから崩せーーは、サッカーのセオリーであるハズだ。相手の最終ラインの背後にスペースはなくても、サイドには侵入する余地がある。相手のサイドバック(SB)の背後を狙えばセンターバック(CB)がカバーに来る。SBを外から剥がすように崩し、CBの間隔が広がり、ゴール前の守備が手薄になったところを突く。左右交互にそれをどこまで繰り返し丹念に行えるか。

 W杯初戦でアルゼンチンに0-

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CL決勝の舞台=マドリードで思った。神戸の「バルサ化」って何だ?

CL決勝の舞台=マドリードで思った。神戸の「バルサ化」って何だ?

 マドリードで行われたチャンピオンズリーグ(CL)決勝、リバプール対トッテナム・ホットスパー(スパーズ)は、開始早々、リバプールがPKで先制する展開。はるばる現場に駆けつけながら、当たりか外れかで言えば外れに当たる試合に遭遇する不幸を恨んだものだが、その場にいて結果の重さ、勝利の重さだけはしっかり伝わって来た。

 リバプールとロンドンに本拠地多くイングランドの2チームがスペインの首都マドリードで

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