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そのサッカーを疑え!

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2019年9月の記事一覧

ヴィッセル神戸。順位は回復したけれど、「バルサ化」はどこへ行った?

ヴィッセル神戸。順位は回復したけれど、「バルサ化」はどこへ行った?

 最近5試合で4勝。今週末に行われた直近の試合でもJリーグ3連覇を狙う川崎フロンターレに快勝した。15節にトルステン・フィンクを監督に迎えた神戸。一時は、降格圏近くを彷徨っていたが、気がつけばジワジワと順位を上げ、9位にまで回復してきている。降格の心配はほぼなくなった。めでたしめでたしと言いたいところだが、あえて一言いわせてもらいたいことがある。

 バルサ化はどこへ行ってしまったのか。その旗はす

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動かぬ岩を動かした過去の名采配に学べ。鹿島のACL敗退に代表監督に求められる資質を見た

動かぬ岩を動かした過去の名采配に学べ。鹿島のACL敗退に代表監督に求められる資質を見た

 最近実際に見た試合で一番面白かった一戦はと問われれば、鹿島アントラーズ対広州恒大(アジアチャンピオンズリーグ準々決勝)と答えるつもりだ。第1戦(アウェー)の0-0という結果を受けての第2戦。カシマスタジアムで行われたホーム戦である。結果は1-1。鹿島はアウェーゴールルールに泣いたわけだが、鹿島に縁もゆかりもない筆者は、シンプルに第3者的な視点で楽しむことができた。まさに、アウェーゴールルールに基

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サッカーにおける守備とは。久保建英に見てみたい守備をしないという選択

サッカーにおける守備とは。久保建英に見てみたい守備をしないという選択

 先のパラグアイ戦後、森保監督はかなり回りくどい言い回しで、久保建英の守備について不満を口にした。

 そんなに言いたくないのなら口にしなければいいのにと思ったが、言いにくいことをあえて口にしたために、スムーズに話せなかったと解釈することもできる。どうしても言っておきたかったことだったのかもしれない。

 この試合、久保は後半の頭から堂安律に代わり4-2-3-1の3の右で途中出場した。このポジショ

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柴崎岳型が減り橋本拳人型が増えた日本の中盤

柴崎岳型が減り橋本拳人型が増えた日本の中盤

 開幕直前に代表監督の首をすげ替えてもベスト16に進出。アギーレ、ハリルホジッチ、西野朗と結局、代表監督は4年間で3回交代した。ロシアW杯を目指した日本代表が残した大きな教訓だ。

 大会前の監督交代劇からロストフの悲劇まで、日本が演じたドタバタ劇を通して、物事を大局的な視点で捉える目が培われたように思う。10日のミャンマー戦に、森保一監督がどんなメンバーで臨むのか定かではないが、弱小相手に大真面

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